100年カエル館コレクション9 花器にはうカエル
桜前線北上中ですが、いつもどおりには盛り上がれない今年のお花見シーズンです。皆さんのなかには、家の中に花を飾って明るい気分で過したいと思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。そこで今回ご紹介するのはカエルの花器。
写真は、平安時代の歌人、紀貫之の「水に住む蛙」にならうなら、金属製(主に銅や真鍮)の「花器に這う蛙」です。思い思いにお好きな花を飾った状態を想像していただければ、カエルが部屋の中に春の野山の清々しい空気も運んで来てくれそうです。
たとえば、桜。カエルは桜をどう楽しむのでしょうか。一茶48歳のときの一句に「花びらに舌打したる蛙哉」があります。ハラハラと舞い散る桜の花びらはカエルにとっては動く生きもの、おいしいもの⁈ 人もカエルも昔から「花より団子」に目がないのでしょう。
そして、カエル好きの方におすすめの花は、この季節に美しく開花するキンポウゲ科のラナンキュラス(※)。ラナ(rana)といえばラテン語でカエルのこと。花の姿は色の種類も豊富で牡丹のような派手やかさがありますが、名前の由来でもある葉っぱは「カエルの足」のようにキュートです。
※ラナンキュラスは元々は中近東からヨーロッパにかけて分布していた花が品種改良されて種類も豊富に広まった園芸品種。その名の由来は湿った場所に生えるからとも、葉っぱが「カエルの足」に似ているからとも言われています。
(写真)「喜多方100年カエル館コレクション展」(2011年福島県立博物館にて)展示より
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