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2026年5月

2026年5月16日 (土)

カエルタイムズ第2号[文化](2005年6月25日発行)ミュージアムに住むカエル2 「蝦蟇仙人に会いたい、蝦蟇仙人になりたい」 (後半)高山ビッキ

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ミュージアムに住むカエル2「蝦蟇仙人に会いたい、蝦蟇仙人になりたい」(後半)

[蕭白の蝦蟇仙人に会いたかったけれど、…]

インディアナポリス美術館名品展にも作品が何点か展示されていた絵師に、曾我蕭白(そがしょうはく/1730ー1781)がいます。2005年4月12日から5月15日まで、京都国立博物館ではその絵師の作品が目いっぱい堪能できる特別展覧会「曾我蕭白~無頼という愉悦」が開催されました。蕭白の作品の中にも蝦蟇仙人が“いる”というのに、その時は京都まで足を延ばせず会いにいけませんでした。取り寄せた図録を見ただけでしたが、奇想天外な絵の数々に江戸期の日本美術の層の厚さを知るきっかけになりました。

もともとちょっと変わった画題である「蝦蟇仙人」ですが、この絵師の手になると「群仙図屏風」に代表されるように絵の構成から仙人の表情まで、独特の異様さがこれでもかといわんばかりに強調されています。絵の実物は見たかったけれど、こんな蝦蟇仙人が本当にいたらちょっと後ずさりしてしまいそうな…。

蕭白は同時代の絵師伊藤若冲(いとうじゃくちゅう/1716ー1800)と比較して語られることがあります。共に江戸後期の画人としては、現実の再現にこだわらず自らの内面世界を表現することに絵師の本領を発揮しました。この二人が昨今特に注目されるのは、現代人の最大の関心ごとである精神世界を200年前すでに江戸期の卓抜した技術をもってリアリティ豊かに表現しているからでしょうか。その二人の作品にカエルが重要な役割をもって登場していることが、カエル好きはなぜかうれしいのです。

ただし、二人のカエル表現はそれぞれの内面性の表出であるだけに、与える印象はまったくちがっています。それは音楽にたとえれば、「池辺群虫図」などに見られる若冲のカエルの絵が、静かだがやや難解な環境音楽だとしたら、蕭白のカエルの絵は、人によってはまったく受け付けないが人によってはのめり込まずにはいられない、ヘビメタやパンクの世界といったところでしょうか。

蝦蟇仙人になることができれば、伝説どおりに金貨をくわえた三足の蛙を釣り上げてお金持ちになれるのでしょうか。そうはならなくても、日本そして世界のさまざまなミュージアムに住む蝦蟇仙人には会いに行きたい。

<後日談として>

カエルタイムズを発行しているときに蝦蟇仙人について考えた後、100年カエル館は2011年と2016年と2019年に福島県立博物館で100年カエル館コレクション展を共催させていただきました。偶然のことですが、その展示とは別に、11年のときは谷文晁の「八仙人図」、16年のときは05年には対面がかなわなかった曾我蕭白の「群仙図屏風」が同館の別の展示室に展示されていました。また、19年のときは同館の企画展「どうぶつの考古学」が別の展示室で開催され、カエルが施された縄文土器やカエル型の角製品を観ることができました。

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100年カエル館は、2026年5月25日(月)に『ガマ仙人の家』(高山ビッキ著 100年カエル館刊)を発売開始いたします。ご購入はカエルグッズのお店Cave(ケイヴ)東京・吉祥寺 TEL.0422-20-4321 https://www.cave-frog.com へ。

※発売を記念してご購入いただいた方に100年カエル館の100年のあゆみ「100年カエル館モノ語り」をプレゼントいたします。100年カエル館のこれまでの歩みを掲載した冊子とそこから生まれたフィクションの『ガマ仙人の家』を併せてお読みいただけます。

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「100年カエル館」 https://kaeru-kan.com

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2026年5月13日 (水)

カエルタイムズ第2号[文化](2005年6月25日発行)ミュージアムに住むカエル2 「蝦蟇仙人に会いたい、蝦蟇仙人になりたい」 (前半)高山ビッキ

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100年カエル館は、2026年5月25日(月)に高山ビッキ著『ガマ仙人の家』を刊行いたします。蝦蟇仙人(がませんにん)の存在が気になり始めたのはカエルタイムズを発行するようになってからのことでした。第2号で蝦蟇仙人について書いた記事を掲載していましたので、記事の前半を一部加筆修正して本ブログに再掲載いたします。

ミュージアムに住むカエル2「蝦蟇仙人に会いたい、蝦蟇仙人になりたい」(前半)

[インディアナポリス美術館名品展で出会った。]

愛媛県美術館、滋賀県立近代美術館を経て、栃木県立美術館で開催された「インディアナポリス美術館名品展~江戸絵画への熱いまなざし」(2005年4月17日から5月29日まで)を観に行きました。そこに蝦蟇仙人が“いる”と聞いて…。最近、100年ほど前の欧米人が江戸期の美術工芸品を中心とした日本美術をいかに高く評価し、それに影響されたかがわかる美術展が気になっていました。

ここでは、米国中央部にあるインディアナポリス美術館が収集した江戸期の屏風や掛軸などを中心に、たぶんこの100年ほど日本人だからこそあまり目にする機会がなかった、江戸時代の錚々(そうそう)たる顔ぶれの画人たちによる作品に数多くふれることができました。まさに江戸絵画の里帰り展と呼ぶにふさわしい展覧会でした。

絵師たちの名前を挙げれば、宗達、曾我蕭白、狩野探幽、伊藤若冲、鈴木基一、河鍋暁斎等々。カエル好きにとっては、もしかしたらあの絵師の作品に蛙が描かれているのでは、と浮足立ってしまう名前も見えました。

事前の情報で「カエル」は「蝦蟇仙人」のみと聞いていたので、会いたい気持ちを抑えつつ他の作品をひとつひとつ見ていくと、思わず口からこぼれた言葉が「かっこいい…」でした。日本美術について深く知る者ではありませんが、ビンビンと心に迫る作品が多く驚きました。思えば長い間、西洋絵画、その流れから生まれる現代絵画への関心の方が強く、日本画を観る機会があまりありませんでした。その理由のひとつが、幕末後、江戸期のすぐれた美術品の多くが海外に流出したことだと改めて気づかされる思いでした。

展示されている作品の多くは、花鳥画や山水画でした。で、あれば、日本の自然という、日頃目にしているはずの光景を江戸期の絵師の目を通して視ているとも言えそうです。それを「素敵!」と思えたことに、現代に生きる自分がいま何を求めているかがわかったような気がしました。この美しさはどこに行ってしまったのだろう、と。そんなことを考えつつ作品を見た閉館間際に、ようやく私は「蝦蟇仙人」に会うことができました。谷文晁(たにぶんちょう/1763ー1840)の作品で、この絵師が狩野派を離れた後、中国古典学習に力を注ぐなかで、中国の絵師、顔輝(がんき)が描いた蝦蟇仙人を模写した作品。原本にある背景描写は省略されています。

たった1点のカエルの作品でしたが、会場に展示された美しい「自然」の中で貴重な「カエル」を発見した喜びがありました。

(後半は次回に)

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100年カエル館は、2026年5月25日(月)に『ガマ仙人の家』(高山ビッキ著 100年カエル館刊)を発売開始いたします。ご購入はカエルグッズのお店Cave(ケイヴ)東京・吉祥寺 TEL.0422-20-4321 https://www.cave-frog.com へ。

※発売を記念してご購入いただいた方に100年カエル館の100年のあゆみ「100年カエル館モノ語り」をプレゼントいたします。100年カエル館のこれまでの歩みを掲載した冊子とそこから生まれたフィクションの『ガマ仙人の家』を併せてお読みいただけます。

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