100年カエル館コレクション

カエルも飛びだす「不思議の国のアリス」のしかけ絵本

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絵本とグッズをあわせて楽しめるようなしかけ絵本。100年カエル館にも「名作童話のカエルたち」の展示ケースの中に、「たのしい川べ」(ケネス・グレアム作)、「おやゆび姫」(アンデルセン童話)、そして「不思議の国のアリス」(ルイス・キャロル)などのしかけ絵本をその中に登場するカエルたちのグッズとともに紹介しています。

最近、日本経済新聞土曜版に差し挟まれる「NIKKEIプラス1」(2025年3月22日発行)の「何でもランキング」で絵本に詳しい専門家による「大人もときめくしかけ絵本」のランキングが発表されていましたが、その第1位がこの写真にもある「不思議の国のアリス」のしかけ絵本。これは「紙の魔術師」と呼ばれる米国の絵本作家、ロバート・サブダさんの手による100種類以上のパーツを組み合わせて作られたPOP-UP(飛び出す絵本)(ロバート・サブダ作、ルイス・キャロル原作、わくはじめ訳、大日本絵画発行)です。

このしかけ絵本の場合、紙を使った細工の精巧さもさることながら「不思議の国のアリス」の物語全体が丁寧に織り込まれていることも魅力です。最後のページに生きものの姿になったカエルが飛び出してくるのもカエル好きにとってはうれしい仕掛け。20年ぐらい前に池袋パルコの書店で購入したのですが、記事では「ポップアップ絵本の歴史を変えた」と評されていたことに100年カエル館のカエルグッズたちも喜んでいるように感じました。

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カエルもあくびをしたくなったら春

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今年は、虫たちが這い出す啓蟄(今年は3月5日)を過ぎてもなかなか暖かくならず、カエルたちもいつ冬眠から覚めていいかわからなかったかもしれません。昨年生まれて冬眠を初めて経験したカエルが(こんなふうにあくびをして?!)目覚めることができたら春。動物学者のコンラッド・ローレンツが提唱した「ベビーシェマ(ベビースキーマ)」では、幼児図式を示す7つの条件を挙げています。こんな姿は人間にもカエルグッズにも通じるまさに幼児図式、ベビーシェマでしょうか。7つの条件のひとつに人間の赤ちゃんの場合「顔の中央より下に位置する大きな眼」があります。カエルの幼体も赤ちゃんのようなカエルグッズも眼は顔の上の方にあるので人間の幼児図式は当てはまらないのが特徴です。他の人のあくびにつられてあくびをしたことはありませんか。みんながあくびをしたくなるほど暖かくなったらほんとに春。

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木地玩具のカエルとカエルの子育て

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日本の木地玩具のカエル。羽織っているのは蓑(みの)でしょうか、民話の「うばっ皮」を思い起こさせます。カエルがヘビから救ってくれた家の娘に恩返しとして、遠出の安全を守るために着ると老婆に見える「うばっ皮」を与えます。赤い布は魔除けの意味もあるのでしょう。そしてお腹の中には子ガエルがいます。安産のお守りでもありそうです。基本的には子育てはしないと考えられるカエル類ですが、オーストラリアにはイブクロコモリガエルという名前の子育てをするカエルがいましたが、1983年に絶滅したと考えられています。

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昭和100年を考えるツチガエル

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カエルの置物の代表格のひとつに信楽焼のカエルがあります。まさに置物の「ツチガエル」。この“考える”ポーズの信楽焼のカエルは高さが30㎝ほどあり、100年カエル館では和室に2点展示しています。1点は館長と母が京都で学生時代を過ごした父のために購入したもので、もう1点は演劇研究家の故河竹登志夫氏からご寄贈いただいたもの。父と河竹氏は同世代なので2点並べて展示していると“昭和のおとうさん”たちの会話が聞こえてくるようです。そういえば今年は「昭和100年」ですね。

ツチガエルの学名はGlandirana rugosaで、rugosaは英名のWrinkled Frogが示すように「しわくちゃの」という意味があります。Glandirana(グランディラーナ)はツチガエルかと思いきや、「土」はground。glandは「分泌物」で、独特の臭いのある分泌物を放つカエルということなのでしょう。

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アメリカンコミックに登場しそうなヒキガエル

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アメリカ人アーティスト、ジョン・ラヤ(John Raya)氏のブランド“Beasties of the Kingdom”(小動物の王国)のヒキガエル。ラヤ氏は子どもの頃からコミックや彫刻に興味をもち、たくさんのコミック本の中で育ち描写することで造形に必要な生きものの体のしくみをつかみ取っていきました。やがてユニバーサルスタジオでの仕事を経てディズニーランドではアートディレクターとして活躍。自らのブランドでは愛らしい動物たちを創作し世界中に広めるようになります。その中には写真のようなヒキガエルもいます。モデルになっているカエルは、アメリカに分布しているヒキガエル、アメリカミドリヒキガエルやコロラドリバーヒキガエルなどでしょうか。

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アカガエルが活動を始めている季節に

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各地に大雪をもたらしたこの冬、12月頃から産卵が見られるアカガエル類の活動にも影響があったことが「かえる探偵団」の「全国アカガエル産卵前線2025」www.kaerutanteidan.jp/ からも伝わりました。同サイトの報告では、やはり寒波で産卵前線が停滞している様子でした。これからは少しずつ暖かくなる気配もありますのでカエルたちの活動も活発になるのではないでしょうか。

日本では旧正月の頃の神事に古くからアカガエルを奉納することがありますがアカガエルが見られる時期に合致しているように思えます。

100年カエル館では自然の観察は行っていないのですが、自然を反映したと思えるカエルグッズの中にヤマアカガエルかもしれないプラスチック製の貯金箱がありましたのでご紹介いたします。

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生態や文化がさりげなく反映されているぬいぐるみのカエル

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今回ぬいぐるみのカエルたちをいくつか紹介いたします。本館収蔵のカエルのぬいぐるみの多くは平成を代表するカエルグッズのコレクター、Kさんからご寄贈いただきました。

ぬいぐるみは子どものおもちゃかと思えばそうでもなく、最近は大人の愛好家も多いと聞きます。ここでは現在とみおかアーカイブ・ミュージアムで開催されている矢内靖史さんの写真展「かえるあい」に合わせて、生態や文化がさりげなく反映されているぬいぐるみのカエルを選んでみました。

ハートを持っているカエル、手足のビーズが卵のように見えるカエル、オタマジャクシと一緒のカエル、子だくさんのカエル、虫を食べるカエル、ピンクのカエル、着ぐるみのカエル、ゴロゴロと鳴くカエル、殿様ガエルなど。カエル好きはもちろんたくさんの人の心も楽しませてくれるぬいぐるみのカエルたちです。

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十和田の蔦温泉のカエルの灰皿/100年カエル館展示より

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100年カエル館に展示している「蔦温泉(つたおんせん)」という名前の入った陶製の親子のガマの灰皿。蔦温泉は、青森県十和田の八幡平国立公園の自然の中にある温泉旅館です。平安末期にはすでに湯治小屋があったという古い歴史があります。20世紀初頭には湯治場から温泉旅館になり、明治・大正に活躍した文筆家大町桂月(1869‐1925)がここに投宿して紀行文などを発表したことから人気が高まりました。その後昭和から現在に至るまでの文化人にも愛され続けてきた名湯です。

このガマの灰皿は1990年代に私たちの両親が購入してきたものです。蔦温泉旅館に伺ったところ昭和35年頃から営業していた売店で販売していたもののようですが、その売店は5年以上前に閉店したそうです。

100年カエル館には長く蒐集してきたなかで、30年以上前に作られ今は生産されていないカエルグッズもあります。ヴィンテージのカエルグッズといえるかもしれません。

◎100年カエル館の11月開館は11月4日(土)から14日(火)までです。ご来館をお待ちいたしております。

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イギリスの雨の日に出会えそうなカエル/100年カエル館展示より

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今年再開した100年カエル館の洋室展示室は、大きくは「ファンタジックな世界のカエル」をテーマにいくつかのカテゴリーのカエルグッズを展示しています。国別では主に欧米の国々で作られたカエルグッズのコーナーを設けています。ファンタジーを「空想」や「幻想」、「超自然」という捉え方をすれば日本的なファンタジーの世界もありますが、ここではカエルグッズを集めて来て、ある時期から欧米のカエルグッズと出合ったときに「なんてファンタジックな世界の住人なのだろう」と感じたままに展示しています。

ヨーロッパの中でも特に、ファンタジーの世界から飛び出して来たようなカエルグッズに出会えるのはイギリスかもしれません。イギリスからは日本人の私たちにもなじみ深いカエルのキャラクターたちが生まれています。そしてイギリスといえば雨が多いイメージ。レインファッションにもこだわりがありそう。こんなカエルがひょっこり現れても不思議はないのでしょう。

◎100年カエル館の11月開館は11月4日(土)から14日(火)までです。ご来館をお待ちいたしております。

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陶製のアート作品の鳴のうを膨らますカエル/100年カエル館展示より

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100年カエル館には、自然を反映したカエルグッズの展示コーナーがあります。ここには擬人化や抽象化されたものではなく、野外の自然の中で出合う可能性のあるリアルな造形のカエルたちを展示しています。

生物のカエルについて詳しく紹介しているわけではありませんが、カエルグッズになるほど人気のある世界のカエルや日本のカエルの種の特徴を表現したものや、オタマジャクシからカエルになるまでのプロセスが感じられるもの、カエルの自然の中での生活がわかるものなどを展示しております。

このカエルは作者不明ですがアート作品のカエルで、沼地を表現したような台の部分は長さ30㎝ほどあります。繁殖シーズンにオスが鳴き袋を膨らませて鳴いているところなのでしょう。メスにアピールするために自らの大きさを誇っているかのようです。水の中から頭を出しているカエルたちはメスのカエルと思われますが、中にはスキを狙って包接しようとするオスも混じっているかもしれません。

もしくは、イソップ童話にあるように、ウシの大きさを真似てお腹を膨らませているカエルと破裂しまいかと心配して見ているカエルたちかもしれませんね。

◎100年カエル館の11月開館は11月4日(土)から14日(火)までです。ご来館をお待ちいたしております。

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