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■カエルの季節、京都でいただいたジャポニスムの味

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今世紀に入り、海外で所蔵されている江戸絵画の里帰り展を観る機会が増えましたが、同時に、それら欧米に渡った日本美術が19世紀末に欧米の文化や美意識に影響を与えて起こったジャポニスムに関連した展覧会にも関心が高まっているように感じます。

今年(2014年)は、「フランス印象派の陶磁器 1866-1886 ジャポニスムの成熟」展が6月22日でパナソニック汐留ミュージアムでの東京展は終わりましたが、この後、岐阜県現代陶芸美術館に巡回します。また、6月28日からは世田谷美術館で「ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展」が始まります。

欧米人の自然観を大きく変え、彼らがカエルを含む小動物を美的対象として表現するきっかけとなったといわれるジャポニスムは、「カエル文化」的にもとても興味深いムーブメントです。拙著『かえるる』では、『北斎漫画』に描かれた蛙を転用した、フランソワ=ウジェーヌ・ルソーの平皿を「ジャポニスムの影響で変わった西洋美術のかえる」の代表として紹介しています。そのデザインを手掛けたのが銅版画家のフェリックス・ブラックモンで、「フランス印象派の陶磁器」展では、ルソー・シリーズをはじめ、ブラックモンの作品を何点も見ることができました。

残念ながらそのカエルの平皿は展示されていなかったのですが、アメデ・ド・カランザというデザイナーの作品と伝えられる山伏図皿(ジュール・ヴィエイヤール工房)は、やはり『北斎漫画』を参考にしたと考えられ、土から這い出している小さなカエルが描かれていました。

ところで、ここに掲載している写真は、京都・川端二条にあるフレンチレストラン「リヴ・ゴオシュ」の入り口です。先日、仕事を終えた後の夕食会に招いていただきました。京都という場所に選び抜かれた食材と、フランスで修業を積んだシェフの本質を極めた技で供される料理の数々は、まさに舌で味わう現代のジャポニスム。縁あって置かれているというカエルの置物に、改めてジャポニスムとカエルの浅からぬ関係を思った夜でした。        (2014年6月23日)

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<関連サイト>

「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com

※Webミュージアムでは2011年に福島県立博物館で開催した「喜多方『100年カエル館』コレクション展」を画像でご覧いただいております。

「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u

「コトバデフリカエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kotobadefurikaeru ※エッセイで時代をふりかえるサイトです。

「キモノ・二・キガエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kimonokigaeru  ※ゆかたやキモノ着用で優待割引のある施設をご紹介するサイトです。

カエル大学通信 www.mag2.com/m/0001378531.html 

※『かえるる カエルLOVE111』(山と渓谷社)全国の書店等で販売中です。

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