カエルは言葉の生き物 1
つねづね感じていることに、カエルは
言葉の生き物だということがある。
カエルが縁起物として扱われる理由も
縁起のいい言葉の語呂合わせに適して
いるからだろう。そこで100年カエル館
がミュージアムグッズとして制作し、販売
しているのが写真のカエルのお守りカード。
今日は、100年カエル館オープン当初、
「カエルからのお知らせVol.2」として配布
したフライヤーに書いたコラムをご紹介する。
【日本人とカエル】
日本人とカエルのつきあいは長い。そもそも
あの生き物の蛙が、人間によって「カエル」と
呼ばれるようになったのは、冬眠のために地上
から姿を消す蛙が、春になると再び姿を現す、
つまり「ヨミガエル」からだという説がある。
そのカエルが後世語呂合わせに多用される
運命をたどったのは、その命名に始まっていた
のかもしれない。
日本におけるカエルのモノの歴史も古い。
縄文土器の絵柄にも施されているし、弥生時代
につくられたとされる最古の絵入り銅剣にも
カエルの絵が見られる。
日本に限らず稲作地帯の多いアジアでは、
カエルは恵みの雨を降らせる水霊として崇めら
れてきた歴史があり、今もカエルグッズの宝庫
である。
私たちが何気なく口にする「~かえる」。ふと
気づくと目にすることがあるカエルの絵柄や
造形物。それはあまりにも身近だった日本人と
カエルの関係を物語るものだ。江戸時代になる
とカエルは花鳥画のなかに描かれた。
今では広告やCMでカエルのヴィジュアルや
語呂合わせのカエルを使ったコピーを目にする
ことも多い。それも古代の日本人が仕事の道具
にふとカエルの絵柄を入れた時と、同じDNAの
なせる業だといったら言いすぎだろうか。
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