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2024年6月

2024年6月16日 (日)

カエルの色彩変異とカエルアートマンがカラフルな理由/かえるモノ語りー自然と文化をつなぐカエル90

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<カエルの色彩変異とカエルアートマンがカラフルな理由>

100年カエル館

高山ビッキ 

 

 カエルの体色といえば日本では、グリーン系やブラウン系の印象が強いと思います。ところが近年、よく話題になるのが、水色、ピンク、黄色(金色)と色彩変異が見られるアマガエルの発見。今年も福岡県篠栗町の田畑で水色のニホンアマガエルが見つかり、飼育することになった地元の高校生によって「そら」と名づけられたことが新聞報道されていました。

 色変わりしたカエルは、毎年この季節になると話題になり、もちろん、大多数派のグリーン系のアマガエルと比べれば珍しい個体に違いないのですが、意外に多いのかもしれないとさえ思えます。発見の報告が増えた背景には、今世紀になってスマホやSNSが浸透しサンプル数が格段に増えたことも言われています。

 カエルの色彩変異に関する論文も発表している広島大学両生類研究センターの三浦郁夫教授によれば、カエルの皮膚には基本的に3種類の色素細胞(表皮側から黄色細胞、虹色細胞、黒色細胞の順で3層に配置)が存在していて、通常のアマガエルのグリーン系の色は「虹色細胞が青色付近の波長の光を外に返し、途中、黄色細胞の黄色い色素を通過するため、両色が混ざって発現する」(「カエルにおける色彩発現の遺伝的メカニズム」より)そうです。これに対して青いカエルは黄色素が欠損するなど黄色のフィルターがなくなって起こる現象。色彩変異はアマガエルだけでなく、アカガエルでもアオガエルでも起こり、それぞれの色素細胞の配置のしかたによって発現する色味に違いがあるようです。

 そのようなカエルの色彩変異のしくみを知って気づいたことがありました。現在、100年カエル館で展示しているスケッチ画の「カエルアートマン」が、日本に棲息しているカエルをもとに描かれているのにカラフルである理由です。

 作者の柴田まさるさんは生前定年まで印刷会社に勤めていました。印刷の仕事をすることで、ひとつの色の出現をCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)の4色の掛け合わせで知覚するようになり、一種一種のカエルの体色を分解して視ていたのではないか、と。その証拠にカエルアートマンの絵を見た後に、併せて展示した前田憲男さんが撮影した同種のカエルに目を移すと、分解された色味が統合されて1つの色に返っていくように見えました。

10月5日に開催予定の100年カエル館トークイベントでは三浦郁夫先生にご講演をいただきます(会場・喜多方プラザ文化センター)。

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2024年6月 3日 (月)

「たのしい川べ」に住むヒキガエル氏のお屋敷を夢見て/かえるモノ語りー自然と文化をつなぐカエル89

かえるモノ語りー自然と文化をつなぐカエル89

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<「たのしい川べ」に住むヒキガエル氏のお屋敷を夢見て>

100年カエル館

高山ビッキ

 

 今年もしだれ桜で賑わった喜多方の4月。「喜多方さくらまつり」では、「桜ウォーク」が開催された日、100年カエル館のわきを大勢の参加者の皆さんが通って行かれました。

 同じ頃、本館からゆっくり歩いて100秒ほどの所にある濁川河川公園(にごりがわかせんこうえん)の土手沿いの桜並木も見頃を迎えていました。

 生家が田付川を望む土手沿いにあったので、川べは子どもの頃から身近な遊び場でした。建設会社を経営していた祖父が施工したと聞いていた昭和4年に完成した樒橋(しきみばし)(現在は新しい橋に架け替えられている)を起点に、そこからもうひとつ先にある橋までの周囲1キロにも満たない川べがすべての世界。

河原の石に絵を描いたり、夏休みに川べりの木の根元にカブトムシを捕獲するためにスイカを仕掛けたり(実際には捕獲に失敗し可哀想に思った近くの“おじさん”が自分のカブトムシを分けてくださった)、川風に吹かれながらお弁当持ち(ピクニックのこと)、友達と幼稚園を抜け出して川べに行き草地だと思った場所がぬかるみで足がずぶぬれになって……と、楽しいことも悲しいことも川べが教えてくれた気がします。

 イギリスの童話作家ケネス・グレアム(1859―1932)が20世紀初頭に書いた『たのしい川べ』の世界では、テムズ川の支流の川べで、モグラくんや川ネズミくんやアナグマさん、そしてヒキガエル氏が、喜怒哀楽のさまざまな感情を抱いて暮らしています。ヒキガエル氏はトリックスター的な存在で、冒険好き。何かに夢中になって危険な目に遭うこともあるのですが、川べの友達に助けられながら切り抜けます。このヒキガエル氏をモデルにして影絵作家の藤城清治氏が生み出したキャラクターが、昭和40年代の子どもたちの人気者ケロヨンでした。

 100年カエル館には「ヒキガエル氏」の人形も、「ケロヨン」のお弁当箱も展示しています。最近、喜多方の「たのしい川べ」の近くにも、童話に登場するようなヒキガエル氏のお屋敷があればもっと楽しいのではないか。そんなヒキガエル氏の夢とも100年カエル館を運営する私たちの夢ともつかない夢を抱いています。

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