博物館・イベント

カエルの詩人草野心平の記念文学館で開催される「古関裕而展」

Yujitokinko50

地方紙を広げると各地で行われるお祭りの話題が飛び込んできます。福島民友新聞(2024年7月14日)には、前日の13日に川内村で「第59回天山祭り」が開催された記事が掲載されていました。天山祭りは福島県いわき市出身のカエルの詩人、草野心平が名誉村民の褒賞として建てられた「天山文庫」の文庫開きを記念して始まった祭り。心平が蛙の言葉で書いた詩「ごびらっふの独白」の心平本人による音声が流れ、朗読や郷土芸能「川内甚句」の披露など、文学的香りの高いお祭りだったようです。

草野心平は各地にある学校の校歌の作詞も数多く手がけていて、100年カエル館のある喜多方では喜多方第一中学校の校歌の作詞をしています。一方、同館館長・副館長の出身校である喜多方第二中学校の校歌は作詞が野村俊夫、作曲が古関裕而で、共に福島市出身で幼なじみだった二人の友情は2020年にNHKの連ドラ「エール」でも描かれました。

そして、草野心平(1903ー1988)と古関裕而(1909ー1989)。二人にも生前の交流があり、今年のいわき市立草野心平記念文学館では7月13日(土)から9月23日(月・休)まで「古関裕而展ー裕而と金子の往復書簡ー」が開催されています。間もなくパリ五輪が始まりますが、「オリンピック・マーチ」といえば古関先生。ドラマ「エール」でも描かれた、その作曲家人生を支えた妻金子さんとの夫婦愛を若き日に交わした書簡を通して感じることができる展示イベントです。

※写真は100年カエル館の「音楽家のカエル」に展示中の土鈴のカエル。「裕而と金子」をイメージして撮影しました。

※イベントの詳細は下記URLよりご覧ください。

http://www.k-shimpei.jp/exhibition.html#summerevent

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u

「コトバデフリカエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kotobadefurikaeru

※「コトバデフリカエル」でも4月からの「カエルアートマン×20」展について記事をアップしています

※2024年の7月以降の100年カエル館の開館日は以下の通りです。
■7月13日(土)~21日(日)
■8月10日(土)~12日(月)
※9月は、100年カエル館は休館となりますが、9月4日(水)~10日(火)に京都で特別企画 「柴田まさるスケッチ画~日本のカエルがHENSHIN「カエルアートマン×20」展(京都編)を開催予定です。
■10月6日(日)~14日(月)
※10月5日(土)にカエ~ル大学登校日イベントを 開催いたします。
■11月2日(土)~10日(日)

・開館時間:13:00~16:30
・入館料:大人 500 円(小中高生 100 円)
・開館中の休館日はございません。
・特別企画展は入館料でご覧いただけます。

<100年カエル館&カエ~ル大学登校日イベント>

カエルの色変化(IRO-HENGE)

登校日(開催日時):2024年10月5日(土) 13:00~

講師:三浦郁夫(広島大学両生類研究センター教授)

会場:喜多方プラザ文化センター2F 小会議室

〒966-0094福島県喜多方市字押切2-1 TEL.0241-24-4611

定員:50名(申し込み制)受講料:無料

主催:100年カエル&カエ~ル大学

※講座終了後は100年カエル館見学。「カエルアートマン×20展」と常設展(約2300点のカエルグッズ)をご覧いただけます(希望者・入館料500円)。

<お申込みについて>

E-mailもしくはお電話でお申し込みください。

■E-mail

kaerukaninfo@nifty.com

(お名前を明記の上お申込みください)

■TEL.048-838-7360(ケーアンドケー内)

|

今年の松本かえるまつりは水辺でのんびり、100年カエル館も出店いたします。

2024

夏日の日も多かった今年の5月。すでに水辺ではカエルの鳴き声が聴こえていることと思います。そして6月、各地でカエルをテーマに盛り上がるイベントの情報も聞えてきます。松本かえるまつりももうすぐです。

100年カエル館は今年も出店いたします。本館オリジナルのカエルアートマンカードをはじめ、カエルのカードや書籍を販売する予定でおります。

実行委員会さんから届いたフライヤーでは、カエルさんが女鳥羽川の川べでくつろいでいます。今年は「暑い中でものんびり過ごして」という思いを込めて制作されたそうです。一度は姿を消したカジカガエルも最近戻って来たという女鳥羽川。信州大学自然科学研究会による「女鳥羽川の水辺」の展示も楽しみです。

全国から集まる、カエルをテーマにものづくりをするクリエイターさんの作品の数々は、まさに「かえる市場」の最前線。この日ばかりはアマガエルたちも雨鳴きを止めてかえるまつりを応援してくれるといいですね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u

「コトバデフリカエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kotobadefurikaeru

※「コトバデフリカエル」でも4月からの「カエルアートマン×20」展について記事をアップしています

|

「月蛙展 蛙山水Ⅱ 2005~2023 」カエルにフォーカスすると見えてくるものとは

Photo_20240206124201

月蛙(つきがえる)さんから個展の案内が届きました。今月10日から始まる「月蛙展 蛙山水Ⅱ2005~2023」では月蛙さんがカエルと出会って、カエルをテーマに描くようになってから現在までに描いた作品の数々が展示されるそうです。

月蛙さんが“蛙画業”に専念し始めたのが2005年。私たち姉妹が100年カエル館を2004年に立ち上げて「カエルタイムズ」という新聞を創刊したのが2005年で、同紙で取材させていただいたことを思い出します。「小さき者」と題された眼力のあるアマガエルの絵は今も変わらず何かを睨みつけているようです。

100年カエル館ではカエルだけを描き続けた柴田まさるさんの絵を紹介する展示イベントなどを活動のひとつとして行っていることもあり、月蛙さんや柴田さんのようにカエルにフォーカスして描き続ける思いの強さに圧倒されることがあります。そして変わらずにカエルを描き続けているなかに確実に変わっている何かを感じることもあります。

DMに掲載されている作品「小さき者 2023」にはカエルの上に日本が生んだピクトグラムの非常口マークが散りばめられています。作者ご本人にその意図を伺ってはいいないのですが、カエルが何かを象徴的に伝えようとコンセプチュアルアート化したのでしょうか。今度聞いてみたいです。

月蛙展 蛙山水Ⅱ 2005~2023

会期 2024年2月10日(土)~2月25日(日) 10:00~17:00 水曜休館

会場 ルネッサンススクエア 姫路市三左衛門堀西の町205‐2 ㈱パナホーム兵庫1F

TEL.079-224-8772 FAX.079‐224‐8757

 

|

フジモトマイコ作品展で小さなカエルちゃんを見つけてください。

フジモトマイコ作品展が大阪の「あべのハルカス近鉄本店」で16日まで開催されています。テーマは「―私の小さな灯台ー」。切り絵コラージュやドローイングで繰り広げられるその世界は、今回もシュールなのにクスッと笑えてあたたかく、寒い季節を迎える前にぬくもりをチャージできそうです。

それにどこかに"カエルちゃん"が潜んでいるかもしれないのもカエル好きにとっては楽しみです。こっそり(⁈)おしえていただいたところ、冬眠前の(⁈)カエルを2匹見つけました。

■フジモトマイコ作「逃げられた!」

クロネコさんの体と目の動き、それをかわしたカエルちゃんの俊敏さが痛快です。

30_20211112102201

■フジモトマイコ作「おかえり。ただいま。」

コロナで「おうちに"無事カエル"がいてくれるとホッとする」気持ちが表れています。

30_20211112102701

フジモトマイコ展 ―私の小さな灯台ー

会期◇ 2021年11月10日(水)→ 16日(火)

(最終日は午後4時まで)

会場◇ あべのハルカス近鉄本店 タワー館11階 アートギャラリー

〒545-8545大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 

TEL.06-6624-1111

 

<関連サイト>

「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u

「コトバデフリカエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kotobadefurikaeru

※現在、「コトバデフリカエル」では「カエル白書」Vol.3を配信中です。

http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/froggy_museum/

|

カエルが引き合わせてくれたあの頃のニューヨーク発現代アート

Duco-cement

《Duco CEMENT》1980年 米沢市上杉博物館 通期展示

カエルに導かれるように美術展に出会うことがあります。現在、渋谷区立松濤美術館で開催されている「後藤克芳 ニューヨークだより “一瞬一瞬をアートする”」展もそのひとつ。目の前に現れた広告には、ドーンとカエルが造形された立体作品。ポップで愉快なカエルの胴体部分が、なぜか「Duco CEMENT®」という商品のパッケージになっていました。この「デュコセメント」は、アメリカでは家庭などでも日常的に使われている接着剤で、作家自身、木工制作の際によく使用していたもののようです。(※画像)

後藤克芳(1936~2000)は、1964年に渡米して以降亡くなるまでニューヨークを舞台に活動し、半立体のスーパーリアリズムの作品を制作したアーティストです。出身は山形県米沢市。今回の展覧会は、没後郷里の米沢市上杉博物館に寄贈された作品群を中心にその全貌が紹介されています。

米沢市は、100年カエル館のある福島県会津・喜多方市と隣接するどちらも山に囲まれた自然豊かな土地。生息しているカエルの種類もほとんど変わりません。カエルは子どもの頃から身近な生きものだったでしょう。

それにしても本来小さな接着剤を高さ1mほどの奇妙なカエルの胴体部にしてしまった理由が気になりました。そして想像したのは、このカエルの顔の下あたりに書かれているパッケージの注意喚起の文言「危険!目に入ると炎症を引き起こす」と読み取れる警告に意味をもたせたかったのではないか、と。

実際、この警告はカエルが行うととても説得力があります。天敵に対して自ら攻撃する手段をもたないカエルは、多かれ少なかれ分泌物に毒性がある場合があり、カエルを手に乗せたりした後では目をこすらないようにというのが野外観察の際の注意事項にもなっています。

さらに、中南米にはその名もヤドクガエルという強力な毒をもつ極彩色の美しいカエルたちがいます。そのカラフルさは天敵に対して「毒をもっているから触るとキケンだよ」という警告色になっています。後藤克芳がヤドクガエルを知っていたことは、《Duco CEMENT》を制作する2年前、1978年に制作した作品に迷彩柄の帽子を真上から描き、よく見るとその上に熱帯雨林に棲むヤドクガエルと思われる立体を視覚的には紛れ込ませるように組み合わせていることから推察できました。(※画像)

Untitled

《untitled》1978年 米沢市上杉博物館 通期展示

今回、故後藤克芳氏が同世代で現在もニューヨークを中心に活躍している篠原有司男氏と親交があったことを知り、筆者にとってはヤドクガエルでお二人がつながりました。100年カエル館で2006年に発行した「カエルタイムズ」に篠原氏にご寄稿いただいたことがありました。当時、篠原氏は回顧展で「セザンヌについて語る2匹の蛙」という大作を展示し、「毒ガエルの逆襲」というドローイングを描かれていました。

70~80年代に若者だった世代には、遠く憧れたニューヨークのアートシーンにリアルタイムに挑んでいた二人の日本人アーティスト。その心に生息していたヤドクガエルとは何だったのか、考えたくなる展覧会でもあります。実はまだ会場に足を運んでいないのですが、その答えを求めに行きたいと思います。

 

<後藤芳 ニューヨークだより

“一瞬一瞬をアートする”>

会場 渋谷区立松濤美術館 

会期 2020年10月3日(土)~11月23日(月・祝)前期:10月3日~25日 後期:10月27日~11月23日 ※休館日は月曜日(ただし、11月23日は開館)、11月4日(水)

開館時間 午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)

入館料 一般500円、大学生400円、高校生・60歳以上250円、小中学生100円 ※その他、団体、渋谷区民割引等あり。

主催 渋谷区立松濤美術館

特別協力 米沢市上杉博物館

お問い合わせ 渋谷区立松濤美術館 〒150-0046 東京都渋谷区松濤2-14-14 TEL.03-3465-9421 https://shoto-museum.jp

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<関連サイト>

「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u

「コトバデフリカエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kotobadefurikaeru

※現在、「コトバデフリカエル」では「カエル白書」Vol.3を配信中です。

カエル大学通信 www.mag2.com/m/0001378531.htm  

 

|

両生類自然史フォーラムWebミーティングのご案内

Photo_20200601152801

2020年6月6日に秋田市で開催を予定していた第22回両生類自然史フォーラムは、新型コロナウイルスの影響により2021年の同時期に延期されることになりました。今年はその代わりに、6月6日(土)の午後にZoomによるWebミーティングが開催されます。参加ご希望の方は日本両生類研究会のHP http://www.nbs.jpn.org/  のご案内をご覧いただきたく、どうぞよろしくお願いいたします。


<2020年6月6日日本両生類研究会Webミーティング>
 
14:00 開催の挨拶
14:10〜 発表
  • 14:10〜14:30「最近の気になるフィールド紹介」木村青史
  • 14:30〜14:50「ホームシアター 蛙曜日の夜」吉村雅子
  • 14:50〜15:10「両生類愛づる僕」三宅遥香(鶯谷高等学校3年)
  • 15:10〜15:30「センサーカメラに写る両生類 ネズミを追って写ったもの」岡本 毅
  • 15:30〜15:50「最近観察した内容紹介」佐藤直樹
  • 15:50〜16:10「岐阜県大垣市に生息するマホロバサンショウウオ(Hynobius guttatus )の生活史の解明」○竹内恒太 ・ 井上歩実・ 古田晏寿・岩田 奏画 ・川村寧々・龍造寺陽生 ・岩田拓朗・高木雅紀(大垣北高校)
  • 16:10〜16:30「砂丘のすずめ野菜畑に現れた両生類たち」○川原奈苗・高橋 久
 
16:40〜17:10 総会(会員のみ参加資格があります)
 
18:00〜 Web懇親会(料理や飲み物は各自でご用意ください)
懇親会のテーマ「20周年記念誌について、30周年記念事業に向けて」

<関連サイト>

「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u

「コトバデフリカエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kotobadefurikaeru

※現在、「コトバデフリカエル」では「カエル白書」Vol.3を配信中です。

カエル大学通信 www.mag2.com/m/0001378531.html

 

 

|

■やっと会えたゴッホのカエル

Photo_2

カエルグッズを集めていると、そのカエルのもつ意味を後から知ることが多々あります。ご覧いただいている画像は、100年カエル館東京ギャラリー(足立善立寺内)で2014年の第1回カエ~ルプチ大学祭を行ったときの展示で、カエルが描かれているポストカードとカエルグッズのコーディネートを50パターンほど行ったうちの1つです。

ポストカードの絵は、フィンセント・ファン・ゴッホが描いた「花魁」です。この画像では見えにくいかもしれませんが、花魁の絵の下に蛙が2匹(茶色と緑色)描かれています。ゴッホが日本に強く魅かれていたこと、そしてこの絵が江戸時代の浮世絵師の作品の模写だということは知っていたのですが、カエルが描かれている理由がわかりませんでした。

それでこの展示のときは、こんな解釈をしてみました。ゴッホは日本の花魁を西洋の魔女に見立てたのだ、と。中世のヨーロッパ絵画には魔女とカエルが一緒に描かれているものが少なくありません。魔女といえばグリム童話にもある「水晶玉」ということで、造形にガラス玉を活用したカエルグッズを組み合わせてみました。

このゴッホの絵は、現在、上野公園にある東京都美術館で開催中の「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」(2018年1月8日まで。その後1月20日から3月4日まで京都国立近代美術館にて)で実物を観ることができるので行ってきました。そしてこの絵が、「花魁(溪斎英泉による)」だけでなく、その背景になっている絵の左の方に描かれた2羽の鶴も、下の方に描かれたヒキガエルとトノサマガエルのような蛙も浮世絵からのモチーフの引用だということがわかりました。蛙は二代歌川芳丸の「新板虫尽」からの模写で、その錦絵も併せた展示を観ることができました。

この展覧会全体からは、ゴッホの、実際には目にしたことのない日本という場所への憧れの強さが痛いほど伝わりました。偶然ではありますが、それは魔女の水晶玉を通して見た日本だったのでしょうか、その日本への夢は現実を前にはかなくも消えゆくことになります。それでも日本の浮世絵師が捉えたと同様に愛らしく描かれたカエルたちに、ゴッホが日本に託した夢をいま改めて受け止めたいと思いました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<100年カエル館情報>

※2017年の開館は終了いたしました。ありがとうございました。2018年の開館につきましてはサイト上でお知らせいたしますので何卒よろしくお願いいたします。

※カエ~ル大学への入学(入会)は随時受け付けておりますので、ご希望の方は100年カエル館サイトからお申し込みください。

場所 : 100年カエル館

      〒966-0096福島県喜多方市字押切南2-6

      (旧桐工芸館裏、自動車用品ショップコクピット121隣)

開館時間 : 午後1時~午後4時

入館料  : 大人 500円 小中高生 100円

お問い合わせ 048-838-7360(ケーアンドケー内)

-----------------------------------------------

<関連サイト>

「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com

※Webミュージアムでは2011年に福島県立博物館で開催した「喜多方『100年カエル館』コレクション展」を画像でご覧いただいております。

「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u

「コトバデフリカエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kotobadefurikaeru ※エッ

セイで時代をふりかえるサイトです。

カエル大学通信 www.mag2.com/m/0001378531.html 

※『かえるる カエルLOVE111』(山と渓谷社)全国の書店等で販売中です。

Cover_obiariweb

※新刊『ときめくカエル図鑑』(山と渓谷社刊 文・高山ビッキ 写真・松橋利光)販売中です。どうぞよろしくお願いします。

Photo


|

■喜多方のカエルスポットシリーズその1/100年カエル館の近くにある喜多方「蔵の里」の荻野石のカエル

Photo

100年カエル館から300mほどのところに「喜多方 蔵の里」という、蔵の町喜多方の由緒ある古民家を10棟ほどまとめて見ることのできる建物園があります。ここでは、江戸時代から物資の集散地、若松城下と米沢(山形県)を結ぶ街道のまち、そして蔵を活用した商家の多いまちとして栄えた喜多方の雰囲気を充分に味わえます。

展示されている建物の中では、喜多方の歴史や文化が学べる展示コーナーもあり、「旧東海林家酒造蔵」の2階に設置された「喜多方地方郷土資料展示」で見つけたのがこの荻野石のカエル(画像)。石のカエルといえば100年カエル館では栃木県の大谷石のカエルをいくつか収蔵していますが、これはそれとは似て非なるうっすら緑色をした、喜多方の荻野で採掘された緑色凝灰岩(りょくしょくぎょうかいがん)のカエルです。

Photo_3  

この荻野石のカエルは、展示の写真によれば、昭和60年頃、荻野の丸正石材工場の石工、吉田松次郎氏が製作したものと思われます。荻野は喜多方の高郷村にありますが、「わたしたちの郷土 高郷村」(ⓒ福島県耶麻郡高郷村教育委員会のサイト)によると、現・丸正石材株式会社の創業者、佐藤正治氏(明治22年―昭和42年)は新潟からこの地に移り、荻野に緑色をした石があることを知ってその採掘事業を始めました。それは折しも起こった建築ブームに乗り、石工や職人たちも集まってきて荻野を盛り上げたようでした。明治以降、荻野にいわばゴールドラッシュならぬグリーンラッシュともいえる現象があったのかもしれません。

Photo

展示(画像)にも「グリーンタフ」という文字が見えますが、荻野石も含む緑色の凝灰石のことをグリーンタフ(green tuff) と呼ぶそうです。デジタル大辞泉などの解説によると、「日本ではおもに東北日本の脊梁(せきりょう)から西の新第三系の、特に中新統に含まれる海底堆積の火山灰(緑色のものが多いがそれに限らない)」。まさに喜多方はそのホットスポットだったのでしょうか。展示の画像の右手に荻野で採掘された化石が紹介されています。この辺りが大昔海の底だったことをこの緑色のカエルがおしえてくれているようでした。私も子どもの頃荻野に化石採りに行ったことを思い出しました。

Z

※喜多方プラザ前の表示。ここから「喜多方蔵の里」まで100m、カエル館(100年カエル館)まで400mです。10月6日(金)~15日(日)の「蔵のまち アートぶらり~」には「喜多方蔵の里」も「100年カエル館」も参加しています。ぜひ足をお運びください。次回、喜多方のカエルスポットシリーズその2は「北宮諏訪神社」の灯籠のカエルを紹介する予定です。お楽しみに。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

100年カエル館2017年の10 月以降の開館スケジュールは以下の通りです。

■10月6日(金)~9日(月・祝)/10月11日(水)~18日(水)/10月28日(土)~29日(日)/10月31日(火)~11月5日(日)

※10月末から11月初めは100年カエル館の庭の紅葉がとてもきれいです。紅葉とカエル・コレクションを観にいらっしゃいませんか。

<100年カエル館情報>

場所 : 100年カエル館

      〒966-0096福島県喜多方市字押切南2-6

      (旧桐工芸館裏、自動車用品ショップコクピット121隣)

開館時間 : 午後1時~午後4時

入館料  : 大人 500円 小中高生 100円

お問い合わせ 048-838-7360(ケーアンドケー内)

-----------------------------------------------

<関連サイト>

「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com

※Webミュージアムでは2011年に福島県立博物館で開催した「喜多方『100年カエル館』コレクション展」を画像でご覧いただいております。

「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u

「コトバデフリカエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kotobadefurikaeru ※エッ

セイで時代をふりかえるサイトです。

カエル大学通信 www.mag2.com/m/0001378531.html 

※『かえるる カエルLOVE111』(山と渓谷社)全国の書店等で販売中です。

Cover_obiariweb

※新刊『ときめくカエル図鑑』(山と渓谷社刊 文・高山ビッキ 写真・松橋利光)販売中です。どうぞよろしくお願いします。

Photo

 

|

■佐野美術館(静岡県三島市)の「虫尽くし展」に集まった蛙たち

Koshirae_bubun 

《秋草虫尽小サ刀拵 銘 明治元暦戊辰春待月/柳蛙子一則造之》(部分)明治元年(1868)

Koshirae

《秋草虫尽小サ刀拵 銘 明治元暦戊辰春待月/柳蛙子一則造之》明治元年(1868)

カエルが両生類であるという認識が日本で一般的になったのはいつ頃からでしょう。たぶん明治以降のことではないかと思います。学問的には欧米の「分類学」が日本に入ってきて、さまざまな植物や動物を識別し記録する方法が浸透し、それを誰もが学校教育で学ぶようになって今やカエルが両生類であることを疑う人はほとんどいないでしょう。

しかし、漢字では虫偏のカエル。江戸時代までは虫のなかまとくくられていたのではないかと考えると、江戸時代が終わって150年、大きく立ち位置が変わって驚いているのは「蛙」自身かもしれません。実際、江戸時代の浮世絵師、喜多川歌麿(1753?-1806)が絵を描いた虫類図譜『画本虫ゑらみ』(えほんむしえらみ/国会図書館蔵※展示は9/22まで)では、30種描かれた「虫」の1種として登場しています。

その『画本虫ゑらみ』も特別展示される「虫尽くし展」が、現在、佐野美術館(静岡県三島市)で開催されています。同展では、カエルが虫として生き生きと表現された作品にいろいろと出会えますのでカエル好きの皆さんにもぜひおすすめします。

たとえばこの四分一の総金具の拵(こしらえ)『秋草虫尽小サ刀拵』(画像)には、31匹の虫が浮き彫りされているなかに蛙が見られます。作者を表す銘には、「明治元暦戊辰春待月 柳蛙子一則造之」とあり、作者の府川一則(1824-1876)は、十返舎一九の弟子である五返舎半九の子で、12歳の時に葛飾北斎の弟子になり、北斎没後は一則と名乗って金工師になった人(佐野美術館広報担当者談)だそうです。カエルの虫から両生類への転換期か、明治元年の作ということに意味があるようにも感じられます。

その他、カエルモチーフの作品は、中国・明時代(16~17世紀)の絵師、趙麒の『蝦蟇仙人図』(根津美術館蔵※後期展示)から現代の作品で、日本の女流陶芸家の草分けで動植物のモチーフも多く手がけた辻輝子の万華鏡『蛙とまゆみ』や日本の創作折り紙を世界に知らしめた吉澤章の折り紙のカエルの数々、もしかするともっと潜んでいるかもしれない、と思うと落ち着かなくなりそうな展覧会です、ぜひ。

虫尽くし展

会期 : 2017年9月9日(土)~11月5日(日) 前期/9月9日(土)~10月4日(水) 後期/10月6日(金)~11月5日(日)

会場 : 佐野美術館 〒411-0838 静岡県三島市中田町1-43 

主催 : 佐野美術館、三島市、三島市教育委員会

■お問い合わせ TEL.055-975-7278 FAX.055-973-1790 http://www.sanobi.or.jp

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

100年カエル館2017年の9月以降の開館スケジュールは以下の通りです。

■9月23日(土・祝)~24日(日)/9月26日(火)~30日(土)

2017年第3回カエ~ル大学講座 「美術館に棲息するカエルについて」

会場 : 100年カエル館  〒966-0096 福島県喜多方市字押切南2-6

日時 : 2017年9月23日(土・祝) 15:00~

お問い合わせ 048-838-7360

■10月7日(土)~9日(月・祝)/10月11日(水)~18日(水)/10月28日(土)~29日(日)/10月31日(火)~11月5日(日)

※10月末から11月初めは100年カエル館の庭の紅葉がとてもきれいです。紅葉とカエル・コレクションを観にいらっしゃいませんか。

<100年カエル館情報>

場所 : 100年カエル館

      〒966-0096福島県喜多方市字押切南2-6

      (旧桐工芸館裏、自動車用品ショップコクピット121隣)

開館時間 : 午後1時~午後4時

入館料  : 大人 500円 小中高生 100円

お問い合わせ 048-838-7360(ケーアンドケー内)

-----------------------------------------------

<関連サイト>

「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com

※Webミュージアムでは2011年に福島県立博物館で開催した「喜多方『100年カエル館』コレクション展」を画像でご覧いただいております。

「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u

「コトバデフリカエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kotobadefurikaeru ※エッ

セイで時代をふりかえるサイトです。

カエル大学通信 www.mag2.com/m/0001378531.html 

※『かえるる カエルLOVE111』(山と渓谷社)全国の書店等で販売中です。

Cover_obiariweb

※新刊『ときめくカエル図鑑』(山と渓谷社刊 文・高山ビッキ 写真・松橋利光)販売中です。どうぞよろしくお願いします。

Photo

 

|

■いわき市立草野心平記念文学館で「かんがえるカエルくん」に会いたい。喜多方では人形劇も。

30toPhoto

福島県いわき市が生んだ蛙の詩人、草野心平の記念文学館で2017年9月24日まで夏の企画展「いわむらかずお絵本原画展」が開催されています。

いわむらかずおさんの絵本の代表作といえば、野ねずみの大家族の生活をほのぼのと描いた「14ひきシリーズ」で知られますが、カエル好きな人々の間では『かんがえるカエルくん』に親しんでいる人が多いのではないでしょうか。「かえる」の語呂合わせから生まれた「かんがえる」という行為を愛らしい「カエルくん」で表現した絵本には今も心洗われます。

本展で『かんがえるカエルくん』は、「クリのきもちをかんがえている クリのみになってかんがえている」の原画1点と印刷用の色指定、色見本など9点が展示されています。

いわむら作品の多くは、現在、栃木県にあるいわむらかずお絵本の丘美術館で那須の里山の風景とともに見ることができますが、今回、館内のアトリウムから阿武隈山系の雄大な自然を望める草野心平記念文学館で夏休みを過ごしている「クリのきもちをかんがえているカエルくん」、風景が変わってビックリしているかもしれませんね。ぜひ会いに行ってあげてください。

いわむらかずお絵本原画展

会期 : 2017年7月15日(土)~9月24日(日)

会場 : いわき市立草野心平記念文学館                                     〒979-3122福島県いわき市小川町高萩下タ道1-39

お問い合わせ先 TEL.0246-83-0005 FAX.0246-83-2939 e-mail info@k-shimpei.jp

http://www.k-shimpei.jp/

主催/いわき市立草野心平記念文学館 協力/いわむらかずお絵本の丘美術館

※本ブログに使用した画像はいわき市立草野心平記念文学館の許可を得て掲載しております。

<喜多方では9月4日に「14ひきシリーズ」の人形劇も>

Photo_2

喜多方プラザ小ホールでは、2017年9月4日(月)19:00から人形劇団ポポロによる人形劇「14ひきのはる・なつ・あき・ふゆ」第1話「14ひきのあさごはん」が開催されます。カエルの人形も登場します。

主催・お問い合わせ NPO法人 喜多方子ども劇場 090-7934-3452

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

100年カエル館2017年の9月以降の開館スケジュールは以下の通りです。

■9月23日(土・祝)~24日(日)/9月26日(火)~30日(土)

※9月23日は午後3時より、カエ~ル大学講座「美術館に棲息するカエルについて」を開催します。

■10月7日(土)~9日(月・祝)/10月11日(水)~18日(水)/10月28日(土)~29日(日)/10月31日(火)~11月5日(日)

※10月末から11月初めは100年カエル館の庭の紅葉がとてもきれいです。紅葉とカエル・コレクションを観にいらっしゃいませんか。

<100年カエル館情報>

場所 : 100年カエル館

      〒966-0096福島県喜多方市字押切南2-6

      (旧桐工芸館裏、自動車用品ショップコクピット121隣)

開館時間 : 午後1時~午後4時

入館料  : 大人 500円 小中高生 100円

お問い合わせ 048-838-7360(ケーアンドケー内)

-----------------------------------------------

<関連サイト>

「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com

※Webミュージアムでは2011年に福島県立博物館で開催した「喜多方『100年カエル館』コレクション展」を画像でご覧いただいております。

「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u

「コトバデフリカエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kotobadefurikaeru ※エッ

セイで時代をふりかえるサイトです。

カエル大学通信 www.mag2.com/m/0001378531.html 

※『かえるる カエルLOVE111』(山と渓谷社)全国の書店等で販売中です。

Cover_obiariweb

※新刊『ときめくカエル図鑑』(山と渓谷社刊 文・高山ビッキ 写真・松橋利光)販売中です。どうぞよろしくお願いします。

Photo

 

|

より以前の記事一覧