「スキスキ大スキ!カエル展」をふりかえる
今年は夏の3ヶ月間、相模原市立博物
館の学芸員秋山幸也さんから声をかけて
いただき、企画展「スキスキ大スキ!
カエル展」で100年カエル館のカエルグッ
ズも展示させていただいた。
が、何といっても主役はアフリカウシガエ
ルやベルツノガエル、マルメタピオカガエル
などの海外の人気者ガエルや、相模原に
棲息するアズマヒキガエル、シュレーゲル
アオガエル、アマガエル、カジカガエルなど
日本のカエルたちだった。
水槽の中のカエルたちが、人々の意表を
ついて鳴いたり、ある意味人間くさい表情で
ガサゴソ動いたりするだけで、企画展の中心
が彼らであることがわかった。
そのカエルたちを普段飼育したり、野外
のどこにいるかを熟知して同展に連れてき
てくれたのがカメラマンの松橋利光さん。
そして得意のキュートなカエルたちの写真は
女子美の学生さんたちとのコラボで、まさに
カエル好きにはたまらない、不思議でカワイイ
空間を演出していた。
そんな松橋さんに同展に込めた想いを書い
ていただいた。
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[「スキスキ大スキ!カエル展」開催への想い]
昨年は「国際カエル年」だったこともあり、
多くのカエル展が開催されたが、当然その多く
がカエルの生態展やカエルをシンボルとして
環境問題を問う、王道的な展示だった。
しかしこの「スキスキ大スキ!カエル展」は
ちょっと違う。カエル好きがカエルの魅力を伝え
るために考え、子どもから大人まで多くのカエル
好きが参加した自由な発想の展示だ。
私は子どもの頃からカエルが好きで、いつも
「かえるといっしょ」だった。ずっとカエルといたの
でカエルのどこか好きで、どう魅力的なのかうまく
言葉にできないほどである。
しかし、いまだに一般的にカエルは気持ち悪い
生き物に分類されることも多く、カメラマンとして
活動を始めた13年前には、カエルだけの本や
展示を構成するのは難しい状況だった。当時は
カエルだけの本というのは非常に少なく、まして
やカエルのかわいさや魅力を伝えようとする本は
一冊もなかった。
真のカエル好きとしてはあまりにもさびしい・・・、
そんなカエルへの一途な思いで誕生したのが
私流の白バック写真。図鑑用の物撮り的な白
バックではなく、あくまでも無駄を排除して、カエル
の自然な振る舞いや、表情だけをフィーチャー
した撮影方法だ。
この「イラストのような写真」を撮り始めたことで、
数多くの絵本やカレンダーなど、カエルが主役の
作品を生み出すことができた。その結果、カエル
に興味のない人にもその姿を見てもらえる機会が
増え、少しはカエルの魅力を世に広められたので
ははいかと自負している。
今回の展示ではその白バック写真を活かし、
カエル百面相、ポスターチラシ、自然ガイド、講演
会、生体展示も担当した。生体展示ではレイアウト
や解説の写真はもちろん「ベルツノガエル」など、
私のペットたちも展示した。
長年カエルを愛し、撮影を続けてきた。そんな私
のカエルへの思いが、ふるさと相模原の博物館で
多くのカエルを愛する人たちの作品と融合した。
そんなとても思い出に残る展示だった。
(松橋利光)
(写真は相模原市立博物館発行
による同展関連書籍の表紙。
松橋さんのカエルの写真が楽しめ、
編集は100年カエル館(ケーアンド
ケー)が担当した。)
●100年カエル館HPはhttp://kaeru-kan.com
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