秋のカエル文化シンポジウムが終わりました
このブログでも告知していた秋のカエル文化シンポジウム「月とカエルと女性」は、予定どおり10月19日に善立寺ホールにて行われた。
3月に開催したカエル信仰シンポジウムの後、足立・善立寺はかえる文化研究所を設立。住職の新倉典生氏が所長に就任した。私たち、100年カエル館姉妹も研究員として参加している。今回のシンポジウムはその第一回目の企画であり、私はカエルタイムズ編集長として司会を務めた。
シンポジウムは前半と後半に分け、前半はまず、中国神話研究家の百田弥栄子先生(中日文化研究所教授)に「中国のカエル文化」についてお話いただき、考古学者の前園実知雄先生には、春のシンポジウムに引き続き考古学的視点で古代のカエルの遺物についてご講演いただいた。
休憩時間には参加者の皆さんに仲秋節にちなんで月餅とお茶をご用意。1人で参加されている方が多かったが、「カエル」というテーマを共有しているだけで“水くさい連帯感”が生まれ、和やかな時間が流れていた。
そしてシンポジウムは後半に。今回は漫画家でカエルグッズコレクターでもある柴田亜美先生をお招きし、コレクションのことや漫画作品に描かれているカエルについて語っていただいた。パネルディスカッションは、前回からの課題でもあった「“日本の月”にはどうしてカエルがいなくなってしまったのか」やカエル神話の世界への広がり、女性にとっての月とカエルなどについて語り合ったが、もちろん、まだまだまとまった見解が見えてくることはない「カエル文化」というテーマ。今後にto be continued.
さて、今回、柳家我太楼師匠はシンポジウムの「まくら」という、新たなジャンル(?)で会場の雰囲気をやわらげてくださった。そして最後の質疑応答では、師匠が会場の参加者の方に逆質問するかたちで盛り上げた。参加者のなかには、柴田さんのファンでかつカエル好きという岡山の女性やヒメアマガエルを飼っているという女性、カエル文化に興味があるという女性など、テーマがテーマだけに女性が多いなか、前回も参加してくださった青果店経営の86歳のカエルグッズコレクターの男性は、独自の“カエル論”を展開した。
参加者の数は決して多いとはいえなかったが、前回、今回と感じるのは「カエル」をテーマとすることで不思議な一体感に包まれることだ。たぶん、カエル以外の内容だったら司会などできない私も、その雰囲気にずいぶんと助けられた。
お帰りには「かえる文化研究所」の創設を記念してつくられたカエルアート・マグカップが参加者の皆さんにプレゼントされた。
今回ご参加くださった皆さんをはじめ、かえる文化研究所を応援してくださっている皆さんに心から感謝申し上げます。
※このシンポジウムの内容はカエルタイムズ13号に詳しく紹介しますのでお楽しみに。
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