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■塔とカエルの文化的関わり、そして東京タワーエッセイコンテスト

 俳人沢木欣一(1919-2001)は「蟇(ひきがえる)バブルバベルと鳴き合えり」という句を遺しています。確かに、イソップの昔から牛に負けまいとお腹を大きく膨らまして結局破裂したカエルを思うと、天に届くほどの高さをめざしたが最後は崩れたバベルの塔は、カエルの存在の一面に通じるような気がします。

人間を遥かに超える大きさの塔と、人間の足元にも及ばない大きさのカエルですが、カエル文化を探ってみると塔とカエルの間には文化的な関わりを見てとることができます。

塔とカエルの文化的関わりについて

● 塔はそもそも天と地を結んで立つ柱であり、その周囲には神をめぐるさまざまな物語が生まれたという文化的意味があります。そして、カエルは中国の神話では雷神の息子とされ、天と地を結ぶ役割があったことを考えると両者は通じ合うような気がします。

● 塔は国土の創生に欠かせないもので、それが柱で表現されるとしたら諏訪大社の御柱祭などはその象徴的な神事であります。ちなみに諏訪大社では、毎年元旦に「蛙狩り行事」を行い、その年の吉凶を占います。

●塔は道柱でもあり、東西南北各方位を守り、交通路の目印となる標識の役割もあります。カエルを使い神とする猿田彦は国つ神であり、各方位の魔よけをする道祖神でもあります。その天狗のような高い鼻は塔を思わせるものがあります。

●四方を守るという意味では、古代中国の地震計、ネイティブアメリカンのトーテムポールにカエルの造形が使われているものがあり、人々に危険を知らせる役割がありました。

そして、現代、日本の塔としてもっとも親しまれている東京タワーには「タワー神社」があり、伊勢神宮から天照大神の御心霊を受け祀っています。天照大神の孫のニニギノミコトが降臨したときに道案内をしたのが、カエルを使いとする猿田彦大神です。

さて、皆さんは東京タワーにどんな思い出やうんちくをお持ちですか。東京タワーでは今年2013年、開業55周年を記念してエッセイコンテストを開催中です。

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※詳しくは東京タワーHP 

http://www.tokyotower.co.jp/essay

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<関連サイト>

「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u

「コトバデフリカエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kotobadefurikaeru ※エッセイで時代をふりかえるサイトです。

「キモノ・二・キガエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kimonokigaeru  ※ゆかたやキモノ着用で優待割引のある施設をご紹介するサイトです。 

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