« 2025年6月 | トップページ | 2025年9月 »

2025年8月

絵本『さばくのカエル』(松井孝爾 文・絵 新日本出版社)/オーストラリアの砂漠に棲むカエルたち

Img_2400_20250812053201

生物学者、松井孝爾(まついたかじ/1925—2014)氏が1993年に出版した絵本『さばくのカエル』(新日本出版社)。松井氏は1970年代より『カエルの世界』(平凡社カラー新書)、『あまがえるのてんきよほう』(新日本出版社)、『カエルの不思議発見「四六のガマ」の科学』(講談社)などのカエルに関する本を出版し、カエルのイラストも描きました。

本書『さばくのカエル』(新日本動物植物えほんⅡー⑨)も文と絵のどちらも松井氏によるもの。オーストラリアに分布しているカエルについて紹介している科学絵本で、特に表紙にも描いているミズタメガエルのユニークな生態を絵本の中でわかりやすく説明しています。

普段は砂漠の赤い土の下でじっとしているミズタメガエルは1年に数回あるかないかの雨の日に地上に現れて、繁殖活動、捕食、そして貯水まで一気に行います。ミズタメガエルはその名前の由来でもある、たくさんの水を貯めることができるからだのしくみをもっています。体に貯めたその水をアボリジニーの人々がのどの渇きをうるおす飲み水にしていた話も知られています。人間に水を分け与えても、土の中でほんの少しの地下水を貯め、いよいよ水が不足して体が乾きそうになると自分の体から分泌するねばねばしたもので体を包んで乾燥を防ぎます。

その他、ミズタメガエル同様普段は地面に掘った土の中で生活し、雨が降った後にできた水たまりで短い時間にオタマジャクシからカエルになるカトリックガエルも紹介されています。カトリックガエル(学名Notaden bennettii 英名Catholic frog)は、オーストラリアガエル科カトリックガエル属のカエルで、警告色である背中の十字架模様が特徴です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u

「コトバデフリカエル」https://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kotobadefurikaeru

|

絵本『ふるいけおんがくかい』(奥山多恵子 作 福音館書店こどものとも531号)/カエルとてるてるぼうずがタッグを組むと

Photo_20250803080301

盛夏、各地の水辺ではカエルたちが音楽会を開いているかのように鳴いている頃。ただ最近の激しい気象現象が水田にも大きな影響を及ぼしているなか、そこに暮らすカエルたちがどうしているかも気になります。

絵本作家、奥山多恵子さんの絵本『ふるいけおんがくかい』(福音館書店 2000年刊行)には「てるてるぼうず」が登場します。「あした天気にしておくれ」の願いを叶えられなかったために捨てられたたくさんのてるてるぼうずが川を流れてきて、カエルの「ちかつん」と「ぐずびん」に助けられます。そして2匹のカエルたちはその夜、ふるいけで開催される音楽会にてるてるぼうずたちを招待します。

カエルの世界が描かれた絵本では音楽会のシーンがよく見られます。カエルグッズを集めていても楽器を演奏したり歌を歌ったりしているカエルと出会うことは多く、カエルの表現に「音楽」は欠かせないものになっています。絵本の中で“参加する”音楽会も、どんなライブを聞かせてくれるのか楽しみになります。

この絵本でカエルたちは音楽会の主催者のようで、演奏するのは昆虫や爬虫類等々。かまきりさんやバッタさんの弦楽合奏、蟹(かに)さんのマリンバ演奏、かめばあさんのオーボエ演奏など、決して上手な演奏ではなさそうですが貴重なステージに違いありません。

ところで、晴れてほしいときに願いをかけるのが「てるてるぼうず」。ひと雨ほしいときに鳴いてほしいのがアマガエル。人間の力ではどうにもならない気候変化ですが、身近にいるカエルたちを観察して自然の動きに敏感になりたいものです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u

「コトバデフリカエル」https://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kotobadefurikaeru

 

|

« 2025年6月 | トップページ | 2025年9月 »