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ナガレタゴガエルの繁殖に成功

  5月24日付けの同ブログでは、越前松島水族館の「かめ・かえる館」で展示されている福井県在来13種の蛙を紹介したが、同館ではまた全国の水族館で初めてナガレタゴガエルの人工繁殖に成功し、一般公開している。

 ナガレタゴガエルは、北関東から中国地方の山間部に生息する蛙で、成体の体長は4~6cm、繁殖期になるとたるむ皮ふや後ろ足の発達した水かきが特徴である。たぶん多くの人にとってあまり馴染みのない蛙だと思うが、それもそのはず1990年に命名されたばかりで、詳しい生息状況はまだ解明されていないそうだ。

 飼育員の百崎孝男さんによると、ナガレタゴガエルは昨年(2010年)の10月に福井県勝山市の滝波川の支流で親個体4ペア(8個体)を採集。ナガレタゴガエルは生息地の確認がむずかしく、今回の採集も3年がかりで実現した。福井県でも2年前に発見されていながらその分布域はまだはっきりしていなかった。詳しい人の話では、採集にはピンポイントとなる場所と時期があるらしく、結果的に発見の初記録のある場所で、水温が10℃を切った時期に採集できたそうだ。

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その後、45cm水槽で飼育開始。小石を水槽に設置。給水に落差をつけて水を落とし、水温を下げることで可能な限り「渓流」を再現。温度は最低3度まで下げ、「雪渓」を意識した環境づくりを行った。次第に皮ふがたるみ始め、お腹に卵が透けて見え始めた。

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3月31日に産卵。卵は12℃で様子を見、孵化後にオタマジャクシを3つの温度に分けて飼育する。

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水温は24℃は早々(5/12)に上陸し、5月28日現在、水温12℃のオタマジャクシはそろそろ前肢が生えそうなので上陸間近。

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上陸した亜成体(5個体)は親個体(3個体)と隔離して同じ60cm水槽内にて展示中。上陸直後は9mmほどの小さな蛙で、2~3日はトビムシサイズしか食べられなかった。さらに2~3日で小さなコオロギを食べられるようになる。

越前松島水族館では、2008年に行われた「国際カエル年」をきっかけに福井県の在来種をすべて集めることにした。その次のステップとしてトライした今回の人工繁殖。実現のためには、捕獲から繁殖まで温度など渓流という生息環境に起因する課題をクリアしていくことが最もむずかしかったという。

今回の成功をきっかけに百崎さんは「ナガレタゴガエル同様むずかしいと言われるカジカガエルやタゴガエルの人工繁殖にも挑戦したい」と語った。

 100年カエル館・カエ~ル大学はこちらからhttp://kaeru-kan.com/kayale-u/

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