カエルの色彩変異とカエルアートマンがカラフルな理由/かえるモノ語りー自然と文化をつなぐカエル90
<カエルの色彩変異とカエルアートマンがカラフルな理由>
100年カエル館
高山ビッキ
カエルの体色といえば日本では、グリーン系やブラウン系の印象が強いと思います。ところが近年、よく話題になるのが、水色、ピンク、黄色(金色)と色彩変異が見られるアマガエルの発見。今年も福岡県篠栗町の田畑で水色のニホンアマガエルが見つかり、飼育することになった地元の高校生によって「そら」と名づけられたことが新聞報道されていました。
色変わりしたカエルは、毎年この季節になると話題になり、もちろん、大多数派のグリーン系のアマガエルと比べれば珍しい個体に違いないのですが、意外に多いのかもしれないとさえ思えます。発見の報告が増えた背景には、今世紀になってスマホやSNSが浸透しサンプル数が格段に増えたことも言われています。
カエルの色彩変異に関する論文も発表している広島大学両生類研究センターの三浦郁夫教授によれば、カエルの皮膚には基本的に3種類の色素細胞(表皮側から黄色細胞、虹色細胞、黒色細胞の順で3層に配置)が存在していて、通常のアマガエルのグリーン系の色は「虹色細胞が青色付近の波長の光を外に返し、途中、黄色細胞の黄色い色素を通過するため、両色が混ざって発現する」(「カエルにおける色彩発現の遺伝的メカニズム」より)そうです。これに対して青いカエルは黄色素が欠損するなど黄色のフィルターがなくなって起こる現象。色彩変異はアマガエルだけでなく、アカガエルでもアオガエルでも起こり、それぞれの色素細胞の配置のしかたによって発現する色味に違いがあるようです。
そのようなカエルの色彩変異のしくみを知って気づいたことがありました。現在、100年カエル館で展示しているスケッチ画の「カエルアートマン」が、日本に棲息しているカエルをもとに描かれているのにカラフルである理由です。
作者の柴田まさるさんは生前定年まで印刷会社に勤めていました。印刷の仕事をすることで、ひとつの色の出現をCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)の4色の掛け合わせで知覚するようになり、一種一種のカエルの体色を分解して視ていたのではないか、と。その証拠にカエルアートマンの絵を見た後に、併せて展示した前田憲男さんが撮影した同種のカエルに目を移すと、分解された色味が統合されて1つの色に返っていくように見えました。
※10月5日に開催予定の100年カエル館トークイベントでは三浦郁夫先生にご講演をいただきます(会場・喜多方プラザ文化センター)。
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