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2010年9月

お笑い番組と三足のガエル、そしてカエルタイムズ

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 テレビを見ていてもひょんなところで「カエル」を発見して歓喜することがある。最近はフジテレビの毎週水曜日深夜に放送している志村けんさんのお笑い番組「志村軒」を見ていてそんなことが・・・。この番組は、志村けんさんが店主を演じるラーメン店を舞台にコントが繰り広げられるが、窓辺にこけし、そして招き猫と、民芸品や縁起物が並ぶなかにカエルの置物もあった。それが一般的にも知られている信楽焼のカエルならあまり驚かないが、中国の三足のカエルの置物(画像は100年カエル館のコレクションの一部だが、一番後ろの列の左の方で正面を向いているカエルと同種のカエル)だったので、制作スタッフの方のなかになかなかのカエル好きがいるのではないかと思った。

 昨日は、日曜日のお昼に日本テレビで放送されているバラエティ番組「スクール革命」で、「カエルタイムズ」も紹介された。住みたい街人気ナンバー1の吉祥寺について、いま大ブレイク中のお笑いコンビ、ピースがその魅力を取材する企画で、“吉祥寺でカエルといったらこのお店”CAVEに二人が立ち寄った。そして吉祥寺に住みこの地を愛して止まないという"又吉くん"が手に取ってくれたのが「カエルタイムズ」。紙面のなかでも京都本能寺の広告に目が留まり、私たちが同寺から許可を得て「カエルは本能寺にあり」と付けたキャッチコピーに反応してくれた。「敵にしちゃってどうするんですかね。」という鋭いツッコミも。「まあ、本能寺には広告に載せた写真のような、信長ゆかりのカエルの香炉(やはり三足のカエル)があるよということで軽く流していただきたく・・・」。

 その夜、ピースのお二人が「おしゃれ」(日本テレビ)に出演しているのを見たが、又吉さんは本当に普段、吉祥寺を鬱屈とした明治の文豪のような格好で歩いているようだった。そして、その部屋を見るとなかなかの読書家のようだ。ところで、プロフィールを調べると又吉さんの誕生日は6月2日だった。これは織田信長と同じ。「敵にしてどうする?」は信長様の言葉だったのかと改めて驚いた。

 

 

 

   

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ヴァナキュラー建築とカリフォルニアのオオヒキガエル

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  目黒のアンティークショップで見つけた一冊の写真集。表紙にはカエルの形の建築物がドーンと映っている。よく見るとそれは「TOED INN」という名前のドライブインで、1930年代にアメリカのサンタモニカに本当に建てられたもののようだ。TOEDとなっているが、TOAD(ヒキガエル)のことだろう。

 写真集のタイトルは「カリフォルニア クレージー/ロードサイド ヴァナキュラー アーキテクチャー」。掲載されている建物はカエルのほかに、イヌや恐竜、ブタ、フクロウなどの動物、アイスクリームやドーナツ、ホッとドックなどそのお店が販売しているものをそのままデザインしたような建築、さらに乗り物や食器や楽器などの形態のものもある。

 20世紀初頭のカリフォルニアのロードサイドにはまさにハリウッド映画さながらの建造物がドライバーの目に飛び込んでいたのかと思うと壮観である。(現在どうなっているかを比較して語れないのは残念だが・・・。)

 そしてサブタイトルに使われている「ヴァナキュラー」という言葉は、建築用語で「土着的な、風土に根ざした」という意味がある。他の土地だったら奇妙に受け取られかねない建築群が、20世紀初頭のカリフォルニアでは風土に根ざしたものだったということか。ヴァナキュラーは、文化論としては80年代にポストモダンが語られたときに注目された言葉だが、ここへ来て再び議論されている。

 深くを論じる知識はないが、そんなヴァナキュラー建築の歴史にカエルの建物があることは誇らしいことだ。このような大胆なデザインの建物がたくさん作られた理由は、オーナーたちが建物自体に宣伝効果を期待したからのようだ。その最盛期はTOED INNもつくられた1925~1934年だったそうだ。

 この写真集は1970年頃に出版されているが、数ある掲載写真のなかでも「カエル」が表紙に使われていて、それが21世紀の今骨董店から発掘されることはヴァナキュラー論においても意味があることだと思いたい。

100年カエル館・カエ~ル大学へはこちらからhttp://kaeru-kan.com/kayale-u/

<関連サイト>

「コトバデフリカエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kotobadefurikaeru

「キモノ・二・キガエル」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/kimonokigaeru

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カエルも妖怪も記録的な猛暑の夏をどう乗り切っただろうか

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 朝の連ドラ「ゲゲゲの女房」は間もなく終了するが、妖怪の漫画で知られる水木しげるさんと奥さんの生き方が苦労を乗り越えてきたのにしみじみと可笑しく、毎日観ることでじんわりと力をもらったような気がした。

 先週の放送分でこんなシーンがあった。長く人気漫画家として突っ走ってきた水木さんだが、仕事が減りスランプに陥る。そんな時に子どもたちに妖怪の話をする依頼を受けて行った川原で、小豆洗いという妖怪に出会う。そして「最近は住みにくくなった」と嘆く妖怪のために「妖怪事典」を描き始める。

 この妖怪事典シリーズのひとつに「中国妖怪事典」があり、そのなかにカエルの妖怪も描かれていてカエルタイムズ8号(2006年7月発行)の妖怪特集に画像をお借りして紹介させていただいたことがある。

 「玄陰池の蛙」という話で、石憲(せきけん)という名の商人が旅の途中、蛙に化かされた話だ。今年のような猛暑だったのかもしれない。日射病にかかったのか気分が悪くなって大きな樹の下で休んでいる石憲に、褐色の衣を着た僧侶が自分の庵で休まないかと声をかける。連れて行かれたのが「玄陰池」という大きな池。そこではたくさんの僧侶が水浴びをしている。しかし、その様子を見て石憲はゾッとする。僧侶の顔が皆同じなのだ。あわてて逃げようとする石憲だが、池の中から伸びた手で水の中に引きずりこまれる。気づいたときは元の大樹の下。でも確かに全身びしょぬれになっていた。翌日、もう一度その池に行ってみるとたくさんの蛙が泳いでいる。そのなかには一匹の大きな褐色の蛙もいた。

 今回ここで紹介した写真は、蛙にやはり妖怪的なものを感じるというアーティスト相場るい児さんの陶製のカエルアート作品。「じっと考えているような存在感、ヌメヌメした皮膚感、手足を縮めて丸まる造形感のすべてが妖怪的」だという。

 相場さんは今週土曜日(11日)まで福岡市にある「GALLERYやすむら」でウサギをテーマに、カエルアート作品でもおなじみのオブジェ作家細見博子さん、ウサギが創り出す世界観に魅入られた彫刻家堀澤大吉さんとともに3人展を開催中です。お問い合わせ:092-531-8803(GALLERYやすむら)

 アーティストの創作意欲を駆り立てる、カエルとウサギ。月にすんでいるのは果たしてどっちか。この秋、足立善立寺で開催するシンポジウムのなかでも議論が盛り上がりそうです。

 

  

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