童話『もぐりのへたなアカガエルケプル』と北国の春

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『もぐりのへたなアカガエルケプル』(髙橋健著・上矢津画 小峰書店刊)

カエ~ル大学では、カエルが表現された絵本や童話を紹介する講座なども開いたことがあり、その一端を「コトバデフリカエル」でも「カエル白書」で報告しています。本ブログでも今年は100年カエル館で所蔵している絵本や童話から、季節に合わせた内容の作品を紹介させていただきます。

今回紹介する一冊は『もぐりのへたなアカガエルケプル』(髙橋健/たかはしけん著、上矢津/かみやしん画、小峰書店発行、1985年初版)。アカガエルといえば、今年も「カエル探偵団」の「アカガエル産卵前線」は北上中で、アマミアカガエルやリュウキュウアカガエルは昨年末には産卵の報告があり、今年1月31日の報告ではヤマアカガエルは埼玉県まで、二ホンアカガエルは愛知県まで達しています。詳しくは「カエル探偵団」サイトhttp://kaerutanteidan.jp/をご覧ください。

「もぐりがへたなアカガエル」と題されたケプルが主人公のこの童話は、同じ著者のシリーズ「キタキツネチロンとなかまたち」の一編なのでケプルは北海道に分布するアカガエル、エゾアカガエルではないかと想像します。ケプルがなぜもぐりがへたかというと、去年生まれたばかりで初めての冬ごもり明けのカエルだから。春がいつ頃やってくるかもわからなかったという設定で、実際、野外のカエル、特に初めての冬眠を経験したカエルにとって春を迎えるにもさまざまな困難を乗り越える必要があるようです。

そうして何とか春を迎えたケプルは、「ヒツジグサのある小さなぬま」に棲んでいます。ヒツジグサはスイレン科の植物。作品に描かれた小さなぬまの春の風景はほのぼのとしているのですが、ケプルは身近にコイなどの大型の魚やタンチョウ、ヨシキリ、カイツブリといった鳥類と遭遇するシーンがあり、食べらる危険があり安心してはいられません。自らはユスリカ、ハエ、ブヨなどを食べます。

アカガエルの友だちではピョルというみごとなジャンプを見せるカエルが登場します。しかし、春の嵐で大雨に流されたか、その時現れたシマヘビに食べられたか姿を消します。そして、夏がやって来て、再び冬が来る。そんな北の大地に棲むカエルや生きものたちの喜怒哀楽が伝わってくるような童話です。

さて、北海道といえば毎年一番早く届く、カエルがテーマのイベント情報は札幌にあるCous Cous Oven + Hoppers のカエル展です。今年も啓蟄に合わせて開催される「手作りカエル展」。出品の締め切りは2月14日ということなので詳しくはCous Cous Oven + Hoppersサイトhttps://couscoushoppers.com/ でご確認ください。

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広島大学のHiPROSPECTS®のアイコンのカエルとDNA音楽

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広島大学が平成18年から取り組んでいる到達目標教育プログラム「HiPROSPECTS®(ハイプロスペクツ)」のアイコンにカエルのイラストが使用されているので紹介させていただいています。学生の皆さんの知識・理解を深めるだけでなく、多様な能力・技術も評価する新しい教育システムとしてこれからの人材育成をめざし、カエルは左から「ミエル」「ツナガル」「ツカエル」を示しているそうです。

そして、現在、オンライン配信されている「知を鍛える広大名講義100選」の<生物・化学>の講義では、三浦郁夫先生(理学部・両生類研究センター 准教授)が語る「DNA音楽―科学と芸術の間を探る」を下記URLで視聴できます。DNA音楽という概念は1980年代に遺伝子研究で知られた生物学者の大野乾(おおのすすむ/1928-2000)博士によって提唱され、三浦先生はその理論を教育のために活用し、実際にその理論に基づく作曲を試みるという、まさに科学と芸術の間を探る“実験”をされています。

オンライン講義では、音楽プロデューサーの杉真理さんや学生さんの作曲によるオオサンショウウオの「DNA音楽」を聞くことができます。興味深かったのは、人間とオオサンショウウオそれぞれの遺伝子の塩基配列の違いから生まれた楽曲を比較すると、人間のDNAに基づいた曲の方が暗く複雑な印象があること。何となくわかる気もしますが、遺伝子配列を音楽に置き換えただけでもそんな違いが伝わることに感動しました。人間の感覚を探究する上でも示唆を与える研究でさらに他の研究領域とのつながりも期待したくなります。カエルのDNA音楽も聞いてみたいです。

https://jpn01.safelinks.protection.outlook.com/?url=https%3A%2F%2Fwww.hiroshima-u.ac.jp%2Fnyugaku%2Fenhance_knowledge&data=04%7C01%7Cimiura%40hiroshima-u.ac.jp%7C3d043f8c4f0747d1a0a808d89a90615c%7Cc40454ddb2634926868d8e12640d3750%7C1%7C1%7C637429292178967494%7CUnknown%7CTWFpbGZsb3d8eyJWIjoiMC4wLjAwMDAiLCJQIjoiV2luMzIiLCJBTiI6Ik1haWwiLCJXVCI6Mn0%3D%7C1000&sdata=y4sTyp5fKaI8h6wsO8umBvpY8Ge3i%2F6MYgUBF0WjZ9Y%3D&reserved=0

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100年カエル館より新年のご挨拶を申し上げます

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あけましておめでとうございます

本年もどうぞよろしくお願いいたします

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「エドゥアール・サンド彫刻展」(1995年東京都庭園美術館にて開催)のカエル

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「カエルのアコーディオン弾き」1932年ブロンズ(東京都庭園美術館図録より転載)

今からちょうど四半世紀前の1995年に東京都庭園美術館で「動物たちのシンフォニー エドゥアール・サンド彫刻展」が開催されました。最近、その展覧会図録を手にすることができました。

スイス生まれの彫刻家、エドゥアール・マルセル・サンド(1881-1971)。日本ではあまり知られていないのではと思いますが、それも当然でこの展覧会が日本で初めてサンドを紹介したものでした。その図録を見て、ワカガエルことができるならすぐにでも25年前に戻り、この展覧会会場に直行したいと切望しました。

このアーティストの手になるさまざまな動物彫刻作品の展示のなかには、カエルやカエルグッズ好きを魅了せずにはいられないような、カエルを表現した作品も十数点観ることができたのです。たとえば人間のように楽器を演奏したり、ダンスを踊ったりするカエルや、ラピスラズリやマダガスカル産水晶原石などの美しい石材を使用して造形したカエルのオブジェ、無骨にもユーモラスにも見えるヒキガエルのランプ、そして学生の頃の作品では、カエルを捕えた少年を白大理石で古典的に表現した作品もありました。

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「ヒキガエル」ランプ(東京都庭園美術館図録より転載)

同展図録を通してサンドについて知り、「動物彫刻」という領域の日本とヨーロッパの美術史における位置づけの違いや、もちろん本ブログとしてはカエルの動物彫刻について楽しい想像を巡らせる機会となりました。

サンドは「アール・デコの時代の動物彫刻家として知られている」(同展図録「彫刻家エドゥアール・サンドと装飾美術」高波眞知子)のですが、アール・デコの前のアール・ヌーボーの時代には、ガラス工芸という立体表現にカエルの装飾を施していたエミール・ガレ(1846-1904)がいます。(2005年に開催された「フランスの至宝―エミール・ガレ展」では、その磁器作品「大杯(カエル)」に心射抜かれ「カエルタイムズ」創刊号に紹介したことがあります。

サンドは若い頃、ガレの下で修業をしたいとその門を叩いています。しかし、その時ガレはすでに余命わずかで願いは叶いませんでした。

ガレとサンドが遺した魅力的なカエルたちに思いを馳せながら、「エドゥアール・サンド展」が再び日本で開催される日を待ちたいと思いました。

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100年カエル館コレクション15 コスタリカのカエルグッズたち

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 11月に入り日本は日増しに寒くなってきたところで、今回は「常夏」から「常春」といえる気候の国コスタリカ共和国のカエルグッズをご覧いただきましょう。

 100年カエル館では以前発行していた「カエルタイムズ」の創刊号(2005年4月発行)で、現在もコスタリカに住む石井信也さんにコスタリカの「カエル事情」について書いていただいたことがあります。ご寄稿によれば生物多様性の国と呼ばれる同国には、140種類のカエルが生息していて、写真家でもある石井氏はヤドクガエルやアカメアマガエルなど実際に原生林で出会った色鮮やかなコスタリカのカエルたちの魅力についてその写真とともにご紹介くださいました。

 そうした色美しいカエルたちはかなり強い毒をもっていることがあるのですが、「派手な色と毒はいわば自衛手段。そっと扱ってやれば大人しい可憐なカエルたち。人間が手で触っても有害ということではなく、指に傷があるとか、カエルを触った手で目をこするなどすると炎症を起こすことがある」と極度に恐れる必要はないようです。

 コスタリカがカエルと関わりの深い国であることが、100年カエル館にも土物、木製品、文具、キーホルダー、アカメアマガエルやヤドクガエルのフィギュアなどさまざま集まっていることから推察できます(画像)。石井さんはコスタリカのカエルの文化史について「コロンブスがアメリカ大陸を発見した1492年以前にここに住んでいた先住民のインディオたちは、アニミズムを信仰しており、自然界の動物たちと共生していた。なかでもカエルは多産の神として崇められていたようで、国立博物館へ行くとカエルの金細工や土器が沢山あり、目を楽しませてくれる」と書いています。

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 コスタリカ(Costa Rica)という国名は、スペイン語で「Rica(豊かな)Costa(海岸)」を意味し、コロンブスがこの地に上陸したときに金細工の装飾品を身に着けたインディオと遭遇したことからその名前がついたと言われます。メトロポリタン美術館(米国ニューヨーク)にもペンダントトップと考えられるカエルの金細工が数点所蔵されています。おもに11世紀から16世紀にコスタリカとその隣国パナマの国境付近にあるチリキという地域でインディオによってつくられたものと考えられます。ここに掲載した画像はそうしたコスタリカの金細工のレプリカで、コスタリカのお土産として販売されていたものです。

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カエルが引き合わせてくれたあの頃のニューヨーク発現代アート

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《Duco CEMENT》1980年 米沢市上杉博物館 通期展示

カエルに導かれるように美術展に出会うことがあります。現在、渋谷区立松濤美術館で開催されている「後藤克芳 ニューヨークだより “一瞬一瞬をアートする”」展もそのひとつ。目の前に現れた広告には、ドーンとカエルが造形された立体作品。ポップで愉快なカエルの胴体部分が、なぜか「Duco CEMENT®」という商品のパッケージになっていました。この「デュコセメント」は、アメリカでは家庭などでも日常的に使われている接着剤で、作家自身、木工制作の際によく使用していたもののようです。(※画像)

後藤克芳(1936~2000)は、1964年に渡米して以降亡くなるまでニューヨークを舞台に活動し、半立体のスーパーリアリズムの作品を制作したアーティストです。出身は山形県米沢市。今回の展覧会は、没後郷里の米沢市上杉博物館に寄贈された作品群を中心にその全貌が紹介されています。

米沢市は、100年カエル館のある福島県会津・喜多方市と隣接するどちらも山に囲まれた自然豊かな土地。生息しているカエルの種類もほとんど変わりません。カエルは子どもの頃から身近な生きものだったでしょう。

それにしても本来小さな接着剤を高さ1mほどの奇妙なカエルの胴体部にしてしまった理由が気になりました。そして想像したのは、このカエルの顔の下あたりに書かれているパッケージの注意喚起の文言「危険!目に入ると炎症を引き起こす」と読み取れる警告に意味をもたせたかったのではないか、と。

実際、この警告はカエルが行うととても説得力があります。天敵に対して自ら攻撃する手段をもたないカエルは、多かれ少なかれ分泌物に毒性がある場合があり、カエルを手に乗せたりした後では目をこすらないようにというのが野外観察の際の注意事項にもなっています。

さらに、中南米にはその名もヤドクガエルという強力な毒をもつ極彩色の美しいカエルたちがいます。そのカラフルさは天敵に対して「毒をもっているから触るとキケンだよ」という警告色になっています。後藤克芳がヤドクガエルを知っていたことは、《Duco CEMENT》を制作する2年前、1978年に制作した作品に迷彩柄の帽子を真上から描き、よく見るとその上に熱帯雨林に棲むヤドクガエルと思われる立体を視覚的には紛れ込ませるように組み合わせていることから推察できました。(※画像)

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《untitled》1978年 米沢市上杉博物館 通期展示

今回、故後藤克芳氏が同世代で現在もニューヨークを中心に活躍している篠原有司男氏と親交があったことを知り、筆者にとってはヤドクガエルでお二人がつながりました。100年カエル館で2006年に発行した「カエルタイムズ」に篠原氏にご寄稿いただいたことがありました。当時、篠原氏は回顧展で「セザンヌについて語る2匹の蛙」という大作を展示し、「毒ガエルの逆襲」というドローイングを描かれていました。

70~80年代に若者だった世代には、遠く憧れたニューヨークのアートシーンにリアルタイムに挑んでいた二人の日本人アーティスト。その心に生息していたヤドクガエルとは何だったのか、考えたくなる展覧会でもあります。実はまだ会場に足を運んでいないのですが、その答えを求めに行きたいと思います。

 

<後藤芳 ニューヨークだより

“一瞬一瞬をアートする”>

会場 渋谷区立松濤美術館 

会期 2020年10月3日(土)~11月23日(月・祝)前期:10月3日~25日 後期:10月27日~11月23日 ※休館日は月曜日(ただし、11月23日は開館)、11月4日(水)

開館時間 午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)

入館料 一般500円、大学生400円、高校生・60歳以上250円、小中学生100円 ※その他、団体、渋谷区民割引等あり。

主催 渋谷区立松濤美術館

特別協力 米沢市上杉博物館

お問い合わせ 渋谷区立松濤美術館 〒150-0046 東京都渋谷区松濤2-14-14 TEL.03-3465-9421 https://shoto-museum.jp

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夏休みのカエル講座最終回「カエルの色彩表現とフェルメール」 

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カエルは色彩表現の天才だと思うことがあります。

日本で「蛙色」といえば基本はグリーン系というイメージがありますが、実際にいろいろな種類のカエルを見ると黒っぽかったり、茶系だったり、かと思えば、黄緑色のアマガエルの中にきれいな水色や白色の個体が見つかったりすることもあります。

日本ではアカガエル科のカエルとアオガエル科のカエルは多いのですが、アカガエルといってもアフリカのトマトガエルほど赤くなく、渓流の石の上で鳴くカジカガエルはアオガエル科なのにグレー系だったり、その色彩表現はまさに天性の芸術家といえそうです。

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そんなカエルがまさに体現している色彩表現について、広島大学の三浦郁夫氏はその論文「カエルにおける色彩発現の遺伝的メカニズム」で詳しく述べられています。

カエルの皮ふには基本となる3種類の色素細胞、「黄色細胞」「虹色細胞」「黒色細胞」があり、オタマジャクシからカエルに変態すると、それら3つが表皮から順に三層に配置し「真皮性色素胞単位」というユニットを形成して色彩を発現するのだそうです。さらに「第4の色素細胞にアカガエルでは赤色細胞が黒色細胞の下に配置し、アオガエルでは紫色細胞が黒色細胞に代わって出現する」と解説。

 アカガエルとアオガエルの違いはそこに由来するのかと納得がいきました。さらにカエルの〝表現力”にかかわるともいえるのが「虹色細胞」に含まれている「反射小板」という、色をもたない色素。これは黒色細胞の黒色を背景として、外から入射した光を表に返す機能をもっているのだそうです。この仕組みについて三浦氏は、時々田んぼなどで発見される青い色のアマガエルを例にとって説明されています。

「(普通に見られるアマガエルの)グリーン色は、虹色細胞が青色付近の波長の光を外に返し、途中、黄色細胞の黄色い色素を通過するため、両色が混ざって発現する。しかし、この黄色素が欠損するか、あるいは極度に凝縮すると黄色のフィルターがなくなり、皮膚色は反射光のブルーを呈する」そうです。イエローの絵の具を切らしたカエルの画家は本来の蛙色(=グリーン)を生み出せないのでしょう。

詳しくは下記URLから「カエルにおける色彩発現の遺伝的メカニズム」をご覧ください。

https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/files/public/4/47719/20190704092219945395/BHSJ_2009-2_151.pdf

最近、BS放送で映画『真珠の耳飾りの少女』を観ました。17世紀オランダの画家フェルメールとその作品のモデルとなった若い女性のことが描かれていますが、画家が少女に雲を見ながらその色を問うシーンがあります。彼女は最初「白」と答えますが、すぐにそれを否定し「黄、グレー、そして青」と実際に目に映る色を挙げます。

今回、カエルのもつ色彩表現のメカニズム、特に「反射小板」の機能を知ることで、この画家を気取ったカエル(画像)は“光の天才画家”と呼ばれるフェルメールをまねているのではないかと、秋の日の雲を見ながら空想してみました。

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カエルはもう頬づえはつかない

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頬づえをつくという進化したポーズに、

カエルは憧れることがあるだろうか。

人が頬づえつきたくなるとき

その両腕は何かをきっかけに

重くなった心を支えてくれる。

でも本当はその両手を頬から放して

歌ってしまえばいいのかもしれない。

左右の頬を膨らませて鳴くカエルのように

「もう頬づえはつかない」(※)

 

※「もう頬づえはつかない」といえば、1970年代に出版されたベストセラー小説に作家の見延典子さんが大学の卒論として書いた作品『もう頬づえはつかない』があります。当時、桃井かおりさん主演で東陽一監督により映画化もされました。

◎写真のCDジャケットは、フランス人歌手、パトリシア・カースの1990年代の来日記念盤『はかない愛だとしても』。言葉を超えて伝わるその切ないほどの歌声は、デビュー当初よりエディット・ピアフの再来といわれ世界中の人を魅了してきました。EPIC SONY RECORDS ESCA5953

◎カエルグッズは世界的に人気のSprogz Frogs Figurines 

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夏休みのカエル講座7 カエルが逃げる

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 9月に入り学校生活は始まっていると思いますが、ここでは「夏休みカエル講座」を続けさせていただきます。今回のテーマは「カエルが逃げる」です。

 カエルグッズを集めていると、人間と同じような格好をしたカエルも含め、そのポーズにカエルは飛んだり跳ねたり、泳いだりすることが得意で好きなのだと思うことがあります。たとえば写真右のジャンプする姿のビニール製のカエルや、写真左の泳いでいるように見えるプラスチック製のカエルのブローチなども。しかし、自然界におけるその行動が、天敵から逃げるために発達させた能力であることがわかると、その健気さに一層の愛情が湧きました。

 写真中央にいたっては、アカメアマガエルが木の枝に登って得意げなポーズをとっているように見えます。でも、英語でTree Frog(樹上性のカエル)といわれるアマガエル科のなかまたちも、やむにやまれず逃げて木に登ったことが現在に至る繁栄につながったとする見方もあります。6600万年前に地球に隕石が衝突したことで恐竜が滅んだ後、爆発的に数を増やしたのが木に登って暮らしたアマガエルたちだったという、カリフォルニア大学バークリー校教授のディヴィッド・ウエイク博士による研究報告が2017年に話題になりました。

 この「夏休みのカエル講座」では、カエルグッズを通して自然界のカエルたちの行動について考え、生物学の専門家の方々の研究論文にまでジャンプしてお伝えしています。カエルの「逃げる」行動に関しても興味深い研究調査がありました。

 ちょうど1年前の9月17日に配信された国立環境研究所のニュースによりますと、東京農工大学、国立環境研究所、森林総合研究所の研究グループは、在来種のカエルが外来種のマングースによってわずか数十年の間に急速にその逃避行動を発達させた可能性を示す調査報告をしています。人がどこまで接近すればカエルが逃げ出すかという「逃避開始距離」を計測することで、マングースの影響が強かった地域に生息するカエルが、影響の弱かった地域と比べてすぐに逃げ出すことを明らかにしたそうです。

 調査地となった奄美大島にマングースが導入されたのは1979年。しかし、在来種の減少が見られたため2000年に環境省による駆除が始まり、今回の調査が行われた2013年にはほとんど駆除されていました。そのことにより、一度発達したカエルの逃避行動はすぐには戻らない、世代を超えて受け継がれている可能性も示しています。

詳しくは下記をご覧ください。

https://www.nies.go.jp/whatsnew/20190917/20190917.html

 カエルにとって「逃げる」行動がいかに大切か知ることができました。

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カエルのポストカードで“おうちギャラリー” 

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壁をポストカードで飾って

カエルの〝おうちギャラリー〟。

イギリスの童話の中で出会った

ザ・ウインド・イン・ザ・ウイローズ

『たのしい川べ』に住むヒキガエル氏や

アリス・イン・ワンダーランド

「不思議の国」や「鏡の国」で

アリスを困らせたカエルたち。

本の中では語られなかった

とっておきのストーリー。

カエルたちのナイショ話が聞こえる。

 

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