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カエルの擬人化と鳥獣戯画のオモテとウラ

Uenoomote

Uenoura

 4月に「春のトークイベント」を上野動物園で開催します。ここに掲げた画像は、その告知のためのチラシのオモテとウラです。(詳細は下に記載)

 たぶん、鳥獣戯画のカエルとけろけろけろっぴが一緒にいることに驚かれるかもしれません。そうなんです、今回は、日本におけるカエルの擬人化について考えるために、平安後期から鎌倉後期に描かれた絵巻「鳥獣戯画」のカエルと、1987年に登場したサンリオのカエルのキャラクター、けろけろけろっぴを、まさに絵巻のような歴史の時間軸上において語り合ってみることにしました。

 そして、この“2種類のカエル”を日本美術史の流れのなかで語っていただけるのは、京都国立博物館学芸部研究員の若杉準治さんしかないと思いました。若杉さんは、今年の春まで京都国立博物館の列品管理室長を務められ、絵巻の研究家としても活躍されています。さらに、なんとけろけろけろっぴグッズの蒐集家でもあるのです。

 そんななか、このチラシを下版した今日(2月16日)、読売新聞の朝刊1面を見てびっくり。鳥獣戯画に関する新事実が発見され、昨日、京都国立博物館が発表したという報道。4巻ある同絵巻のうちの丙巻が、もとは和紙10枚の表裏に描かれた絵で、1枚ずつの表裏を2枚にはがし、つなぎあわせて巻物にしていることがわかったのだそうです。

 京都 栂尾山高山寺に伝わる国宝「鳥獣人物戯画」は、現在、甲・乙・丙・丁の全4巻で見ることができます。ご覧いただいているチラシにも掲載しているカエルは、4巻のうち有名なシーンが多い甲巻に見られます。そして、カエル好きの人にとってはカエルが出てこない乙巻、丁巻はさらっと流して、カエルが人間の遊びに興じている様子が描かれている丙巻に目を留め、甲巻とはタッチもシーンもちがう(たぶん描いた人や描かれた時期もちがう)カエルたちを見て楽しむことができます。

 丙巻は、計20枚の和紙をつなぎ合わせた巻物で、前半10枚には人物が描かれていて、後半10枚にはカエルを含めた動物が描かれています。そのなかのまさにカエルが歩いている様子が描かれた19枚めに残る墨の跡が、2枚目に描かれた人物たちの烏帽子の位置と一致し、墨が裏にしみたものと確認されたそうです。

 紙を表裏にはがす手法は絵巻物では異例なのだとか。「江戸時代前期に鑑賞しやすいよう仕立て直したとみられ、現在の4巻になる以前の姿に迫る研究成果となる。」(読売新聞)。記者発表に臨んだのは若杉さんで、「丙巻は前半と後半で画題が一変するのが謎だったが、その理由がわかる成果。江戸時代以降、一覧できる絵巻物として人々を楽しませたのだろう」とコメント。

 「春のカエルトーク」イベントでは、この、カエルが関わる絵巻の研究成果についても伺えると思うので、カエル好きの方から絵巻に関心のある方までぜひご参加ください。

 「春のカエルトーク」

開催日:4月16日(土)13:30~17:00

場所:恩賜上野動物園

時間:13:30~ 見学会(両生爬虫類館)

    14:00~ トーク(動物園ホール)

定員:先着120名

入場無料(上野動物園の入園料がかかります)

【出演】

桑原一司(A-Ark日本代表)

若杉準治(京都国立博物館学芸部研究員)

けろけろけろっぴ(小林善則/株式会社サンリオ)

新倉典生(かえる文化研究所)

柳家我太楼(落語家)

高山ビッキ(カエルタイムズ編集長/司会)

共催:かえる文化研究所 公益法人 東京動物園協会 A-Ark

協力:京都 栂尾山高山寺 足立善立寺 株式会社サンリオ

企画:100年カエル館

お問い合わせ 03(3981)6985(ケーアンドケー)

100年カエル館・カエ~ル大学はこちらからhttp://kaeru-kan.com/kayale-u/

<関連サイト>

「コトバデフリカエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kotobadefurikaeru

「キモノ・二・キガエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kimonokigaeru

 

 

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