カエルタイムズ第4号[生活](2005年10月25日発行)蛙の生活 ミイロヤドクガエル 三谷伸也
<カエルいろいろ鳥羽水族館飼育日誌❸>
カエルタイムズでは刊行当時鳥羽水族館の飼育担当をされていた三谷伸也氏に「カエルいろいろ鳥羽水族館飼育日誌 蛙の生活」と題した連載をお願いしました。ここではミイロヤドクガエルについてのご寄稿を紹介いたします。
ミイロヤドクガエル 三谷伸也(鳥羽水族館 飼育担当)
ミイロヤドクガエルはエクアドル、ペルーに分布しています。ヤドクガエルというと背中に幼生を乗せる繁殖行動で有名ですが、種類によってその習性は様々です。本種は植物の葉の付け根などに産卵します。産卵数は15~40個ほどで、オスが卵を守り、ふ化した幼生を背中に乗せ、彼らが生存できる水場まで運ぶのです。
ヤドクガエルの繁殖は今でこそ愛好家の間では当たり前になっていますが、15年ほど前は1匹あたりが高価で、餌生物の確保もままならず、繁殖なんてほど遠い環境でした。その当時は専門書を眺めては、「オタマジャクシはどうやって親の背中に登るのだろう?どのタイミングで背中から離れるのだろう?いつかは見てみたい」と思っていました。
それから数年後についにその一連の行動を観察する機会に恵まれました。ふ化間際になると、オスは卵の上でふ化を促すようにお腹を膨らませたり、へこませたりします。しばらくすると幼生が出てくるのですが、出た瞬間、さっと親の背中に張り付くのです。異常に速い!!かかる時間は1秒もありません。文献では「這い上がる」とか「体をくねらせて登る」という表現が使われていましたので、自分勝手に「うねうねー」ともっと遅いものを想像していたのです。
しかし、その行動にはさらに感心させられました。水槽内には幼体をいつでも放せるようにと浅い水場を作ってあったのですが、水中に幼生1匹が背中から離れると親はすぐに陸へ上がってしまいます。最後の幼生が水中に泳ぎ出るまで出たり入ったりを繰り返すのです。ここでは水場が1つしかないので仕方ないのでしょうが、自然界ではいくつかの水溜まりに幼生を分けます。一種の危険分散と思われます。本能ですから当然といえば当然なのですが、飼育下でも忘れずにやっているのです。
そんなこんなで、水族館での数あるカエルの繁殖の中でもひときわ鮮明に記憶に残っています。
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