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何でも食べちゃうカエルは、あなたの王子さまかも。

170150_4  カエルの魅力は、かわいい・・・、だけじゃない。人によっては「嫌い!」と言ってはばからないように、何を考えているかわからない、とか、不気味だ、とか言われることもある。以前は、そういう人の方が多数派だったような印象もある。でも、最近は、不気味だけどかわいい、“ブキュート”さが好きという人も多いらしく、時代によって美意識は変わっていくようだ。

 今回紹介する絵本『かえるごようじん』に登場するカエルは、まさに何を考えているかわからない。うっかり油断しようものなら・・・? 何でも食べちゃう。そんなバイオレンスともいえるカエルの行動が描かれたお話は、サイケでポップな色使いのイラストレーションと独特の擬音語を駆使した言葉使いで、パンク・ロックのビートにでも乗るように読み進めることができる。

 さすがはロンドン生まれのクリエイターの手による絵本である。作者ウィリアム・ビーは、日本では英国のファッション・ブランド、ポール・スミスのメイン・イラストレーターとして活躍している。また、ヴィンテージ・スポーツカーのレーサー、国際的なスキーヤーとしても有名だそうだが、この絵本からもそのスピード感覚のようなものが伝わる。

 「カエルにキスをすると・・・」という西洋の童話で語り継がれるモチーフを活かしつつ、決して王子さまは現れない。でも、現実のモヤモヤを抱えたとき、この絵本を開いて最終ページまでめくれば、カエルがあなたのストレスをきれいに平らげてくれるだろう。

『かえるごようじん』(セーラー出版・1500円)

ウィリアム・ビー/ロンドン生まれ。『だから?』で2005年度イギリスBCCBブルーリボン絵本賞を受賞。現在はイギリスの田舎暮らし。『だから?』も『かえるごようじん』も翻訳は田中尚人。

写真協力:セーラー出版

100年カエル館 http://kaeru-kan.com

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