カエル好きなら何度でも見るべき歌舞伎の「天竺徳兵衛」
明治座十一月花形歌舞伎で今年2012年6月に襲名したばかりの四代目市川猿之助による通し狂言「天竺徳兵衛新噺(てんじくとくべえいまようばなし)」が上演された。
この作品は、父親の亡霊から蝦蟇の妖術を伝授された徳兵衛が、日本転覆を志すという奇抜な物語で知られる江戸時代の戯作者鶴屋南北の「天竺徳兵衛韓噺(てんじくとくべえいこくばなし)」をベースに、やはり南北の「彩入御伽草(いろえいりおとぎぞうし)」を絡ませたストーリーで、三代目猿之助によって1982年に歌舞伎座で初演された三代猿之助四十八撰のひとつ。
見どころは大詰の葛籠抜け(つづらぬけ)や宙乗り、早替わりなど数々あるが、カエルが第一の目的なら序幕に登場する、天竺徳兵衛を乗せて大屋根に現れた大蝦蟇を見るだけで感動はマックス、「カエル好きでよかった~!」と思えるはず。他に、妖術で蝦蟇に姿を変えた天竺徳兵衛を四代目猿之助が着ぐるみのカエルを着て演じるシーンは、とってもお茶目でかわいかった。
また、徳兵衛の父親の亡霊が、蝦蟇の妖術を授ける際に自らの血潮で描いた蝦蟇仙人の画を与えるあたりは、“カエル通”の心をくすぐって余りあるものでしょう。何度でも観に行きたいものです。
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<関連サイト>
「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u
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