ガマ王子と「パコと魔法の絵本」
昨日「日本映画専門チャンネル」で中島哲也監督の「パコと魔法の絵本」(2008年公開)を見た。ガマ王子と呼ばれるカエルが、まさにトリックスター的に暴れまわる映画で、実写とCGを巧みに融合したファンタジックな仕掛け満載の映画だ。だからといって、楽しく笑って見られる作品ではない。全体の印象は、人間の「せつなさ」を詰め込んだ宝箱かおもちゃ箱、それをひっくり返したような映画といってもいい。
ところで、この「せつなさ」とは一体何だろうと思うときがある。わき目も振らず走っているときは抱かない感情。自己を「ふりかえる」精神状況といえるかもしれない。そうして「せつなさ」に浸ることで新しい何かが見えてくることもある。この「カエル映画」を見てそんなことを考えた。11月27日、12月2日、9日にまたオンエアされるので、ご興味のある方はぜひ。 ※同作品の原作は「MIDSUMMER CAROL ガマ王子vsザリガニ魔人」という舞台脚本。画像はその小説本。
ふりかえるといえば、昨日は落語家の立川談志さんが亡くなられて、テレビに残っている生前の姿がたくさん映し出された。すると高座も含めたその語りからカエルが飛び出すことに気づいた。ご存知「がまの油」、そして「まんじゅう怖い」の話にもカエルについてふれるところがあり、「徹子の部屋」に出演して話しているときにもカエルが口をついて出ていた。さらに、生前をよく知る人として登場したのが、元落語協会会長の鈴々舎馬風(れいれいしゃばふう)さん。この方は昔、柳家かゑると称していたことがあった。カエルは身近な存在だったかもしれない。ご冥福をお祈りします。
※100年カエル館・カエ~ル大学はこちらから http://kaeru-kan.com/kayale-u
<関連サイト>
「コトバデフリカエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kotobadefurikaeru
「キモノ・二・キガエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kimonokigaeru
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