鳥獣戯画からけろっぴまで飛び出した春のカエルトークイベント
春のカエルトーク「日本美術史に登場したカエルとカエルの擬人化」は、4月16日、葉桜とはいえまだその名残りのある上野動物園にて開催することができました。ご来場くださった皆さま、また、いろいろと応援してくださった皆さまに心から感謝申し上げます。
今日は、当日の様子を伝える写真を時間経過にそって掲載してみました。
写真1 動物園ホールでのトークイベントの前の時間は、両生爬虫類館(ビバリウム)で開かれている、「まもる」をテーマにした生体展示をご覧いただきました。コケガエルやコノハガエルといった、擬態のワザにすぐれたカエルなどが展示されていて、その見所を教育普及課主任で学芸員の井内岳志さんが解説してくださいました。
写真2 かえる文化研究所主催のカエルトークのイベントは、柳家我太楼師匠のお話から始まるのが通例になっています。一気に会場が和やかに。
写真3 最初はアンフィビアン・アーク日本代表理事で、広島市安佐動物公園園長の桑原一司さんのお話。カエルを含む両生類が世界的に減少している現状や、2008年には国際カエル年のキャンペーンが行われたこと、そして今年1月に行われたA-Arkワークショップによる日本のカエルや両生類がおかれている現状などについて語っていただきました。深刻な内容ではあるのですが、カエルに興味のある人にとっては最大の関心ごとでもあるようです。
写真4 この日のメインテーマの鳥獣戯画について語る、京都国立博物館研究員の若杉準治さん。鳥獣戯画に登場するカエルを全部見せてくださいました。京大大学院での講義もされていた先生は、学生たちにこの絵巻にせりふをつけさせたこともあるとか。そして、今回の若杉先生が語るもうひとつの話題がけろけろけろっぴ。けろっぴ好きになるきっかけとなった森永のお菓子のパッケージや、お嬢さんや部下の女性からプレゼントされたというお手製のけろっぴものまで画像で披露してくださいました。
写真5 けろっぴ好きの若杉さんの話を受けて登場したのは、株式会社サンリオの小林善則さん(ライセンス事業本部 シニアマネージャー)。 80年代の終わりに「カエルであってカエルでない」をコンセプトに開発されたけろけろけっぴは、一大ブームを巻き起こしたものの90年代以降あまり見かけなくなる。しかし、現在、サンリオが力を入れている復刻シリーズでは、人気ナンバー1だという。小林さんはけろけろけろっぴ、本名蓮の上けろっぴの仲間たちも紹介してくださいました。
写真6 休憩をはさんで今度は、かえる文化研究所の新倉典生所長を中心に語り合っていただき、質問タイムへ。桑原さんには、都会に出現するヒキガエルについて、若杉さんには、鳥獣戯画のカエルの口から立ち昇っている声のようなものと現代の漫画の吹き出しとの関係、小林さんには、けろっぴのお姉さんの名前を「ピッキ」とした理由など、それぞれ同じカエルでも関心ごとの違いがみごとに現れた質問が飛び出しました。
写真7 春のトークイベントの最後は、楽しいカエルグッズのプレゼントの抽選会が行われました。これには小さいお子さんから上野動物園の小宮輝之園長(写真左)まで目を輝かせワクワクするラストシーンとなりました。
写真8 今回のイベントのために、100年カエル館で蒐集したけろっぴグッズを展示しました。イベントの前日に展示作業を行ったのですが、改めてけろけろけろっぴに触れて、そのかわいさに心やすらぎました。展示は向かって右から、ぬいぐるみ類、食まわり系、文房具類、お守り類、その他、おもちゃやファッション小物など。子どものライフスタイル全般に、けろっぴというカエルのキャラクターの魅力が活かされていたことに、80年代的豊かさが伝わってくるようでした。
※先生方の貴重なお話の内容については、カエルタイムズなどでご紹介することになると思いますので、気長にお待ちください。
100年カエル館・カエ~ル大学はこちらからhttp://kaeru-kan.com/kayale-u/
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