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2020年6月

100年カエル館コレクション13 カエルグッズに見るオーストラリアのカエル事情

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  100年カエル館にやってきたオーストラリアのカエルグッズたち。手前の2匹のカエルは左がイエアメガエルで右がオオヒキガエルと思われるフィギュアです。

  アマガエル科のイエアメガエルはその名が示すようにまさに「おうちにかえる」のが好きらしく、拙著『ときめくカエル図鑑』にも紹介いたしておりますがオーストラリアの民家の水回り、トイレに住みつく場合もあるようです。さらに顔の表情もそのままキャラクターになりそうな親しみやすさがあり、現地ではペットにする人も多い人気者。

  もう一方のオオヒキガエルは、20世紀後半からオーストラリアで大繁殖し問題になっている外来種のカエルです。元々は中南米に分布していたカエルですが、農地の害虫駆除のために世界各地に導入されました。しかし結局、ジャンプ力のない本種はトウモロコシの害虫がいる高さまで届かず駆除には役に立たたない上に、その繁殖力、在来種も捕食する食欲のためにすっかり迷惑者になってしまったという経緯の持ち主です。

  その旺盛な食欲は、カエルは生きて動くものしか口にしないという“常識”さえ破り、生ゴミ置き場の野菜の残骸や犬から横取りしたドッグフードまで匂いを嗅ぎ分け食べるのだとか。その様子は、オーストラリアのマーク・ルイス監督によるドキュメント映画「CANE TOAD THE  CONQUEST(邦題「そのカエル最凶につき」)」で、人間が導入したカエルで人間が振り回されるコミカルかつシニカルな作品に観ることができます。http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/vikki/2010/11/post-057b.html

 映画では、オオヒキガエルが民家の門燈の下で光に集まってくる昆虫を食べるシーンが撮影されています。そしてオオヒキガエルは日本にも移入されていて、小笠原諸島や石垣島にも生息していますが、今年4月にイギリスの学術誌 Scientific Reportsに掲載された、東京農工大学の小峰浩隆特任教授、オーストラリアのJames Cook Universityのシュワルツコフ教授らの国際共同研究グループが行った調査結果をまとめた論文によりますと、「街灯や人家などに使われる人工的な光(人工光)は外来種のカエル(オオヒキガエル)が捕食する量を劇的に増やす」そうです。

 さらに人工光によるオオヒキガエルの捕食量の増加は、月の満ち欠けや地域ごとの明るさに影響されるようで、満月よりも新月の暗い時期、そして郊外などの比較的暗い地域の方が人工光が大きく作用し、オオヒキガエルの食欲が刺激されるのでしょうか、捕食量が増すようです。このような、光害による生態系への影響と外来種による生態系への影響の関連性への調査研究は、今、始まったばかりだそうです。

<関連サイト>

「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u

「コトバデフリカエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kotobadefurikaeru

※現在、「コトバデフリカエル」では「カエル白書」Vol.3を配信中です。

カエル大学通信 www.mag2.com/m/0001378531.htm

 

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100年カエル館コレクション12 雨期と喜雨と傘ガエル

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 梅雨の季節になりました。街は賑わいを取り戻しつつありますが、まだまだ感染の注意は必要とされる毎日です。

 雨期といえばカエル。カエルはしばしば傘や長ぐつ、レインコートなど、レイングッズの柄や装飾に用いられます。カエル好きにとっては、カエルのレイングッズを身に着けて外出したくなるところですが、家の中に展示して「雪見」ならぬ「雨見」しながら観賞するのもカエラーならではの味わいのある過ごし方かもしれません。

 俳句の季語に「喜雨(きう)」があり、「雨期(うき)」というよりは晩夏、日照りが続いた後の恵みの雨のことのようです。昨年の冬に豊島区立熊谷守一美術館を訪ねたときに、最上階の企画展示室でカエルの絵に出会いました。そのタイトルが「喜雨」。まさに雨が降らず時を待っていた蛙たちが天の恵みに這い出して来たようです。

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熊谷守一(原画技法/墨絵)木版の複製画(※企画展示室のみ撮影可でした)

 もうひとつ見つけた「喜雨なカエル」は窪田英治(俳句作家)の一句。

 喜雨喜雨と 蛙は口を 受け口に

 こちらも待望の雨にカエルがうれしそうにめったに開かない口をオープンにしている姿でしょうか。「キウキウ」とウキウキしているカエルの鳴き声のようにも。

  雨期から喜雨までこれからしばらくの間は、カエルのレイングッズで雨に喜ぶカエルの気持ちを想像してみてはいかがでしょう。

<関連サイト>

「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u

「コトバデフリカエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kotobadefurikaeru

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カエル大学通信 www.mag2.com/m/0001378531.html

 

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両生類自然史フォーラムWebミーティングのご案内

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2020年6月6日に秋田市で開催を予定していた第22回両生類自然史フォーラムは、新型コロナウイルスの影響により2021年の同時期に延期されることになりました。今年はその代わりに、6月6日(土)の午後にZoomによるWebミーティングが開催されます。参加ご希望の方は日本両生類研究会のHP http://www.nbs.jpn.org/  のご案内をご覧いただきたく、どうぞよろしくお願いいたします。


<2020年6月6日日本両生類研究会Webミーティング>
 
14:00 開催の挨拶
14:10〜 発表
  • 14:10〜14:30「最近の気になるフィールド紹介」木村青史
  • 14:30〜14:50「ホームシアター 蛙曜日の夜」吉村雅子
  • 14:50〜15:10「両生類愛づる僕」三宅遥香(鶯谷高等学校3年)
  • 15:10〜15:30「センサーカメラに写る両生類 ネズミを追って写ったもの」岡本 毅
  • 15:30〜15:50「最近観察した内容紹介」佐藤直樹
  • 15:50〜16:10「岐阜県大垣市に生息するマホロバサンショウウオ(Hynobius guttatus )の生活史の解明」○竹内恒太 ・ 井上歩実・ 古田晏寿・岩田 奏画 ・川村寧々・龍造寺陽生 ・岩田拓朗・高木雅紀(大垣北高校)
  • 16:10〜16:30「砂丘のすずめ野菜畑に現れた両生類たち」○川原奈苗・高橋 久
 
16:40〜17:10 総会(会員のみ参加資格があります)
 
18:00〜 Web懇親会(料理や飲み物は各自でご用意ください)
懇親会のテーマ「20周年記念誌について、30周年記念事業に向けて」

<関連サイト>

「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u

「コトバデフリカエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kotobadefurikaeru

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カエル大学通信 www.mag2.com/m/0001378531.html

 

 

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