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2009年8月

カエルは言葉の生き物 1

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つねづね感じていることに、カエルは

言葉の生き物だということがある。

カエルが縁起物として扱われる理由も

縁起のいい言葉の語呂合わせに適して

いるからだろう。そこで100年カエル館

がミュージアムグッズとして制作し、販売

しているのが写真のカエルのお守りカード。

 今日は、100年カエル館オープン当初、

「カエルからのお知らせVol.2」として配布

したフライヤーに書いたコラムをご紹介する。

【日本人とカエル】

 日本人とカエルのつきあいは長い。そもそも

あの生き物の蛙が、人間によって「カエル」と

呼ばれるようになったのは、冬眠のために地上

から姿を消す蛙が、春になると再び姿を現す、

つまり「ヨミガエル」からだという説がある。

 そのカエルが後世語呂合わせに多用される

運命をたどったのは、その命名に始まっていた

のかもしれない。

 日本におけるカエルのモノの歴史も古い。

縄文土器の絵柄にも施されているし、弥生時代

につくられたとされる最古の絵入り銅剣にも

カエルの絵が見られる。

 日本に限らず稲作地帯の多いアジアでは、

カエルは恵みの雨を降らせる水霊として崇めら

れてきた歴史があり、今もカエルグッズの宝庫

である。

 私たちが何気なく口にする「~かえる」。ふと

気づくと目にすることがあるカエルの絵柄や

造形物。それはあまりにも身近だった日本人と

カエルの関係を物語るものだ。江戸時代になる

とカエルは花鳥画のなかに描かれた。

 今では広告やCMでカエルのヴィジュアルや

語呂合わせのカエルを使ったコピーを目にする

ことも多い。それも古代の日本人が仕事の道具

にふとカエルの絵柄を入れた時と、同じDNAの

なせる業だといったら言いすぎだろうか。

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鶴ヶ城とカエル

100_1993

   

 先週の木曜日、学芸員研修を

受けるために会津若松にある

福島県立博物館に行った。

同博物館は鶴ヶ城(写真)の前にある。

9時20分の受付までに時間があった

のでお城の公園内を散歩する。

高校時代の三年間、喜多方から通っていた

ので決して初めて見るものではないのに、

久しぶりに目にして気づいたことがあった。           

「そうか、このお城は会津の人間にとって

父親のようなものだったんだ」と、今年、

父親を亡くして改めて思った。お城が燃えて

いると勘違いして絶望した白虎隊の少年

たちの気持が我がことのように感じられた。

 研修ではいろいろな体験学習をさせてもらった。

アンモナイトや三葉虫、恐竜のウンチなどの化石

に触ったり、キリモミなどの道具を使って摩擦式で

火を起こしたり、会津の民具づくりに欠かせない

こも編みや糸つむぎを体験したり、また、米俵や

火縄銃に触れたり、掛け軸や花器の親しみ方・

扱い方を教えていただいた。

 この県立博物館ができたのは、私が東京で

生活するようになってからなので、足を運んだ

のは初めてだった。今回、自然、考古、民俗、

歴史、美術と多岐にわたり、それぞれの専門

分野の学芸員の方々からご指導をいただいて、

皆さん各分野に通じる雰囲気を備えていらっしゃ

ることに日頃の研鑽のほどが伝わった。私の

場合、「カエル学」を伝えていく者としての雰囲気

というのがどんなものかわからないが、とにかく

がんばっていきたい。

 かの司馬遼太郎氏も書いていたが、会津藩の

学問に対する求道精神はとても高かったと聞く。

研修が始まる前に鶴ヶ城を見たこともあり、

研修中、一瞬、会津藩校日新館に通う会津藩士

の子息のような気持ちになった。

 因みに幕末・戊辰戦争時の家老西郷頼母邸を

復元した会津武家屋敷には石造のカエルがいる。

これは昭和62年に姉妹施設として日新館を復元

したときに中国から贈られたものだそうだ。

 会津にカエル旅の際にはぜひ会いに行って

ください。

 

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自然のカエルと文化のカエル

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ジュンク堂書店池袋本店の7F理工書

フロアで開催した、100年カエル館に

よるカエルフェア「カエルグッズはカエル

の子」はおかげさまで好評のうちに終了

することができた。ありがとうございました。

 写真はそのカエルフェアの様子。Gケー

スの中にカエルグッズのなかでも自然に

生息するカエルの生態をできるだけ再現しよう

として作られたものを50点ほど展示した。

本当に忠実に再現ということであれば、

フィギュアのほうがいいのだろうけど、ここ

ではカエルが歩いている姿のブローチや

舌を伸ばしている姿のセロテープ台、木を

模したボールペンに登ったアカメアマガエル、

そして子を背負ったカエルは産卵期のカエル

として展示した。泳いでいるカエルは前足を

前に突き出していて、とても正しいカエルの

生態学とはいえないのだが、擬人化したカエル

とはまたちがう、作り手がカエルを通して自然

を生活に取り入れようとした気持ちが伝わる

カエルグッズの数々を見ていただいた。

 今年はあまり夏らしい夏とはいえなかったが、

お盆休みも終わり、暑さのなかにも秋の気配が

感じられるようになった。そういえば、

100年カエル館のホームページのカエルインフォ

からも、ひとつ、またひとつとカエルのイベントが

終了し、たぶん自然界にいるカエルたちも夏の

終わりを意識しているにちがいない。

 カエルと日々関わることが多くなって一番興味

深いのは、たとえ都会にいても季節変化にカエル

の行動を重ね合わせて想像することで風流な

気持ちになれることだ。厳しい自然環境のなかで

ふとした瞬間感じられる風流のようなもの。

 カエルタイムズ12号を発行しないことには、私の

本当の夏は終わらないが・・・。

 夏が終わり、カエルが冬眠する場所に向かう頃、

今度は文化のカエルの季節が始まる。 

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