5月、水辺からカエルたちの鳴き声が聞こえてきます。
『あまがえるのあおちゃん』(高家博成・仲川道子作 童心社刊)
毎年めぐって来る季節なのに、今年もあらためて5月って気持ちがいいなあと思います。カエルの鳴き声も聞こえました。100年カエル館の庭ではアマガエルが クェックェックェッと、水が入った近くの田んぼではトノサマガエルがグゲゲゲゲと、アクアマリンいなわしろカワセミ水族館を訪れると敷地内の池ではシュレーゲルアオガエルが甲高い声でキリリリ、キリリリと……。鳴き方でも自分の個性を発揮するカエルってすごいなあなどと思いながら通り過ぎました。
この時季、書店に行けば、"カエルさん"が描かれた絵本に出合うことも多く、最近見つけた1冊が『あまがえるのあおちゃん』。表紙カバーに描かれたあおちゃんは、正面を向き、広げた自分の手足の指を確認するように見ています。「かわいいいきもののえほん」として、小さなお子さん向けに親しみやすく描かれていますが、「手(前あし)は指が4本、足(後あし)の指は5本あって、目から鼻にかけて黒茶色のラインが目立っている」二ホンアマガエルの特徴をしっかり伝えています。
作者のお一人、仲川道子(なかがわみちこ)さんは絵本『10ぴきのカエルシリーズ』(PHP研究所刊)でも知られます。そしてもうお一人、高家博成(たかいえひろしげ)さんは、元多摩動物公園飼育課昆虫飼育係長を務めた経歴をもつ農学博士で、お二人で「かわいいむしのえほん」シリーズ(童心社刊)を出版されています。
『あまがえるのあおちゃん』では、本を開くと最初に目にする表紙カバーのソデの部分で、あおちゃんはたまごからかえるになり、中面で元気に跳びまわります。アマガエルの場合、周囲の色の影響を受けて大きく色変わりすることがありますが、そのことをあおちゃんの成長の物語の中で知ることができます。
アマガエルは庭など身近な自然の中で出合う機会が多く、野外で自然観察しやすいカエルだと思いますが、子どもたちにとってそんなアマガエルがさらに身近に感じられるうような絵本です。
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