■ブログ版カエルグッズ絵本「スノータウンと黄色い帽子」
ぼくはハルルン。今日、すみなれたスノータウンを出るつもりだ。雪のない世界へ。
「まってよ、まってよ、ぼくもつれてって」 追いかけてきたのは弟のトッポン。スノーモービルに乗っている。でも、トッポン、雪のない世界は自分の足であるかなくっちゃ。
「ヘイホー、ヘイヘイホー、ハッハハーハ、ルルルルルー」遠くから父さんの声が聞こえる。屋根の雪下ろしをしていて、ぼくを見つけたんだ。でも、ぼくはふりかえることができない。
「何をやってるんですか、お父さん、あぶないですよ」 母さんだ。母さんはぼくに気づいていない。
「ミルン、あきらめちゃダメ。立つのよ」「でも、おねえちゃん、ミルン、すぐころぶんだもん」「だいじょうぶ、あたしがついているから」 妹のケルンとミルンだ。スケートに夢中だ
スノータウンにはいろんなカエルの仲間がいる。オリンピックをめざすアイスホッケー選手。かと思えば「おーい、こっちこっち」
雪玉をぶつけようとしているいたずらっ子も。ルール違反、人が見てるよ。
人間とペアを組んで華麗な演技を見せるフィギュアスケートの選手もいる。
裏山で黙々とトレーニングをする孤独なスキーヤーもいる。
そしてこれがぼくの彼女、セーレン。毎日毎日雪だるまをつくっている。黄色い帽子の雪だるま。春が来れば帽子は地面に落ちて、黄色い花のように見えるかもしれない。その頃までにぼくはかえることができるだろうか、セーレンの待つこのスノータウンに。
でも、必ずかえる。ここはスノータウン。ぼくのたったひとつのふるさとだから。
※雪の街をイメージしたジオラマと冬の生活を楽しんでいるカエルグッズを組み合わせて「絵本」のようにしてみました。
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<関連サイト>
「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com
※Webミュージアムでは2011年に福島県立博物館で開催した「喜多方『100年カエル館』コレクション展」を画像でご覧いただいております。
「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u
「コトバデフリカエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kotobadefurikaeru ※エッセイで時代をふりかえるサイトです。
「キモノ・二・キガエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kimonokigaeru ※ゆかたやキモノ着用で優待割引のある施設をご紹介するサイトです。
カエル大学通信 www.mag2.com/m/0001378531.html
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