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メリー・クリスマスの心を伝えるカエルたちの物語

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 朝起きて窓の外を見て、庭木に白く降り積もった雪に、「雪だ!」と叫ぶとき、心は子どもの頃に帰ります。

 世界が一晩で変わってしまったように見える不思議。そして、クリスマスがやってきます。

 その頃、世界各地の雪の降る地域ではカエルは冬眠していて活動はオフシーズンのはずなのに、絵本や童話ではカエルたちがクリスマスを楽しみにしています。

 たとえば、日本ではどちらも1970年代に翻訳が出版された米国の『がまくんとかえるくん』シリーズと、『ひきがえるとんだ大冒険』シリーズ。

 アーノルド・ローベル作の『がまくんとかえるくん』はシリーズ4冊のうち、『ふたりはいつも』に「クリスマス・イブ」のお話があり、ひきがえるのウォートンとモートン兄弟の活躍を描くシリーズには、「ウォートンのとんだクリスマス・イブ」があります。

 冬眠中とはいえ、童話作者に描かれるカエルたちの家の中は暖かく、おいしそうなごちそうの匂いに満ちていて、その日はクリスマス・ツリーやクリスマスプレゼントが用意されています。

 でも、ストーリーの中でそんな幸せな時間は簡単にはやって来ません。      

 予定より遅くなっている「かえるくん」を待っている「がまくん」は、心配でしかたなく「かえるくん」が遅れている理由にアレコレ妄想を膨らまし大げさなレスキュー体勢で外に出ます。  

 一方、ひきがえるのウォートンは、弟のモートンが得意の料理をつくって待っている家に帰りたくても、雪の中で道に迷い、ほっとけないモグラや横暴なクマとの遭遇で思いがけない困難を抱え、もう二度と家には戻れないかもしれないとさえ思います。

 それはもしかすると、私たち誰にも経験のある、クリスマス・イブに待ったり、待たせたりしたときの切ない思いに通じるかもしれません。

 日本でもすっかり歳時記になったといえるクリスマス・イブ。この日だからこそ言えること。子どもたちに人を思いやる気持ちを伝えたいとき、大切な人に感謝の思いを告げたいとき。そんな雪の中に落としてしまって見失いかけた言葉を素直に受け取れる、心のプレゼントになるカエルたちの物語です。

<関連サイト>

「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u

「コトバデフリカエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kotobadefurikaeru

※現在、「コトバデフリカエル」では「カエル白書」Vol.3を配信中です。

http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/froggy_museum/

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