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絵本『さばくのカエル』(松井孝爾 文・絵 新日本出版社)/オーストラリアの砂漠に棲むカエルたち

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生物学者、松井孝爾(まついたかじ/1925—2014)氏が1993年に出版した絵本『さばくのカエル』(新日本出版社)。松井氏は1970年代より『カエルの世界』(平凡社カラー新書)、『あまがえるのてんきよほう』(新日本出版社)、『カエルの不思議発見「四六のガマ」の科学』(講談社)などのカエルに関する本を出版し、カエルのイラストも描きました。

本書『さばくのカエル』(新日本動物植物えほんⅡー⑨)も文と絵のどちらも松井氏によるもの。オーストラリアに分布しているカエルについて紹介している科学絵本で、特に表紙にも描いているミズタメガエルのユニークな生態を絵本の中でわかりやすく説明しています。

普段は砂漠の赤い土の下でじっとしているミズタメガエルは1年に数回あるかないかの雨の日に地上に現れて、繁殖活動、捕食、そして貯水まで一気に行います。ミズタメガエルはその名前の由来でもある、たくさんの水を貯めることができるからだのしくみをもっています。体に貯めたその水をアボリジニーの人々がのどの渇きをうるおす飲み水にしていた話も知られています。人間に水を分け与えても、土の中でほんの少しの地下水を貯め、いよいよ水が不足して体が乾きそうになると自分の体から分泌するねばねばしたもので体を包んで乾燥を防ぎます。

その他、ミズタメガエル同様普段は地面に掘った土の中で生活し、雨が降った後にできた水たまりで短い時間にオタマジャクシからカエルになるカトリックガエルも紹介されています。カトリックガエル(学名Notaden bennettii 英名Catholic frog)は、オーストラリアガエル科カトリックガエル属のカエルで、警告色である背中の十字架模様が特徴です。

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