2026年6月15日 (月)

「かわいいカエルアンケートまつり」結果報告 Vol.2 “かわいいカエルアンケートまつり”報告

「かわいいカエルアンケートまつり」は2025年の松本かえるまつりのときに実施いたしました。以下が詳細になります。

 Photo_20260613153502Photo_20260613153501

「かわいいカエルアンケートまつり」実施

◎実施日:2025年6月8日(日)10:00~13:00

◎会 場:松本かえるまつり(中町・蔵シック館)

◎参加者:約300名(女性190名 男性110名)

 

[アンケート調査の方法]

1 アンケート用パネル作成(計12枚)

パネル制作にあたっては“かわいい”の多様性も想定し、カエルグッズやカエルアートマンについて定性分析を行い、各グループに同タイプのかわいさが集中しないようにバランスを測りながら全120点の画像を配置しました。

2 アンケートの作成

アンケートの質問項目は氏名や住所など個人情報にふれる事項ははずし、年齢、性別、出身地、カエルグッズコレクター歴、その他を記載し、選択していただきました。

3 アンケートの方法

基本的にはカエルが好きだと思う人を対象に約100点(10点×10枚)のカエルグッズの画像とカエルアートマン20体(10体×2枚)から「かわいい」と感じた画像を選んでいただきました。回答者には100年カエル館BOOKをプレゼントいたしました。

[アンケート参加者294名属性]

<年齢>

3歳:1名/10代:37名/20代:16名/30代:38名/40代:47名/50代:94名/60代:35名/70代:8名/80代:1名/無回答:17名

<居住地・出身地>

関東 66名(52名)/東海・中部 61名(74名)/長野 42名(36名)/松本 30名(20名)/東京 23名(31名)/近畿 21名(21名)/北陸 13名(16名)/東北 7名(8名)/四国5名(5名)/九州 5名(5名)/無回答 20名(22名)※( )内は出身地数

<好きなカエル>

アマガエル(他) 106名/トノサマガエル(他) 31名/ヒキガエル 20名/外国産 8名/無回答 129名

<飼育について>

飼っていた 2名/飼っている 25名

<好きなカエルのキャラクター>

けろけろけろっぴ(他)70名/ケロヨン (他)58名/かえるのピクルス(他)33名/ピョン吉 16名/ケロロ軍曹 9名/フロッグスタイル 7名/カーミット・ザ・フロッグ(他) 7名/他、一平くん、ブリトーなど /無回答 48 名

|

「かわいいカエルアンケートまつり」結果報告 Vol1    “かわいいカエルアンケート”内容

 21-20

[2025年の松本かえるまつりで開催した“かわいいカエルアンケートまつり”について]

100年カエル館は、カエルとカエルグッズを通して“かわいい”を研究する取り組みを始めています。

その一環で昨年2025年には松本かえるまつりの日に“カかわいいアンケートまつり”を行いました。アンケートではパネルに掲載したカエルグッズとカエルアートマンの画像全12枚から「かわいい」と思う画像を各1点選んでいただきました。学術調査としての根拠に基づくアンケートではなく、松本かえるまつりと一緒にイベントとして楽しんでいただけたようです。

カエルやカエルグッズに関心の高い方々が、どのようなイメージのカエルの造形や表現を「かわいい」と感じるかを調べる本アンケート調査の結果はとても意義深いものになったと感じています。2025年6月8日(日)の10時から13時までの3時間で300名(無効回答の方を含む)のアンケートを取ることができました。回答者の募集に当たっては100年カエル館のブログと松本かえるまつり当日に配布される案内への掲載で行われました。興味をもたれた方が自発的に立ち寄られて回答して下さったこともあり、その様子には熱量や真剣さを感じることができました。

[本ブログでの“かわいいカエルアンケート”結果の報告として]

今回、本ブログでは2026年6月21日(日)の松本かえるまつりまでに15回にわたってそのアンケート調査の結果についてご報告いたします。100年カエル館のカエルとカエルグッズによる“かわいい”の研究は、さらに今後深めていくことで年内には100年カエル館BOOKにまとめて報告したいと思っています。

CONTENTS

Vol1    “かわいいカエルアンケート”内容

Vol.2 “かわいいカエルアンケートまつり”報告

Vol.3 “かわいいカエルアンケート”結果発表! 1グループ 

Vol.4 “かわいいカエルアンケート”結果発表! 2グループ

Vol.5 “かわいいカエルアンケート”結果発表!  3グループ

Vol.6 “かわいいカエルアンケート”結果発表! 4グループ

Vol.7 “かわいいカエルアンケート”結果発表! 5グループ

Vol.8 “かわいいカエルアンケート”結果発表! 6グループ

Vol.9 “かわいいカエルアンケート”結果発表! 7グループ

Vol.10“かわいいカエルアンケート”結果発表!  8グループ

Vol.11“カエルかわいいアンケート”結果発表!  9グループ

Vol.12“カエルかわいいアンケート”結果発表! 10グループ

Vol.13“カエルかわいいアンケート”結果発表! 11グループ

Vol.14"カエルかわいいアンケート”結果発表! 12グループ

Vol.15“カエルかわいいアンケートまつり” まとめ

 

|

2026年6月 5日 (金)

カエルタイムズ第2号[特集](2005年6月25日発行)世界の童話から生まれた人気者のカエルたち 高山ビッキ

2005年の6月に発行したカエルタイムズ第2号では、「世界の童話から生まれた人気者のカエルたち」と題した特集を組みました。今も親しまれている童話のカエルのキャラクターを出現順にそれぞれの作家、グリム兄弟、アンデルセン、ルイス・キャロル、ケネス・グレアム、ビアトリクス・ポター、アーノルド・ローベルを紹介しています。その中から今回のブログではグリム童話を取り上げます。

世界の童話から生まれた人気者のカエルたち

<グリム童話(ドイツ)>

グリム兄弟(ヤーコブ1785ー1863、ヴィルヘルム1786ー1859)

グリム童話として知られる童話集は、グリム兄弟が1812年に出版した『子どもと家庭の童話集』のことをさしています。彼らのオリジナル作品ではなく、中産階級やフランス系の女性たちの間で語り継がれてきた昔話を記録した再話作品といえるものです。それは1857年の第7版まで、子どもの教育のためにと考えたグリム兄弟の手によって何度も書き換えられ、今日に伝わっています。

今でもドイツでは3~4歳の子どもは家庭で読み聞かせられ、幼稚園教育にも取り入れられています。また最近では心理療法の分野でグリム童話をはじめとするメルヘンが注目されています。日本では『本当は恐ろしいグリム童話』が話題になったことがあります。

グリム童話の中に登場する「カエル」といえば、『カエルの王様』が世界的に知られています。泉に鞠(まり)を落としてしまったお姫様が、カエルに鞠を拾ってもらうことから物語ははじまります。でも大嫌いなカエルにしつこくされて、ついにお姫様はカエルを壁にたたきつけてしまいます。すると、実はそのカエルの本当の姿は王子様だった、というお話です。

その他、『いばら姫』には、子宝に恵まれないお妃様に懐妊の予言をするカエルが登場します。『三いろの言葉』では、役立たずのそしりを受けていた息子が、カエルの鳴き声を理解できたことから法王さまにまで出世する話が描かれています。

Photo_20260605083601

100年カエル館の王冠のカエルコレクション(2011年福島県立博物館における「喜多方『100年カエル館』コレクション展」の展示より

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Photo_20260516162601

100年カエル館は、2026年5月25日(月)に『ガマ仙人の家』(高山ビッキ著 100年カエル館刊)を発売開始いたしました。ご購入はカエルグッズのお店Cave(ケイヴ)東京・吉祥寺 TEL.0422-20-4321 https://www.cave-frog.com へ。

※発売を記念してご購入いただいた方に100年カエル館の100年のあゆみ「100年カエル館モノ語り」をプレゼントいたします。100年カエル館のこれまでの歩みを掲載した冊子とそこから生まれたフィクションの『ガマ仙人の家』を併せてお読みいただけます。

お問い合わせ/ケーアンドケー(100年カエル館) kaerukaninfo@nifty.com

..............................................................................................................................................................................

「100年カエル館」 https://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」https://kaeru-kan.com/kayale-u

ブログ「高山ビッキBlog」https://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/vikkiも配信中です。

「The 100-year frog collection museum」https://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/froggy_museum

|

2026年5月16日 (土)

カエルタイムズ第2号[文化](2005年6月25日発行)ミュージアムに住むカエル2 「蝦蟇仙人に会いたい、蝦蟇仙人になりたい」 (後半)高山ビッキ

Photo_20260516124401

ミュージアムに住むカエル2「蝦蟇仙人に会いたい、蝦蟇仙人になりたい」(後半)

[蕭白の蝦蟇仙人に会いたかったけれど、…]

インディアナポリス美術館名品展にも作品が何点か展示されていた絵師に、曾我蕭白(そがしょうはく/1730ー1781)がいます。2005年4月12日から5月15日まで、京都国立博物館ではその絵師の作品が目いっぱい堪能できる特別展覧会「曾我蕭白~無頼という愉悦」が開催されました。蕭白の作品の中にも蝦蟇仙人が“いる”というのに、その時は京都まで足を延ばせず会いにいけませんでした。取り寄せた図録を見ただけでしたが、奇想天外な絵の数々に江戸期の日本美術の層の厚さを知るきっかけになりました。

もともとちょっと変わった画題である「蝦蟇仙人」ですが、この絵師の手になると「群仙図屏風」に代表されるように絵の構成から仙人の表情まで、独特の異様さがこれでもかといわんばかりに強調されています。絵の実物は見たかったけれど、こんな蝦蟇仙人が本当にいたらちょっと後ずさりしてしまいそうな…。

蕭白は同時代の絵師伊藤若冲(いとうじゃくちゅう/1716ー1800)と比較して語られることがあります。共に江戸後期の画人としては、現実の再現にこだわらず自らの内面世界を表現することに絵師の本領を発揮しました。この二人が昨今特に注目されるのは、現代人の最大の関心ごとである精神世界を200年前すでに江戸期の卓抜した技術をもってリアリティ豊かに表現しているからでしょうか。その二人の作品にカエルが重要な役割をもって登場していることが、カエル好きはなぜかうれしいのです。

ただし、二人のカエル表現はそれぞれの内面性の表出であるだけに、与える印象はまったくちがっています。それは音楽にたとえれば、「池辺群虫図」などに見られる若冲のカエルの絵が、静かだがやや難解な環境音楽だとしたら、蕭白のカエルの絵は、人によってはまったく受け付けないが人によってはのめり込まずにはいられない、ヘビメタやパンクの世界といったところでしょうか。

蝦蟇仙人になることができれば、伝説どおりに金貨をくわえた三足の蛙を釣り上げてお金持ちになれるのでしょうか。そうはならなくても、日本そして世界のさまざまなミュージアムに住む蝦蟇仙人には会いに行きたい。

<後日談として>

カエルタイムズを発行しているときに蝦蟇仙人について考えた後、100年カエル館は2011年と2016年と2019年に福島県立博物館で100年カエル館コレクション展を共催させていただきました。偶然のことですが、その展示とは別に、11年のときは谷文晁の「八仙人図」、16年のときは05年には対面がかなわなかった曾我蕭白の「群仙図屏風」が同館の別の展示室に展示されていました。また、19年のときは同館の企画展「どうぶつの考古学」が別の展示室で開催され、カエルが施された縄文土器やカエル型の角製品を観ることができました。

Photo_20260516162601

100年カエル館は、2026年5月25日(月)に『ガマ仙人の家』(高山ビッキ著 100年カエル館刊)を発売開始いたします。ご購入はカエルグッズのお店Cave(ケイヴ)東京・吉祥寺 TEL.0422-20-4321 https://www.cave-frog.com へ。

※発売を記念してご購入いただいた方に100年カエル館の100年のあゆみ「100年カエル館モノ語り」をプレゼントいたします。100年カエル館のこれまでの歩みを掲載した冊子とそこから生まれたフィクションの『ガマ仙人の家』を併せてお読みいただけます。

..............................................................................................................................................................................

「100年カエル館」 https://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」https://kaeru-kan.com/kayale-u

ブログ「高山ビッキBlog」https://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/vikkiも配信中です。

「The 100-year frog collection museum」https://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/froggy_museum

 

 

 

|

2026年5月13日 (水)

カエルタイムズ第2号[文化](2005年6月25日発行)ミュージアムに住むカエル2 「蝦蟇仙人に会いたい、蝦蟇仙人になりたい」 (前半)高山ビッキ

Photo_20260513081601

100年カエル館は、2026年5月25日(月)に高山ビッキ著『ガマ仙人の家』を刊行いたします。蝦蟇仙人(がませんにん)の存在が気になり始めたのはカエルタイムズを発行するようになってからのことでした。第2号で蝦蟇仙人について書いた記事を掲載していましたので、記事の前半を一部加筆修正して本ブログに再掲載いたします。

ミュージアムに住むカエル2「蝦蟇仙人に会いたい、蝦蟇仙人になりたい」(前半)

[インディアナポリス美術館名品展で出会った。]

愛媛県美術館、滋賀県立近代美術館を経て、栃木県立美術館で開催された「インディアナポリス美術館名品展~江戸絵画への熱いまなざし」(2005年4月17日から5月29日まで)を観に行きました。そこに蝦蟇仙人が“いる”と聞いて…。最近、100年ほど前の欧米人が江戸期の美術工芸品を中心とした日本美術をいかに高く評価し、それに影響されたかがわかる美術展が気になっていました。

ここでは、米国中央部にあるインディアナポリス美術館が収集した江戸期の屏風や掛軸などを中心に、たぶんこの100年ほど日本人だからこそあまり目にする機会がなかった、江戸時代の錚々(そうそう)たる顔ぶれの画人たちによる作品に数多くふれることができました。まさに江戸絵画の里帰り展と呼ぶにふさわしい展覧会でした。

絵師たちの名前を挙げれば、宗達、曾我蕭白、狩野探幽、伊藤若冲、鈴木基一、河鍋暁斎等々。カエル好きにとっては、もしかしたらあの絵師の作品に蛙が描かれているのでは、と浮足立ってしまう名前も見えました。

事前の情報で「カエル」は「蝦蟇仙人」のみと聞いていたので、会いたい気持ちを抑えつつ他の作品をひとつひとつ見ていくと、思わず口からこぼれた言葉が「かっこいい…」でした。日本美術について深く知る者ではありませんが、ビンビンと心に迫る作品が多く驚きました。思えば長い間、西洋絵画、その流れから生まれる現代絵画への関心の方が強く、日本画を観る機会があまりありませんでした。その理由のひとつが、幕末後、江戸期のすぐれた美術品の多くが海外に流出したことだと改めて気づかされる思いでした。

展示されている作品の多くは、花鳥画や山水画でした。で、あれば、日本の自然という、日頃目にしているはずの光景を江戸期の絵師の目を通して視ているとも言えそうです。それを「素敵!」と思えたことに、現代に生きる自分がいま何を求めているかがわかったような気がしました。この美しさはどこに行ってしまったのだろう、と。そんなことを考えつつ作品を見た閉館間際に、ようやく私は「蝦蟇仙人」に会うことができました。谷文晁(たにぶんちょう/1763ー1840)の作品で、この絵師が狩野派を離れた後、中国古典学習に力を注ぐなかで、中国の絵師、顔輝(がんき)が描いた蝦蟇仙人を模写した作品。原本にある背景描写は省略されています。

たった1点のカエルの作品でしたが、会場に展示された美しい「自然」の中で貴重な「カエル」を発見した喜びがありました。

(後半は次回に)

Photo_20260513154001

100年カエル館は、2026年5月25日(月)に『ガマ仙人の家』(高山ビッキ著 100年カエル館刊)を発売開始いたします。ご購入はカエルグッズのお店Cave(ケイヴ)東京・吉祥寺 TEL.0422-20-4321 https://www.cave-frog.com へ。

※発売を記念してご購入いただいた方に100年カエル館の100年のあゆみ「100年カエル館モノ語り」をプレゼントいたします。100年カエル館のこれまでの歩みを掲載した冊子とそこから生まれたフィクションの『ガマ仙人の家』を併せてお読みいただけます。

..............................................................................................................................................................................

「100年カエル館」 https://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」https://kaeru-kan.com/kayale-u

ブログ「高山ビッキBlog」https://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/vikkiも配信中です。

「The 100-year frog collection museum」https://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/froggy_museum

 

 

 

|

2026年3月 5日 (木)

カエルタイムズ第4号[国際](2005年10月25日発行)カエルで大海を知る イギリス 高山ビッキ

〈ファンタジーの国イギリスでカエルに出会う〉

Img_2647

カエルタイムズの国際面では世界の“カエル事情”をお伝えしたいと思い、寄稿していただいたり自分の旅行体験を書いたりしました。第4号では私自身がカエルとの出会いを求めてイギリスを旅したときのことなどをもとに、イギリスとカエルについて書いた記事を掲載しましたので加筆修正して紹介いたします。

イギリスに棲息しているカエルは、アカガエル科のカエルにヨーロッパアカガエル(英名Common frog/学名Rana temporaria)とノーザンヒョウガエル(もしくはキタイケガエル 英名Nothern pool frog 学名Pelophylax lessonae)、ヒキガエル科のカエルにヨーロッパヒキガエル(英名Common toad/学名Bufo bufo)とナタージャックヒキガエル(英名Natterjack toad 学名Epidalea calamita)の4種です。同じ島国でも日本には外来種も含めて50種近く分布していることを考えるとかなり少ないですが、北海道の自然分布はエゾアカガエルとニホンアマガエルの2種(現在はアズマヒキガエルとトノサマガエルも移入)でイギリスとほとんど変わらないので、本来亜熱帯の環境に適しているカエルの分布的特性なのでしょうか。

カエルの種類は少ないイギリスですが、世界的に知られる童話のカエルのキャラクターが誕生していることもあり、カエルグッズと出会う機会は多いと思います。以前ロンドンを1日歩き回ったとき花模様の陶器のカエルやミニチュアのカエル、足の長いカエルのパジャマ入れ、ポストカード、ガーデニンググッズ等々のカエルたちを次から次へと見つけることができ日本に連れ帰ったことがあります。リバティ百貨店ではリバティ・プリントのカエルを購入しました。そのときは時間がありませんでしたが、ヴィクトリア&アルバート美術館でジャポニスムとカエルについて調べるのが(21世紀の今も)夢です。

スコットランドに近い湖水地方には絵本『ピーターラビット』のふるさと、ヒルトップ農場にある作者ビアトリクス・ポターの生家があり、同シリーズに登場するかえるのジェレミー・フィッシャーのオルゴールやフィギュア、その他の雑貨が待っていてくれました。当時は生物のカエルと照らし合わせてカエルグッズを見ることはなかったのですが、今あらためて見るとジェレミーはヨーロッパアカガエルなのだろうと思います。一方、ヨーロッパヒキガエルといえば、イギリスが生んだもうひとりのキャラクター、ケネス・グレアムの童話『たのしい川べ』のミスター・トード、ヒキガエル氏になるのでしょう。

イギリスにヒキガエル氏を訪ねる場合は、ロンドンからそれほど遠くないテムズ川沿いのパングボーンへ。街には看板のヒキガエル氏や『たのしい川べ』の原画が飾られた小さなホテルがあります。イギリスはファンタジーの国。南西部のデヴォン州にはノーム(地中の宝を守る地の精)の住む、ノーム・リザーブ(ノームの保護区)があり、そこでは森の中でカエルの生徒たちに何かを教えているノームの姿(人形)が見られます。

Img_2648_20260305085101

柴田まさる画

..............................................................................................................................................................................

「100年カエル館」 https://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」https://kaeru-kan.com/kayale-u

ブログ「高山ビッキBlog」https://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/vikkiも配信中です。

「The 100-year frog collection museum」https://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/froggy_museum

 

|

2026年1月13日 (火)

カエルタイムズ第4号[生活](2005年10月25日発行)蛙の生活 ミイロヤドクガエル 三谷伸也

<カエルいろいろ鳥羽水族館飼育日誌❸>

カエルタイムズでは刊行当時鳥羽水族館の飼育担当をされていた三谷伸也氏に「カエルいろいろ鳥羽水族館飼育日誌 蛙の生活」と題した連載をお願いしました。ここではミイロヤドクガエルについてのご寄稿を紹介いたします。

Img_2566_20260113191401

ミイロヤドクガエル 三谷伸也(鳥羽水族館 飼育担当)

ミイロヤドクガエルはエクアドル、ペルーに分布しています。ヤドクガエルというと背中に幼生を乗せる繁殖行動で有名ですが、種類によってその習性は様々です。本種は植物の葉の付け根などに産卵します。産卵数は15~40個ほどで、オスが卵を守り、ふ化した幼生を背中に乗せ、彼らが生存できる水場まで運ぶのです。

ヤドクガエルの繁殖は今でこそ愛好家の間では当たり前になっていますが、15年ほど前は1匹あたりが高価で、餌生物の確保もままならず、繁殖なんてほど遠い環境でした。その当時は専門書を眺めては、「オタマジャクシはどうやって親の背中に登るのだろう?どのタイミングで背中から離れるのだろう?いつかは見てみたい」と思っていました。

それから数年後についにその一連の行動を観察する機会に恵まれました。ふ化間際になると、オスは卵の上でふ化を促すようにお腹を膨らませたり、へこませたりします。しばらくすると幼生が出てくるのですが、出た瞬間、さっと親の背中に張り付くのです。異常に速い!!かかる時間は1秒もありません。文献では「這い上がる」とか「体をくねらせて登る」という表現が使われていましたので、自分勝手に「うねうねー」ともっと遅いものを想像していたのです。

しかし、その行動にはさらに感心させられました。水槽内には幼体をいつでも放せるようにと浅い水場を作ってあったのですが、水中に幼生1匹が背中から離れると親はすぐに陸へ上がってしまいます。最後の幼生が水中に泳ぎ出るまで出たり入ったりを繰り返すのです。ここでは水場が1つしかないので仕方ないのでしょうが、自然界ではいくつかの水溜まりに幼生を分けます。一種の危険分散と思われます。本能ですから当然といえば当然なのですが、飼育下でも忘れずにやっているのです。

そんなこんなで、水族館での数あるカエルの繁殖の中でもひときわ鮮明に記憶に残っています。

Photo_20260113191401

..............................................................................................................................................................................

「100年カエル館」 https://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」https://kaeru-kan.com/kayale-u

ブログ「高山ビッキBlog」https://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/vikkiも配信中です。

「The 100-year frog collection museum」https://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/froggy_museum/

 

|

2025年12月23日 (火)

カエルタイムズ第4号[地域](2005年10月25日発行)カエルゆかりの神社仏閣 炎天寺(東京・足立区)高山ビッキ

<一茶ゆかりの寺炎天寺とカエル>

今年(2025年)も11月に東京・足立区の炎天寺では恒例の一茶まつりが開催されました。今年で64回目。カエルタイムズでは2005年に取材させていただきました。

Img_2529

炎天寺 一茶まつりと蛙相撲

東武伊勢崎線竹ノ塚駅から歩いて10分ほどのところにある炎天寺。ここが江戸後期の俳人小林一茶(1763-1823)とゆかりのある寺だとわかったのは、一人の学生の好奇心からだった。

昭和37年のこと。当時、日本大学に在学していた野澤匡(のざわただし)氏は、「蝉鳴くや六月村の炎天寺」、そして「村雨や六月村の炎天寺」と詠まれた一茶の句を「一茶七番日記」の中に見つけ、六月村の炎天寺とはこの寺のことではないかと興味をもつ。今もこの寺の住所は足立区六月である。野澤氏は隣の町に住んでいて、子どもの頃はこの寺にもよく遊びに来ていた。

さらに「やせ蛙負けるな一茶是にあり」という句の、一茶の一番弟子が付けたとされる注釈に着目する。すると「武州竹ノ塚で戦いありけり云々」の文言があった。そして一茶とこの近辺の関係を探っていくとその交友関係も見えてきて、この句も炎天寺近辺で作られたという仮説を立てる。その説は当時一茶研究の権威だった荻原井泉水(おぎわらせいせんすい/1884-1976)昭和女子大教授のお墨付きも得て、新聞でも取り上げられた。先々代のご住職堅清和尚の頃の話である。

現在のご住職吉野秀彦氏は「この寺は平安時代後期に合戦の途中にこの地に立ち寄った源氏の将源義家が建立したとされています。炎天のさ中のことだったので炎天寺と命名されたといわれています。しかし、長い歴史のなかでは住職がいない時期もあり、一茶が自由に出入りし、ここで俳句を通して交友関係を結んでいったことは充分考えられます」と語る。

一茶は信濃国水内郡柏原村の農家の長男として生まれる。3歳で母を失い、8歳のときから継母に育てられたが折り合いが悪く14歳で江戸へ奉公に出た。放浪を重ねながらも、俳人として洒脱な作風が俳壇でも知られるようになる。しかし、都会の生活は苦しく、多くの文人墨客だちの支援を受けて生計を立てていたといわれる。その頃の一茶の姿がここ炎天寺近辺にあったと考えられる。

「境内に一茶と同じ時代に生きた実圓という人の句碑が残っているのですが、これが素人にしてはとても上手。一茶の手ほどきを受けていたと考えることもできるかもしれません」とさらなる想像を広げるご住職。

先々代和尚は、昭和37年に一茶の句碑を建て「一茶まつり」を開始し、先代孟彦和尚がまつりを全国規模にして現在に至っている。11月23日に行われる一茶まつりでは、全国小中学生俳句大会の表彰式や当日誰でも参加できる俳句コンテスト、蛙相撲などが行われる。「最近はカエルの寺としても知られるようになり、カエル愛好家の方もたくさんいらっしゃるようです。境内の池にはそっとカエルを寄贈される方もいて、朝起きてみると昨日までなかった大きな信楽焼のカエルが置かれていて驚いたこともありました」とご住職。

Img_253350

また、このお寺の池には主(ぬし)のような大きい黒い蛙と居候のトノサマガエルが住処としているらしい。当然、そのどちらかを小林一茶の化身と考えたくなるのが人情かもしれない。

Img_2530

..............................................................................................................................................................................

「100年カエル館」 https://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」https://kaeru-kan.com/kayale-u

ブログ「高山ビッキBlog」https://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/vikkiも配信中です。

「The 100-year frog collection museum」https://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/froggy_museum/

 

|

2025年12月 2日 (火)

カエルタイムズ第4号[文化](2005年10月25日発行)落語のカエル かはづの「錦名竹」(青木 隆)

<落語のカエル>

江戸庶民の暮らしが話芸で伝わる落語。そこには「蛙」が登場することもあります。カエルタイムズでは文筆家で落語への造詣が深い青木隆氏に「落語のカエル」を連載していただきました。

Img_2507

かはづの「錦名竹」 青木 隆

店に来た男は、仲買人・弥一の道具七品に関することづてを小僧の定吉に伝える。だが、男は上方訛りで早口に道具の名前を連呼するため、定吉にはチンプンカンプン。七品とは、名刀鍛冶・則光が打った脇差、隠元禅師が京都に建てた寺庭に生えている錦名竹(きんめいちく)使用の自在鉤(じざいかぎ)、竹を寸胴切りにした花活け、織部がつくった香合(香を入れる器)、京都の楽焼である温古(のんこ)の茶碗、風羅坊(ふうらぼう)正筆の掛け物、張り交ぜの小屏風・・・定吉でなくても、現代のわれわれにも理解しがたい。

そのなかに「風羅坊」とあるのは、松尾芭蕉のこと。もともとは、人の心に気まぐれな行動を起こさせる「そぞろ神」の意味で、それに誘われ奥の細道に旅立った芭蕉を、人々は「風羅坊」と呼んだ。ことづてを話す男は「古池や蛙飛び込む水の音と申しまする風羅坊正筆の掛け物」と説明する。正筆とは、芭蕉が直々に書いたという意である。

男は、数回にわたりことづてを伝えたあと「ほな、わては急ぎますよって・・・・」と帰ってしまう。そこへ、定吉の主人が店に帰ってきた。

「いま、だれかが店から出ていったようだが」

「仲買人の弥一さんのことづてです」

「おお、弥一がどうしたって?」

「古池に飛び込んだそうです」

「なに!。弥一には道具を買えと指示しておいたのだが、ちゃんと買ったのか?」

「いえ、買わず(蛙)でございます」

というのがオチ。錦名竹は口慣らしのための前座噺だが、「居酒屋」などで知られた三代目・三遊亭金馬など、名人たちもよく高座にかけていた。

Photo_20251202102701

タイトル画は100年カエル館所蔵の郷土玩具のカエルをイラスト化した“カエルの風羅坊”。(写真:100年カエル館発行『蛙辞林』より。)

※カエルタイムズのバックナンバーは吉祥寺CAVEで販売中です。https://www.cave-frog.com/

..............................................................................................................................................................................

「100年カエル館」 https://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」https://kaeru-kan.com/kayale-u

ブログ「高山ビッキBlog」https://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/vikkiも配信中です。

「The 100-year frog collection museum」https://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/froggy_museum/

|

2025年11月30日 (日)

カエルタイムズ第4号[文化](2005年10月25日発行)映画とカエル テリー・ギリアム『ブラザーズ・グリム』(高山ビッキ)

50_20251130085401

カエルタイムズ第4号より

<映画とカエル>

洋画、邦画を問わず、映画を観ていても“飛び出して来る”ことがあるカエル。第4号のカエルタイムズでは、『未来世紀ブラジル』『バロン』など独自の型破りな映像表現で知られるテリー・ギリアム監督作品で2005年に日本でも公開された『ブラザーズ・グリム』を紹介しています。

映画とカエル テリー・ギリアム最新作『ブラザーズ・グリム』

グリムのカエルは登場するだろうか。

先日(2005年当時)行われた東京映画祭のオープニングのために来日した、鬼才テリー・ギリアム監督。その最新作が、あの「グリム童話」を世に残したグリム兄弟を主人公に、そこから発想を得て奇想天外なファンタジー・ワールドを創り上げた作品『ブラザーズ・グリム』である。

実在したグリム兄弟(兄ヤーコブ 1785―1863、弟ヴィルヘルム 1786-1859)は、19世紀の初め二人で集めた49編の民話を「子どもと家庭のメルヒェン集」として出版した。映画では、マット・デイモン扮する兄のウィルとヒース・レジャーが演じる弟のジェイコブ(役者のキャラクターの都合上兄弟の名前が逆転しているようだ)は、さまざまな土地の魔物を退治することで賞金を稼ぎ、各地の民話も集めていた。

そんな時、ある村で起きた10人の少女たちの失踪事件を依頼される。赤いずきんの少女もグレーテルという名の少女も、みんな森に入ったきり帰ってこない。二人は調査を進めていくうちに、森の奥にそびえ立つ搭の物語にたどり着く。そこにはかつて非常に美しく傲慢な性格の女王がいた。彼女は今では鏡の中だけでしか美しい姿を見せられないようになっていた。少女たちの失踪事件は、若さを失った鏡の女王と関係していることがわかってくるが……。

ストーリは、「赤ずきん」「白雪姫」「シンデレラ」「眠れる森の美女」など、グリム童話の中のお話の数々がみごとに織り込まれて展開していく。ただし、テリー・ギリアム監督によって現代の“魔法”をかけられた本編は、きっとグリム兄弟、そしてグリム童話に親しんだ誰をも驚愕させる未知のファンタジー・ワールドへと誘い込んでいく。

さて、グリム童話といえば「かえるの王様」も有名なお話のひとつ。本紙ではこの映画の作品の魅力を伝えつつ、読者の皆様のために本作にカエルが出てくるかどうかをお伝えする責務がある。そこで配給元の東芝エンタテインメント㈱からカエルが登場するワンシーンの写真をお借りした。フェアリーテイルに基づいているとはいえ、アクション、アドベンチャー、ホラー、コメディ、ラブ・ロマンスなどなど、いろんな要素に満ち溢れているテリー・ギリアムワールドの中で、できればカエルも見逃したくないものである。

※カエルタイムズのバックナンバーは吉祥寺CAVEで販売中です。https://www.cave-frog.com/

..............................................................................................................................................................................

「100年カエル館」 https://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」https://kaeru-kan.com/kayale-u

ブログ「高山ビッキBlog」https://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/vikkiも配信中です。

「The 100-year frog collection museum」https://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/froggy_museum/

 

|

«カエルタイムズ第4号[趣味・生活](2005年10月25日発行)「気づいたらいつもカエルがそぼにいてくれた。」(和田美保)