アニメ・コミック

■前田康成による「2ひきの蛙とごんぎつね」

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児童文学作家として数多くの作品を遺した新美南吉(1913-1943)の作品のひとつに『二ひきの蛙』があり、緑色の蛙と黄色の蛙が、最初、お互いの体色を汚いとののしり合います。しかし、冬眠の時期が来て、その対決はひとまず延期。そして、春を迎えた二ひきの蛙は・・・・・・?

今年2016年の夏に開催した「ハッピーフロッグ展」で展示した、前田康成さんの作品にも冬眠前の「二ひきの蛙」のような作品(画像左の作品)がありました。

そして、新美南吉の代表作といえば『ごんぎつね』。大人になって改めて読んでみると子どもの頃「ごんぎつね、かわいそう」と思った背景に、人に善意を伝えることの難しさといった普遍的なコミュニケーションの問題も描かれていることに気づかされました。

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さて、前田康成さんが『まんが日本昔ばなし』で制作したアニメ作品『ごんぎつね』(画像)が、12月24日(土)のクリスマスの夜7時から「時代劇専門チャンネル」で放送されます。

日本的なお話ながら、確かにクリスマスにふさわしいストーリーとも言えますね。ごんぎつねがカエルを追い掛けるシーンもあるようです。ぜひご家族でご覧ください。

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<100年カエル館情報>

2016年の営業は終了いたしました。ご来館ありがとうございました。

場所 : 100年カエル館

      〒966-0096福島県喜多方市字押切南2-6

      (旧桐工芸館裏、自動車用品ショップコクピット121隣)

開館時間 : 午後1時~午後4時30分

入館料  : 大人 500円 小中高生 100円

お問い合わせ 03-3981-6985(ケーアンドケー内)

100年カエル館コレクション展 「かえる曼陀羅」  ~100年カエル館から河竹登志夫さんへのオマージュ~ は11月10日で終了いたしました。ありがとうございました。

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※新刊『ときめくカエル図鑑』(山と渓谷社刊 文・高山ビッキ 写真・松橋利光)販売中です。どうぞよろしくお願いします。

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<関連サイト>

「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com

※Webミュージアムでは2011年に福島県立博物館で開催した「喜多方『100年カエル館』コレクション展」を画像でご覧いただいております。

「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u

「コトバデフリカエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kotobadefurikaeru ※エッ

セイで時代をふりかえるサイトです。

カエル大学通信 www.mag2.com/m/0001378531.html 

※『かえるる カエルLOVE111』(山と渓谷社)全国の書店等で販売中です。

 

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カエルと音楽が好きならさらに楽しいザッツ・ディズニー映画!

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久々にディズニー映画を観た。もちろん、カエルが出てくるからである。タイトルは『プリンセスと魔法のキス(原題は「Princess and the frog)』。

原作はアメリカの童話作家E・D・ベイカーの『カエルになったお姫様』。この本については、以前カエルタイムズ5号(2006年1月発行)で紹介したことがある。モチーフとなっているのは、ご存知、グリム童話の『カエルの王さま』である。日本人の“カエル文化”の歴史に「鳥獣戯画」が特別な意味をもつように、欧米人とカエルの関係を考える上で、「カエルの王さま」ははずせないようだ。

「カエルの王さま」は世界的に有名な童話だが、欧米のみならず、日本においても、「自立すべき」を前提に育った(はずと思っている)現代女性にとって、カエルがイケメンの王子さまだったと知ってコロッと態度が変わったお姫様は節操がないのではないかという、割り切れなさがあった。

つまり、あのグリム童話から女性として何を学ぶべきかわかりにくかった。が、確かに、女性であろうと男性であろうと、自立した精神をもって生きるなんてそう簡単にできることではない。その弱さや複雑さの根底に、グリム童話としてまとめられた、中世の民話に残る人類普遍の精神構造があることも理解できないことはない。

そこに登場したE・D・ベイカーの「カエルになったお姫様」は、カエルになった自らの現実を身をもって受け止めた。そして、それを基にしたディズニー映画では、1920年代のニューオーリンズを舞台に、ティアナという若い黒人女性のヒロイン像を描き出した。ティアナは、亡き父の遺志を継いでレストランをもちたいという夢を実現するためにひたすら働く。そんなある日、ひょんなことから大嫌いなカエルにキスをしたことで自分もカエルに・・・。

登場するカエルは、ファンタジーなので人間のように喋ることは喋るのだが、ヴィジュアル的にはそれほどキャラクター化(擬人化)はされていない。それもそのはず、アニメーターや制作スタッフは、カエルらしい形や動きを表現するために、本物のカエルの群れをスタジオで飼育しながら観察していたらしい。たぶん、リアルに表現されたカエルでなければこのストーリーの魅力は半減しただろう。

私事だが、ずいぶん前に友だち数人とアメリカ横断の旅をして、途中、ニューオーリンズに数日滞在したことがある。当時、黒人音楽にとても興味をもっていたので、ガンボスープのようにいろんなものが溶け込んで湧き立つ、ジャズやリズム&ブルースがたまらなかった。この映画ではその時の感動もよみがえるような音楽のライブ感もたっぷり。

また、その頃は、それまで集めてきたカエルのモノを通してカエルについて研究していこうと方向を定めた頃でもあった。そして、いずれは博物館をつくりたい、と。ニューオーリンズではバーボン・ストリートで、ちょっと怪しいカエルの玩具を買った(本当はフレンチクォーターの一角にもっとたくさんのカエルグッズを売っているお店を見つけたのだが、開店前だったのがいまだに惜しまれる)。ニューオーリンズといえばブードゥー教の信仰で知られる。この映画でもブードゥー教が巧みに取り入れられていたが、人をカエルに変える魔術ぐらい朝飯前の土地柄ともいえる。

この『プリンセスと魔法のキス』は、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオが、手描きのアニメーションに立ち返り、「名作おとぎ話」と「ミュージカル作品」に回帰した映画だという。コンピューター・アニメーションが高度に行き着いた先で、改めて手描きを見直し、ストーリー・テリングと音楽、そして制作プロセスそのものにこだわったミュージカル。黒人音楽が好きな人にはファンキーなライブとして、女性にとっては勇気を与えるラブ・ロマンスとして、そしてカエル好きにはカエルの存在の素晴らしさを改めて知ることのできる、まさにザッツ・エンターティメントだった。

現代の女性なら誰もが陥りがちな生き方の悩みも、すっきり晴らしてくれるにちがいない。ただ、映画は2時間ほどですべてを解決し、ヒロインのティアナは夢に見たレストランを開くことができた。しかし、私はいまだイメージしている博物館にたどり着いていない。でも、「カエル」をやり続けている限りいずれ夢は叶うと思っている。

皆さんも夢の途中で道に迷ったときは、一度「カエル」になってみませんか。

※画像は100年カエル館所蔵のカエルグッズで、ディズニー映画とは関係ありません。

100年カエル館HP http://kaeru-kan.com

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