■100年カエル館で滝夜叉姫の凧を見て、慧日寺へ
今年2017年の100年カエル館開館期間にご覧いただいている「小澤一蛙展」では、小澤さんが集めた江戸凧も展示していますが、 写真奥の天井近くに吊り下げた凧には「滝夜叉姫」が描かれています。
「滝夜叉姫」はガマの妖術をテーマに語るとき、「児雷也」や「天竺徳兵衛」などとともに取り上げられることがあり、小澤コレクションの凧にもそれら3つの絵を見ることができました。そして滝夜叉姫は、会津ともかかわりの深い実在の女性と伝えられています。
あの平将門の三女として生まれた滝姫が、将門の誅殺後、奥州に逃れ会津の慧日寺の傍らに庵をむすんで住んでいたと語られています。あるとき、病気で命を落とし父の罪業のために地獄に落ちたが、地蔵菩薩の御加護でよみがえりその後如蔵尼と名を改め地蔵菩薩に帰依して生きた、と。この話と姫の弟で筑波山でガマの妖術の修業をしたとされる平良門が絡んで生まれた復讐劇が「滝夜叉姫」です。
この夏、磐梯山の麓(ふもと)の磐梯町にある慧日寺跡を訪ね、その滝夜叉姫こと如蔵尼の墓とされる碑を見てきました(写真)。
平安時代に大伽藍を築き繁栄した慧日寺は、徳一菩薩が創建した寺院です。徳一は奈良で法相宗を学んだ後、会津を中心に仏教文化を広めた学僧で、当時、最澄や空海と大論争を繰り広げたことが歴史の記録に残っています。
その史跡(写真下)の前に立つと、絶えず死と再生を繰り返しながらも往時を今に伝える会津の自然を背景に、そこにあったとされる総面積15万㎡の寺院全体が蜃気楼のように脳裏に浮かび上がりました。また、徳一さんの霊廟が一般の人々の霊園と共にあり、お盆ということで自分の家のお墓参りをする人の姿も多く見られたことに、最澄や空海と激しい論争をしても会津では庶民に愛されていたにちがいないと、遥か昔、平安時代の会津の人々の暮らしさえ想像できました。ぜひ皆さんも100年カエル館で滝夜叉姫の凧を見た後は、慧日寺にも足を延ばしてみてください。
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100年カエル館2017年の9月以降の開館スケジュールは以下の通りです。
■9月23日(土・祝)~24日(日)/9月26日(火)~30日(土)
※9月23日は午後3時より、カエ~ル大学講座「美術館に棲息するカエルについて」を開催します。
■10月7日(土)~9日(月・祝)/10月11日(水)~18日(水)/10月28日(土)~29日(日)/10月31日(火)~11月5日(日)
※10月末から11月初めは100年カエル館の庭の紅葉がとてもきれいです。紅葉とカエル・コレクションを観にいらっしゃいませんか。
<100年カエル館情報>
場所 : 100年カエル館
〒966-0096福島県喜多方市字押切南2-6
(旧桐工芸館裏、自動車用品ショップコクピット121隣)
開館時間 : 午後1時~午後4時
入館料 : 大人 500円 小中高生 100円
お問い合わせ 048-838-7360(ケーアンドケー内)
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<関連サイト>
「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com
※Webミュージアムでは2011年に福島県立博物館で開催した「喜多方『100年カエル館』コレクション展」を画像でご覧いただいております。
「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u
「コトバデフリカエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kotobadefurikaeru ※エッ
セイで時代をふりかえるサイトです。
カエル大学通信 www.mag2.com/m/0001378531.html
※『かえるる カエルLOVE111』(山と渓谷社)全国の書店等で販売中です。
※新刊『ときめくカエル図鑑』(山と渓谷社刊 文・高山ビッキ 写真・松橋利光)販売中です。どうぞよろしくお願いします。
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