■仙厓さんのカエルに会える企画展「動物絵画250年」(府中市美術館)
「群蛙図」(九州大学文学部蔵/中山森彦コレクション)
江戸期に蛙を描いた絵師は数々いますが、臨済宗古月派の僧で禅の境地を書画で伝えた仙厓義梵(1750-1837)の作品にもカエルが見られます。出光コレクションのひとつで、2013年に出光美術館で開催された「仙厓展」に展示された作品には「坐禅蛙画賛」があります。下の写真ではその展覧会で購入したポストカードの「坐禅蛙画賛」と同作品の世界観に通じる100年カエル館のカエルグッズを組み合わせてみました。
仙厓の作品は、「○△□」を墨で線描した絵を始め、シンプルな表現の中に物事の本質を捉えたものがあり、「坐禅蛙画賛」にはカエルが前足をついている姿が、坐禅に見立てられ何やらニンマリとこちらを見ているように描かれています。添えられている言葉は「坐禅して人が佛になるならハ」。修業の形式ばかりにこだわって求道精神を忘れると「カエルに笑われるぞ」という戒めが込められているような……。そこで私たちはこのポストカードの前に坐禅をしているカエルの香立てを置いてみました。「蛙も人になれる気がする」という下の句のつもりです。
そして今年2015年、府中市美術館で見られる仙厓和尚のカエルの絵が、最初に掲載した「群蛙図」(九州大学文学部蔵/中山森彦コレクション)です。坐禅をしているようなカエルがコマ送り的に描かれています。賛文は「坐禅忘れて人ハ佛になると云う 我れハかへるの子ハかへる也」。3月から5月まで開催される企画展「動物絵画の250年」の後期展示で見られます。
※前期展示では歌川国芳の「かゑるづくし」で、また、後期は、伊藤若冲の「河豚と蛙の相撲図」でもカエルの絵が楽しめます。
動物絵画の250年
府中市美術館 〒183-0001東京都府中市浅間町1-3 TEL.042-336-4856
2015年3月7日(土)~5月6日(水) 10:00~17:00(入館は16:30まで) 月曜休館(5月4日を除く)
<前期> 3月7日(土)~4月5日(日) <後期> 4月7日(火)~5月6日(水)※前期と後期で全作品の展示替えがあります。「群蛙図」は後期展示です。
入館料 一般700円 高校生・大学生350円 小・中学生150円
http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/
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<関連サイト>
「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com
※Webミュージアムでは2011年に福島県立博物館で開催した「喜多方『100年カエル館』コレクション展」を画像でご覧いただいております。
「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u
「コトバデフリカエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kotobadefurikaeru ※エッセイで時代をふりかえるサイトです。
「キモノ・二・キガエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kimonokigaeru ※ゆかたやキモノ着用で優待割引のある施設をご紹介するサイトです。
カエル大学通信 www.mag2.com/m/0001378531.html
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