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2011年2月

カエルの擬人化と鳥獣戯画のオモテとウラ

Uenoomote

Uenoura

 4月に「春のトークイベント」を上野動物園で開催します。ここに掲げた画像は、その告知のためのチラシのオモテとウラです。(詳細は下に記載)

 たぶん、鳥獣戯画のカエルとけろけろけろっぴが一緒にいることに驚かれるかもしれません。そうなんです、今回は、日本におけるカエルの擬人化について考えるために、平安後期から鎌倉後期に描かれた絵巻「鳥獣戯画」のカエルと、1987年に登場したサンリオのカエルのキャラクター、けろけろけろっぴを、まさに絵巻のような歴史の時間軸上において語り合ってみることにしました。

 そして、この“2種類のカエル”を日本美術史の流れのなかで語っていただけるのは、京都国立博物館学芸部研究員の若杉準治さんしかないと思いました。若杉さんは、今年の春まで京都国立博物館の列品管理室長を務められ、絵巻の研究家としても活躍されています。さらに、なんとけろけろけろっぴグッズの蒐集家でもあるのです。

 そんななか、このチラシを下版した今日(2月16日)、読売新聞の朝刊1面を見てびっくり。鳥獣戯画に関する新事実が発見され、昨日、京都国立博物館が発表したという報道。4巻ある同絵巻のうちの丙巻が、もとは和紙10枚の表裏に描かれた絵で、1枚ずつの表裏を2枚にはがし、つなぎあわせて巻物にしていることがわかったのだそうです。

 京都 栂尾山高山寺に伝わる国宝「鳥獣人物戯画」は、現在、甲・乙・丙・丁の全4巻で見ることができます。ご覧いただいているチラシにも掲載しているカエルは、4巻のうち有名なシーンが多い甲巻に見られます。そして、カエル好きの人にとってはカエルが出てこない乙巻、丁巻はさらっと流して、カエルが人間の遊びに興じている様子が描かれている丙巻に目を留め、甲巻とはタッチもシーンもちがう(たぶん描いた人や描かれた時期もちがう)カエルたちを見て楽しむことができます。

 丙巻は、計20枚の和紙をつなぎ合わせた巻物で、前半10枚には人物が描かれていて、後半10枚にはカエルを含めた動物が描かれています。そのなかのまさにカエルが歩いている様子が描かれた19枚めに残る墨の跡が、2枚目に描かれた人物たちの烏帽子の位置と一致し、墨が裏にしみたものと確認されたそうです。

 紙を表裏にはがす手法は絵巻物では異例なのだとか。「江戸時代前期に鑑賞しやすいよう仕立て直したとみられ、現在の4巻になる以前の姿に迫る研究成果となる。」(読売新聞)。記者発表に臨んだのは若杉さんで、「丙巻は前半と後半で画題が一変するのが謎だったが、その理由がわかる成果。江戸時代以降、一覧できる絵巻物として人々を楽しませたのだろう」とコメント。

 「春のカエルトーク」イベントでは、この、カエルが関わる絵巻の研究成果についても伺えると思うので、カエル好きの方から絵巻に関心のある方までぜひご参加ください。

 「春のカエルトーク」

開催日:4月16日(土)13:30~17:00

場所:恩賜上野動物園

時間:13:30~ 見学会(両生爬虫類館)

    14:00~ トーク(動物園ホール)

定員:先着120名

入場無料(上野動物園の入園料がかかります)

【出演】

桑原一司(A-Ark日本代表)

若杉準治(京都国立博物館学芸部研究員)

けろけろけろっぴ(小林善則/株式会社サンリオ)

新倉典生(かえる文化研究所)

柳家我太楼(落語家)

高山ビッキ(カエルタイムズ編集長/司会)

共催:かえる文化研究所 公益法人 東京動物園協会 A-Ark

協力:京都 栂尾山高山寺 足立善立寺 株式会社サンリオ

企画:100年カエル館

お問い合わせ 03(3981)6985(ケーアンドケー)

100年カエル館・カエ~ル大学はこちらからhttp://kaeru-kan.com/kayale-u/

<関連サイト>

「コトバデフリカエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kotobadefurikaeru

「キモノ・二・キガエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kimonokigaeru

 

 

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Webカエ~ル大学開校フェアを記念して大願成就のカエル絵馬販売

Emasmall

 いよいよ明日からジュンク堂書店池袋店で「Webカエ~ル大学開校フェア」が始まります。まだまだ寒い日が続きますが、土の中のカエルたち、そして同ブログをご覧くださっている皆様も、2011年の春に向けて活動を開始していただければ幸いです。

 同フェアでは、そんな新年度への思いもふくらむ皆様のためにカエルの絵馬を販売します。藤本美千子さんによる手描きの絵馬(写真)です。

 Webカエ~ル大学は、ケロロジー的読書のすすめをしています。

 カエ~ル大学文学部からの読書のすすめ

 「カエルは、生物に関する本の中にだけ“生息”しているとは限らない。古今東西の物語や詩歌など文学作品の中にも、私たちはカエルを見つけることができる。カエルは自然描写のひとつとして現れたり、比喩表現として象徴的な意味をもっていたり、物語の中に擬人化したキャラクターとして登場することもある。草野心平、水上勉、清水義範、村上春樹、マーク・トウェイン、エドガー・アラン・ポー、ベアトリクス・ポター、・・・。いずれもカエルを自分の作品の中に登場させた文学者たち。あなたはどんな作品に描かれた、どんなカエルが好きですか?」

 カエ~ル大学芸術学部からの読書のすすめ

 「洋の東西を問わず、カエルを表現する芸術家は昔からけっこういるものである。カエルは美しく描かれていることもあれば、逆におどろおどろしい世界の中に紛れ込んでいる絵画もある。なかには、画家自身の存在をカエルに象徴させたのでは、と思える作品もある。美術史をひも解けば、古代の芸術から現代アートに至るまで、カエルは私たちに何かを訴えかけるように、絵画や立体の作品の中で息づいている。縄文土器、鳥獣戯画、北斎、若冲、暁斎、ピカソ、アンディ・ウォーホル等々、カエルで美術史を旅する読書も楽そうだ。」

 カエ~ル大学社会科学部からの読書のすすめ

 「世の中のしくみや人間の生き方を考える上でも、カエルはなかなかよい導き手になるようだ。あるエコノミストの本のタイトルから一人歩きした「茹で蛙」は、日本の社会・経済の現状に対して的確な警告を与えてくれる。また、あるビジネス書の言葉を借りれば、仕事で確実な成果を上げるには、「カエルを食べてしまうこと」が早道なのだとか。人生の道に迷ったら、書物の中にカエルを探そう。人間よりもずっとずっと長くこの地球で生きてきたカエルは、あなたを大願成就へと導くすぐれたコンサルタントかもしれない。」

 

 

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Webカエ~ル大学開校フェア(ジュンク堂書店池袋店にて)

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 2011年に入り、広島ではA-Arkワークショップが開かれるなど、何かと動きのあるカエルと人間をめぐる世界。私もカエルタイムズの取材で2日間参加させていただいた。A-Arkが選定する絶滅危惧種かどうか決めるにあたり、実際の生息地で起こっていることとデータの分析がせめぎあう一瞬もあって、とても好奇心かきたてられる会議だった。詳しくはカエルタイムズ13号で報告いたしますので、しばらくお待ちください。

 そして2月、私たちは間もなくWebカエ~ル大学を立ち上げます。私たちがこれまでも提唱している「ケロロジー」的なものの見方をWeb上で楽しんでいただくサイトです。その開校を記念してジュンク堂書店池袋店7階理工書フロアで、カエルなど両生類に関する書籍とカエルグッズを販売するフェアを2月11日(金)から3月10日(木)まで開催します。

 カエルは、詩や俳句、小説など文学部的に味わうこともできれば、鳥獣戯画をはじめ古今東西の美術作品とカエルの関係を芸術学部的に研究することもできます。さらに政治経済学部的には、「カエルを食べてしまえ」という発想の本や「茹でガエル」をタイトルに入れた本も気になるところ。そしてもちろん、理工書フロアなので、生物学や環境学、サイエンス全体の本の中には必ずカエルが“生息”しています。

※Webカエ~ル大学の正式な立ち上がりは2月の末ぐらいを予定しております。100年カエル館のHP http://kaeru-kan.com にときどきお立ち寄りください。

 

 

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