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2025年11月 9日 (日)

カエルタイムズ第4号(2005年10月25日発行)「カエルうた暦 四」霜月から師走へ、冬眠へ/大澤秀人(元「かえる友の会」会長)

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<「カエルタイムズ」をアーカイブ化>

100年カエル館は2005年に「人と地球とカエルのためのヒーリングメディア」をキャッチフレーズにした新聞「カエルタイムズ」を創刊し、12号まで刊行しました。このブログ「コトバデフリカエル」では、私たちがかつて刊行した印刷物等をアーカイブとして紹介しておりますが、今回からカエルタイムズに掲載した記事を取り上げて参ります。

創刊からあっという間の20年。当時、カエルの情報だけを集めた珍しい新聞ということで一般紙・ラジオなどメディアでも話題にしていただいたことを思い出します。編集当時を振り返りながら紹介して参ります。

<大澤秀人さんの「カエルうた暦」>

今回は元「かえる友の会」会長の大澤秀人氏にトップ面に連載していただいた「カエルうた暦」から、晩秋の現在に合わせて「「霜月から師走へ、冬眠へ」を掲載いたします。「カエルタイムズ」を発行するにあたり、「かえる友の会」の当時の会長の大澤さんにお会いし、本紙トップ面に蛙を詠んだ詩歌について、また、文化面にカエルの絵柄の切手について連載していただくお願いをしました。

[カエルうた暦🐸四] 霜月から師走へ、冬眠へ 大澤秀人 (「かえる友の会」会長2005年当時)

前田夕暮の詩に、寒い日だ。はりつけられた蛙のなま白の腹がまだぬれていて(水源地帯) がある。鵙(もず)の速贄となる蛙。しかし、鵙は速贄にした餌の在所(ありか)を忘れたまま放置してしまうことがあり、犠牲となった蛙の姿は痛々しい

藪先の鵙がわるさの蛙かな 一茶 こうした悪さも逃れて、生き残った蛙たちはどうしているのだろうか。

生残る蛙あはれや枯蓮  子規  枯葦の中にごそつく蛙哉  子規  次第に仲間が姿を消して行く中、われ一人生き延びたところで、すでにすることもなく独り言をつぶやくだけ。それは人の世も同じだ。この季節、山形県地方に伝わるこんな話がある。「十月に田にいる蛙はつかまえてもいい。この時期、本来は田の神のお供をして出雲に集合することになっているのにまだ田に残っているのは、肝心なつとめを果たしていない証拠だから」。

やがて、蛙たちは周囲の虫の声を聞きながら、これからの自分たちの辿る道を考えるようになる。草野心平の「秋の夜の会話」の登場である。                                                  さむいね/ああさむいね/虫がないてるね/もうすぐ土の中だね/土の中はいやだね/痩せたね/君もずゐぶん痩せたね/どこがこんなに切ないんだらうね/腹だらうかね/腹とったら死ぬだらうね/死にたくはないね/さむいね/ああ虫がないてるね  土の中にもぐった蛙のせつなさ。多くの蛙の詩歌の中でも、もっとも印象深い詩のひとつだ。

やがて、蛙たちは土の中へ。しかし、まだこの時期、地にへばりついている蟇もいる。冬の蟇川にはなてばおよぎけり 蛇笏  なんといういたずら。ただでさえ泳ぎの得意でない蟇は、もうろうとする意識の中でさぞや驚いたにちがいない。

が、その蟇も季節の推移に抗えない。蟇ねむり世はざわざわと人地獄 楸邨  やがて、師走から年初の人の世のざわめきも消えて、あたり一面銀世界。雪が多ければ多いほど、蛙たちは浅いところで冬眠する。・・・そして、春へ   の夢をつなぐ。 ◎雪しんしん夢は古池かけめぐる 詠み人知らず  

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