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木のカエルが導く世界

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  今年8月に学芸員研修を受けた、

会津若松にある福島県立博物館を

このシルバーウイークに再び訪れた。

 同館の専門学芸員の佐々木長生

氏に福島県の民俗とカエルについて

お話を伺うためだ。日頃、カエルの

ことを考えられることはほとんどない

にも関わらず、こちらの無理なお願い

にいろいろと文献資料を出してくださった。

 佐々木さんは平成19年に福島県立

博物館と鹿児島県歴史資料センター

黎明館との共同企画による展示「樹と

竹ー列島の文化、北から南からー」で

「北の日本」の樹の文化を担当し、高い

評価を受けている。

 残念ながら私は観ていないのだが、

月刊誌『博物館研究』に掲載されたその

企画展の報告文を読ませていただき、

改めてその企画テーマに心躍るものが

あった。

 南北に長い日本列島は、地域によって

植生も木で作られる生活道具も微妙に

ちがっている。さらにその木の文化は、

日本を越えて東北アジアや東南アジアに

つながっているというダイナミズムがある。

 そして、100年カエル館においても、

日本が育んでいる木の文化がカエルの物

づくりにも表れていることに気づいた。日本の

各地の伝統工芸のカエルに木の素材感が

生かされたもののなんと多いことか。

 北海道の樫やエンジュ、喜多方の桐、

日光の杉、筑波の欅(ケヤキ)、飛騨高山の

櫟(イチイ)、鹿児島の柘植(ツゲ)、その他、

竹製品や蔓(ツル)で編んだもの、また塗料を

使ったものではコケシや蒔絵、江戸独楽もある。

 さらに木のカエルは、バリ島(インドネシア)や

タイのウッドカービング、インドの工芸品、ベトナム

の楽器、ロシアのマトリョーシカなどにも見られる。

それに対して、欧米のカエルの物では、子どもの

ための木のおもちゃが少しあるくらいで、置物や

装飾品、生活雑貨などへの広がりは感じられない。

 ざっと見回しての大雑把な感想だが、日本やアジア

の人々と木の関わりの深さが、木のカエルを通して

も感じることができる。

  

 

 

 

 

 

 

 

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