Xmas特集『サンタさんだよ かえるくん』で寒い冬に春を想う
夜空をトナカイのそりに乗って、世界中の子どもたちにプレゼントを届けようと大忙しのサンタさん。子どもたちの家を探すためにそりから身を乗り出しすぎて雪降る森の中に落ちてしまいます。
びしょぬれのサンタさんは木の根もとにある小さな家を見つけます。金属のドアノッカーが付いていて、そばにメールボックスのあるかわいらしいお家。そこには7匹のかえるたちが住んでいて、冬眠の季節、木のベッドに並んで眠っていました。
どんな夢を見ているのでしょう。壁に掛けられた絵には、春に「うさぎのようふくやさん」にすてきな洋服を作ってもらった思い出が描かれています。この絵本の作者塩田守男さん(絵)とさくらともこさん(文)には、子どもたちにカエルたちの楽しい姿を通じて四季を伝える「かえるくんシリーズ」があり、壁の絵はその一冊『おしゃれなおたまじゃくし』にあるワンシーン。
そう、7匹のかえるたちは春に生まれ、おたまじゃくしからカエルに成長していくなかでその成長に合わせた洋服をうさぎのおじさんに作ってもらった楽しい思い出を夢に見ているのかもしれません。
サンタさんがかえるくんたちの家の暖炉で火を燃やして服を乾かしながら居眠りをしていると、暖かくなって春が来たと思ったかえるくんたちが起きてきます。こうしてサンタクロースとカエルが出会うファンタジーが生れました。
かえるくんたちはサンタさんのやぶれた袋を直してあげようとうさぎのおじさんの家まで一緒に向かいます。うさぎのおじさんは冬眠しているはずのかえるくんたちとサンタさんの出現にびっくりしますが、喜んで袋の破れたところに星型の布を縫い付けてくれました。おじさんの家の壁にはかえるくんたちのおたまじゃくしの頃の絵が飾られています。
『おしゃれなおたまじゃくし』のスピンオフといえる絵本。寒い冬も春を夢見ればハートウォームになれるXmasプレゼントのような作品です。
『サンタさんだよ かえるくん』
さくらともこ 文/塩田守男 絵/PHP研究所 発行 ※現在電子版のみ販売中
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