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2023年1月

下総玩具のカエルを紹介します。

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下総玩具の張り子の蛙

江戸時代から盛んになったと考えられる、自然素材や生活まわりのものを使ってつくられる郷土玩具。昭和から平成にかけては作り手もかなり減ってきましたが、今世紀になっても作り続けられています。

前回のブログで紹介した江戸独楽の作り手の広井政昭さんは2019年まで仕事をされていましたが、今回ご覧いただいている画像3点のカエルは千葉県北部地域の下総を冠した下総玩具と呼ばれる、2004年に101歳の大往生を遂げた松本節太郎さんの手によって作られた郷土玩具です。

松本さんは終戦の年に自宅のあった東京・葛飾が空襲に遭い焼け出されて千葉県柏市に疎開しました。そこで生計を立てるために始めたのが郷土玩具づくり。干支を中心とした張り子の動物や2~5センチの土製の半面に指先で鼻や口などをつまんで造形した上に絵の具で顔を描いた下総首人形、そして古い和綴じ本の紙を貼り合わせた古書だるまなどがあり、いずれも「カエル」がありました。

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蛙の下総首人形

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蛙の古書だるま

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「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u

「コトバデフリカエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kotobadefurikaeru

※現在、「コトバデフリカエル」では「カエル白書」Vol.3を配信中です。

 

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2023年もよろしくお願いいたします。江戸独楽のカエルを紹介します。

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2023年初めての更新となります。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

今回は江戸独楽のカエルを紹介いたします。

郷土玩具もいろいろなアイテムがありますが「お正月には凧あげて、こまを回して遊びましょう」と歌われた子どもたちの冬休みの遊びは今は昔。でも、カエルグッズのひとつとして江戸独楽のカエルを見るだけでその楽しさが伝わってきます。

江戸独楽の作り手に昭和・平成とその道一筋に生き海外でも知られた広井政昭氏(1935‐2019)がいます。100年カエル館では2006年に発行したカエルタイムズ9号でその頃毎年深川江戸資料館で作品展と実演を行っていた広井さんに取材させていただいたことがあります。

深川江戸資料館では、広井氏の作品の数々、江戸元禄以来の曲独楽や明治以降の東京の風俗を表現した挽物玩具、そして独楽の回る力学を応用した「カラクリ独楽」などを所蔵しています。私が取材したときはちょうど、てこの原理を利用してカエルが合唱する様子を表現した玩具や、芯部の回転で遠心力を働かせハスの花びらの中からカエルが姿を現すようなしくみの玩具も展示されていました。

昭和10年に東京・江東区の木地玩具職人の家に生まれた広井氏。広井家は元々医者だった政昭氏の祖父が独楽や玩具づくりを始めました。一家は関東大震災で家を失いましたがその木地職人としての腕を買われ、一時は宮城県白石で遠刈田系のこけし作りをしていたこともあります。戦後、東京に戻った一家は、子どもたちのおもちゃが不足する時代に木地玩具づくりに追われ、演芸場のある場所がら曲独楽づくりの依頼も受け、政昭氏は時代の進展とともに木地玩具の需要が少なくなるなかでも、その唯一無二の技が認められ世界的にも注目されました。

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