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2010年5月

宇宙とカエル、そしてカエルタイムズ

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この春、足立善立寺で行った“カエル信仰”についてのシンポジウムでは、月と「カエル」の関係が、今後さらに議論されるべきテーマとして浮かび上がった。

 そこにはジョウガという、不老長寿の桃の実を夫から盗んで月に逃げ、その罰としてヒキガエルにさせられた女性が登場する。ジョウガは、日本人にはあまり馴染みがないかもしれないが、数年前打ち上げられた中国初の月探査衛星の名前に使用されているくらいだから、本国では知られた存在なのだろう。

 「カエル」に導かれていろいろな世界を覗いてみると、古代と現代の間の時間軸がとんでもなく短くなって、古代さえすぐ近くにあるような気がしてしまうことがある。この前のシンポジウムのパネリストのひとり、声優の渡辺久美子さんが声を担当するケロロ軍曹は、カエル型宇宙人。そういえばその姿は、6世紀頃の装飾古墳の内壁に描かれた、幾何学的な形と大胆な色使いが特徴の絵柄から抜け出てきたような・・・、といってもおかしくない。

 宇宙といえば、最近は日本人宇宙飛行士の活躍も目覚ましいが、そのミッションのなかでオタマジャクシやカエルが“同行”し、宇宙実験に“協力”することもよくあるようだ。そんなカエルのうちの1匹が、宇宙に取り残されたとする。地球上で1億年以上もさまざまな環境変化に適応しながら進化してきたカエルのこと、宇宙空間でも適応し、ケロロ軍曹のような存在が誕生するのはあながちありえないことではない。

 妄想はそこで止まらない。この前、TBS「飛び出せ!科学くん」を見ていたら、無重力状態でカエルがどんな行動をとるか実験していて、名古屋大学の福井康雄教授がコメントしていた。福井教授とは面識はないが、カエルタイムズ(第5号2006年1月発行)に寄稿していただいたことがある。

 天文学者として、星になる前のガス塊を研究していた福井教授は、10光年の長さのひも状にのびたガスの中にたくさんの「星の卵」を見つけ、それを記者発表のときに専門外の人にもわかりやすいようにと「カエルの卵」にたとえた。

 教授はカエルタイムズ紙上でこう書いている。「いくつかの新聞でこの表現が採用されて、宇宙と『かえる』の間に思いがけないつながりができた。しかし、これが縁でこの原稿を書くはめになるとは、10年年前にはまったく予想できなかった。しかも、滞在中のドイツのハイデルベルグまで原稿の催促がくるとは・・・。」

 「カエル」の世界を愛する者として、その発見は「宇宙の起源はカエルの卵である」といわれたほどの衝撃があり、何が何でも書いていただきたかったのです。

(写真)

最近見つけたアメリカ企画のカエルの置物。宇宙空間でこんなカエルがいたら、昨年他界した父かもしれない、と思えて・・・。

<カエルタイムズからのお知らせ>

カエルタイムズ12号は現在ゆっくりとした進行ながら6月中旬には発行すべく順調に編集が進んでいます。諸事情ございまして12号からは値上げさせていただき、1部315円で販売しますことをお断り申し上げます。

100年カエル館 http://kaeru-kan.com

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うすい百貨店で渡辺弥七さんの「蛙文字」展始まりました

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 誰にとってもあるかもしれない、心の百貨店。福島県出身者にとって「うすい百貨店」がそれだ。子どもの頃にそこに行くことが夢だった百貨店。

 カエラーフレンドというカエルのキャラクターグッズを通してお付き合いいただいている、人形の久月の担当者の方からうすい百貨店でのカエルグッズフェアのお話をいただき、私たちがそこでぜひ実現してみたいと思ったのが、福島県三春町で「蛙文字」を書き続けている渡辺弥七さんの作品の展示イベントだった。カエルを通して出会った渡辺さんと私たち100年カエル館が、うすい百貨店でカエルのイベントを行うということはまさに夢のような話なのだ。

 6日(木)に展示作業を行った。渡辺さんは二人のお嬢さんと一緒に「蛙文字」の展示品や販売品を持っていらっしゃった。私たちも姉妹。不思議なチームワークで作業は進んだ。

 日本三大桜で知られる三春町の滝桜のすぐ近くに工房を構える渡辺さんは自ら生み出した「蛙文字」をかき(描きそして書き)続けて40年。ひとつの文字がおおよそ画数分のカエルの絵で構成され、渡辺さん自身が読んだり耳にしたりして心に響いた詩文や手紙文、歌詞などさまざまな言葉の数々にカエルが踊る。般若心経(262文字)の一文字一文字をマッチ箱に書いた展示もある。ジグソーパズルのようにバラバラにして再現すればカエルに導かれて般若心経を唱えたような気持ちになる。ほかに、文字ではなく、三春に伝わる祭りや故事をカエルで表現した絵画作品もご覧いただける。

 この展示は、うすい百貨店の9階歳時記コーナーですでに4月26日から始まっている「かえるの館フェア」の一環で、5月25日(火)まで行われる。ここに掲載した写真のように、人気のピクルス・ザ・フロッグをはじめかわいいカエルグッズの販売とともにお楽しみいただける。5月16日(日)は、渡辺さんによる実演販売も行われるので、梅雨入り間近、カエルが気になる季節に、ぜひ遊びに来て下さい。

100年カエル館/カエ~ル大学はこちらから http://kaeru-kan.com/kayale-u/

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林家正楽師匠の紙切りによる「カエル好きの姉妹」

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「春のカエル遊び梵蛙精舎によみがえる」というテーマで展開した、足立善立寺でのカエルのイベントはお蔭をもちまして4月18日の第13回・善立寺寄席をラストに終了することができました。約ひと月半の開催期間中、「カエル文化」を切り口にしたシンポジウムを実現することもでき、来場してくださったお客様をはじめ多くの方々とカエルについてお話することができたことに心から感謝申し上げます。

 最終日に行われた善立寺寄席は、同寺が「初代紙切り正楽」の菩提寺ということで、命日の4月15日頃に毎年行われている。この日は落語好きのお客様のなかにちらほらカエル好きらしい来場者の姿も見られホールは満席となった。冒頭、ご住職の新倉典生氏からの挨拶があり、大衆芸能である落語も、今回の「カエル民芸」の展示も、形態はちがっても未来へと伝えていきたい文化であると語られた。

 寄席は若手落語家の春風亭朝呂久さんの一席から始まり、柳家我太楼師匠はシンポジウムの時に引き続き、「がまの油」を披露。師匠は今回のイベントで「カエル好き」という人々の存在を知ってカルチャー・ショックに近いものを感じられたようで、まくらではカエルではなくカエル好きの“生態”について面白おかしく語った。皆さんの素晴らしい話芸や曲芸からカエルをポイントに紹介させていただくと、曲独楽の三増紋之助師匠は寄席のリハーサルが始まる前に、「郷土玩具のカエル」の展示にいたく興味を持たれていたが、なんとそこに展示した江戸独楽と師匠の独楽は同じ制作者、木地玩具の名人広井政昭氏によるものだった。

 そしていよいよ三代目紙切り正楽、林家正楽師匠の芸が始まる。早速カエルの紙切りを披露してくれた。その他、会場からのリクエストを受けて何でも即興で表現してしまう師匠は、ハサミ片手に体をくねらせ独特の動きをしながら、求められたお題を形に切っていく。最近は紙をもつと自然に体が動く職業病か、新聞もじっとしていては読めない(?!)という師匠。トリを務めた五明樓玉の輔師匠の落語には、演目の内容とは関係なく「カエル顔の女」が登場した。そして、いただきました。林家正楽師匠から「カエル好きの姉妹」の紙切り作品(画像)を。だまし絵のようなお洒落な作品。私たちの少女時代(?!) いまも「カエル」への夢を抱き続けている点は同じである。

※100年カエル館/カエ~ル大学はこちらから http://kaeru-kan.com/kayale-u/

 

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