“蛙賢人”からの贈り物と児雷也
“カエルの世界”に携わって、カエルと関わるさまざまな人々と出会うなかで“蛙賢人”と呼ぶべき人にいろいろな教えを受けることがある。私にとってはファンタジーや夢判断でいうところの老賢人のような存在で、有形無形の貴重な“贈り物”をいただいている。
演劇研究家の河竹登志夫さんは、江戸から明治にかけて活躍した戯作者の河竹黙阿弥の曾孫で、カエルグッズの収集家でもある。カエルタイムズをお送りすると、お葉書をいただく。カエルタイムズ12号の文化面には江戸・明治にその名を知られた絵師、柴田是真のヒキガエルの絵を載せているが、河竹さんは黙阿弥と是真に親交があったことも書き添えてくださった。
河竹黙阿弥といえば、カエル好きにとっては蝦蟇(ガマ)の妖術を使う児雷也(じらいや)が登場する歌舞伎『児雷也豪傑譚話』の作者としての印象が強い。黙阿弥、是真、そしてやはり同時代を生きてカエルの絵を数多く描いた絵師河鍋暁斎に江戸・東京での交流があったとすると、三者の間でカエルの話も交わされたのではないかと想像がふくらむ。
写真は河鍋暁斎記念美術館が運営するかえる友の会の原田尚信さんからいただいた児雷也である。原田さんからも数え切れないほど多くの“カエルの智恵”を授けていただいた。
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