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2019年11月

Xmas特集『サンタさんだよ かえるくん』で寒い冬に春を想う

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夜空をトナカイのそりに乗って、世界中の子どもたちにプレゼントを届けようと大忙しのサンタさん。子どもたちの家を探すためにそりから身を乗り出しすぎて雪降る森の中に落ちてしまいます。

びしょぬれのサンタさんは木の根もとにある小さな家を見つけます。金属のドアノッカーが付いていて、そばにメールボックスのあるかわいらしいお家。そこには7匹のかえるたちが住んでいて、冬眠の季節、木のベッドに並んで眠っていました。

どんな夢を見ているのでしょう。壁に掛けられた絵には、春に「うさぎのようふくやさん」にすてきな洋服を作ってもらった思い出が描かれています。この絵本の作者塩田守男さん(絵)とさくらともこさん(文)には、子どもたちにカエルたちの楽しい姿を通じて四季を伝える「かえるくんシリーズ」があり、壁の絵はその一冊『おしゃれなおたまじゃくし』にあるワンシーン。

そう、7匹のかえるたちは春に生まれ、おたまじゃくしからカエルに成長していくなかでその成長に合わせた洋服をうさぎのおじさんに作ってもらった楽しい思い出を夢に見ているのかもしれません。

サンタさんがかえるくんたちの家の暖炉で火を燃やして服を乾かしながら居眠りをしていると、暖かくなって春が来たと思ったかえるくんたちが起きてきます。こうしてサンタクロースとカエルが出会うファンタジーが生れました。

かえるくんたちはサンタさんのやぶれた袋を直してあげようとうさぎのおじさんの家まで一緒に向かいます。うさぎのおじさんは冬眠しているはずのかえるくんたちとサンタさんの出現にびっくりしますが、喜んで袋の破れたところに星型の布を縫い付けてくれました。おじさんの家の壁にはかえるくんたちのおたまじゃくしの頃の絵が飾られています。

『おしゃれなおたまじゃくし』のスピンオフといえる絵本。寒い冬も春を夢見ればハートウォームになれるXmasプレゼントのような作品です。

『サンタさんだよ かえるくん』

さくらともこ 文/塩田守男 絵/PHP研究所 発行 ※現在電子版のみ販売中

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100年カエル館東京ギャラリーにて「世界のカエルーTOKYO2020前夜祭のカエルたち」展のご案内とカエ~ル大学2019最終講座のご報告

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 東京足立区善立寺内にある100年カエル館東京ギャラリーでは、ケース3台でテーマに合わせたカエルグッズを展示し年に2回展示替えをしています。今年2019年11月23日からは来年2020年の東京オリンピックを記念して「世界のカエルーTOKYO2020前夜祭のカエルたち」をテーマにした展示をご覧いただいています(写真)。

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 すべての国のカエルグッズを紹介することはできませんが、ケース3台を「アジア大陸」「ヨーロッパ大陸」「アメリカ大陸」に分け、各大陸に位置する国々約20ヶ国のカエルグッズを展示しました。展示説明には各国のカエルの代表選手ともいえるカエルの種名とTOKYO2020でも期待される各国の注目競技を記載しましたので、カエルを通してオリンピックの気分を楽しんでいただくとともに、地球上で大陸ごと、国ごとにさまざまなカエルが生息していて、人とかかわり人の手によっていろいろなカエルグッズがつくられていることを感じていただければと思っています。

 展示替えをした11月23日は秋雨の降る寒い1日でしたが、午後からカエ~ル大学2019の第4回講座を行いました(写真)。今年100年カエル館は福島県立博物館で「100年カエル館のときめくカエルアート図鑑」展を開催し、故柴田まさるさんの作品を紹介しました。そのとき作成したカエルアート座標軸(写真トップ)をもとに柴田さんの創作のルーツになっていたのではと想像できる美術ジャンルについて、美術史に登場するカエルたちとのつながりに着目して解説いたしました。

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 また、出席してくださった学生の皆さんからは今年出会ったカエルにかかわるモノやコトについていろいろとお話いただきました。お話はお住まいの地域のカエルの話から、全国のカエルスポット、海外でのカエルとの出会いまで、まさに2020年のオリンピックイヤーに向けてカエルもジャンプしたくなる情報で盛り上がりました。これからカエ~ル大学は『カエル白書』Vol.3の編集を進めて参ります。

 今年は第1回の講座を松本かえるまつりで開催させていただきました。ご聴講いただいた皆様、そして学生さんをはじめカエ~ル大学にご関心をいただいた皆さまに心から感謝いたします。カエ~ル大学は来年4年目の学生募集をさせていただきます。引き続きよろしくお願いいたします。

 

 

 

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Xmas特集 かえるくんとがまくんのクリスマス・イブ

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 かえるくんとがまくんが登場するアーノルド・ローベル作の絵本シリーズの一冊『ふたりは いつも』の中に収められているお話に「クリスマス・イブ」があります。

 クリスマス・イブの夜にがまくんはクリスマスツリーを飾り、美味しい料理をつくって大の仲良しのかえるくんを待っています。でも約束の時間になってもなかなかやって来ないかえるくん。がまくんはかえるくんの身に起こっているかもしれないいろいろな怖い妄想を膨らませます。そして、あれこれ想像したかえるくんの災難からかえるくんを救うべく対策を整えて寒い夜の野外へ……。そこにいたのは、かえるくん。かえるくんは……。

  ちょっとした心配ごとを大げさに考えてしまうのはがまくんの持ち味ですが、クリスマス・イブの夜、大切な人を待つ自分に置き換えて読むとがまくんの気持ちが痛いほどよくわかるお話です。短いお話ですので、クリスマス・イブの日に家族で読んでみるのはいかがでしょう。

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渡辺弥七さんの「蛙文字展」が開催されます。

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 福島県の三春町、全国的に知られる滝桜の近くにアトリエ「蛙さんの家」を構え、独自に生み出した「蛙文字」を50年も書き続けている渡辺弥七さん。絵であり、文字である渡辺さんの「蛙文字」。鑑賞者が「遠近法」を駆使し、近づいて見ると蛙の姿が見え、離れて見ると意味を伝える文字になる面白さは、カエルが地球に姿を現し、エジプトのヒエログリフや日本の弥生時代の銅鐸に刻まれて以来の、カエル文化史的大発明といえるのではないかと思っています。

 渡辺さんから「蛙文字展」の案内をいただきました。野外のカエルはそろそろ冬眠に向かう令和元年秋。「蛙文字」を書き続けた渡辺さんとさまざまなポーズで文字をつくる蛙たちとの、楽しいひとときを過ごしにいらっしゃいませんか。

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(写真 Find!三春より)

渡辺弥七 蛙文字展

会期:令和元年11月12(火)~14日(木)

   12日 13:00~20:00

   13日  9:00~20:00

   14日  9:00~16:00

会場:三春交流館まほら「ホワイエ」

   〒963-7759 福島県田村郡三春町字大町191

   TEL.0247-62-3837

 

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カエルとともに田んぼを守る、仁井田本家の自然酒

  福島県郡山市にある蔵元、仁井田本家のロゴにカエルがデザインされています。カエ~ル大学の学生さんから聞いたことがあったのですが、先日その商品「にいだしぜんしゅ」を初めて味わう機会があり、目に飛びこんできたのが栓に付いているカエルのマークでした。

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 1711年、江戸中期に創業した仁井田本家。同蔵元では「日本の田んぼを守る」ことを大きな使命に掲げています。自社田で自然米栽培に力を入れ、その取り組みの一環で多くの人々と田んぼ作業を一緒に学ぶ「田んぼのがっこう」という活動を行っています。

 そのような取り組みを含めた同社の郷土愛から生まれた3つのブランドが、

「しぜんしゅ」ブランド

「穏(おだやか)」ブランド

「田村(たむら)」ブランド

で、いずれも商品にはカエルのマークが見られます。

 同社にお話を伺うと、仁井田本家が家紋の「下がり藤」に蛙の絵柄をあしらったロゴマークとして、50種類はある商品群のイメージを統一したのは4年ほど前のこと。商品にカエルが使われ始めたのはもっと前になるようです。商品ブランドのひとつ「穏」は、仁井田本家の歴代蔵元がその名前に受け継いでいる一文字。その商品は誰にとっても日々が穏やかであることを願ってつくられています。そのラベルもカエルの絵柄で10年ほど前から使われているそうです。

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 「カエルは自社の田んぼにいる生きものの象徴であり、自然田を通して“自然にかえる”酒造りへの思いも込めました」(広報ご担当者談)

 300年続く蔵元がめざすこれからの100年。人もカエルも穏やかに暮らせることを願って一献傾けたいお酒です。

 仁井田本家のサイトでは、カエルのロゴ入りの前掛け、Tシャツ、マスキングテープ、手ぬぐいなど関連グッズも人気です。

  https://1711.jp

 

 

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