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空からオタマジャクシが降って来た事件の真相

Photo_2 <2009年をふりかえる 

オタマジャクシ落下事件>

 今年もメディアでは1年をふりかえる

企画が目につくようになったが、

そのなかでも各地から報告された、

オタマジャクシが空から降って来た

という現象は、カエルに関心がある

なしを問わず、気になる事件だったようだ。

この件に関して、カエルタイムズでは

元平塚市博物館館長で、現在、神奈川大学

教授の浜口哲一氏に原稿をいただいた。

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[鳥とカエル]

■カエルを食べる鳥

 私はカエルも大好きですが、古くからの

バードウォッチャーでもあります。鳥の

立場から見ると、カエル好きの方には

少々言いにくいところですが、カエルは

絶好の食べ物と言うことになります。

鳥がカエルを食べているシーンも何度か

出会いましたが、いちばん印象に残って

いるのは、ムクドリにくわえられた

アマガエルが懸命に抵抗しているようす

でした。そのカエルは、くちばしにはさまれ

たまま、体を思いっきりふくらませ、何とか

飲み込まれまいとしていました。それは、

まるでふくれたフグのように見えました。

 さて、私が所属している日本野鳥の会

神奈川支部では、長年にわたって会員

の観察記録を収集し、データベースとして

整理しています。その資料によると、

カエルを食べる鳥として、アオサギ・チュウ

サギ・アマサギ・コサギ・ササゴイ・ヨシゴイ・

カルガモ・バン・ホウロクシギ・コシャクシギ・

チュウシャクシギ・ユリカモメ・サシバ・ノスリ・

トビ・チュウゲンボウ・カワセミ・ヤマセミ・アカ

ショウビン・モズ・ハッカチョウ・ハシボソガラス・

ハシブトガラスという23種もの鳥があがって

います。サギ類のような水鳥だけでなく、

サシバのような猛禽類や、モズのような小鳥も

餌としてカエルを利用しているのです。

■オタマジャクシを食べる鳥

 それでは、オタマジャクシも鳥によって利用

されているでしょうか。同じデータベースを

開いてみると、はっきりとオタマジャクシを食べ

たことが確認されている14例の観察記録が

あることが分かりました。鳥の種類としては、

カイツブリ・チュウサギ・アマサギ・コサギ・

タシギ・コアジサシ・カワセミ・ハシボソガラスの

8種類があがっています。成体に比べれば

少ないものの、意外に多くの鳥がオタマジャクシ

も利用しているのです。

 鳥とオタマジャクシと言えば、最近話題になった

謎の落下事件が思い出されます。竜巻説、人間

による悪戯説などもあったようですが、最終的には

鳥犯人説が有力になっているようです。私も、捕え

られたオタマジャクシを喉にためて巣に運んでいく

途中の親鳥が、何かに驚いて吐き出した可能性が

高いと考えています。鳥の種類としては、サギ類か

カラス類のどちらかでしょうが、現地でもう少し観察

すれば、証拠をつかむことができるのではないかと

思えます。

 また、こうしたことを考えていく上でも、ふだんから

どんな鳥が何をしていたかという行動記録を積み重

ねていくことが大事だと改めて感じました。

(浜口哲一/神奈川大学理学部生物科学科教授)

参考文献/日本野鳥の会神奈川支部,2007.

『神奈川の鳥2001‐05』

※尚、画像はスコットランドの工芸品によるトリと

カエル(100年カエル館所蔵)

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