絵本『がまくん かろくん』(馬場のぼる作 こぐま社刊)

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20世紀後半に活躍した漫画家で絵本作家の馬場のぼる(1927ー2001)の絵本に「がまくん かろくん」(2000年 こぐま社)があります。がまくんは名前や茶色の体色からヒキガエルの仲間ではないかと想像できます。かろくんは緑色なのでモリアオガエルなどのアオガエル類や二ホンアマガエルなどのアマガエル類でしょうか。

かろくんはがまくんが「カエルなのに泳げない」ことに同情して、泳げるようになるまであれこれアイデアを出してつき合います。作者本人のことばによれば、これは「泳げないがまくんと、それをだまってはみておれないかろくんの熱き友情物語」。馬場さんが亡くなる前年に出版した絵本ですが、人間世界においても「がまくんとかろくんたちのような間柄になれたらなあ。」という願いを込めて創作したストーリーだそうです。

同じカエル類でも天敵から逃げるときにジャンプしたり、水の中に飛び込んでスイスイ泳いでいくカエルに比べ、ヒキガエルの場合、ノソノソ地面をはって歩く姿が印象的で泳ぎは上手でないかもしれません。そんな自然界のカエルの事情も感じながら、個人的には子どもの頃初めて泳ぐことができたり、自転車に乗れるようになったりしたことを思い出しました。

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現在、山形美術館で「まるごと馬場のぼる展」が5月25日まで開催されています。『11ぴきのねこ』シリーズで知られる絵本作家、馬場のぼる。その代表的な漫画や原画、50年間描きためた秘蔵のスケッチブック、絵画や立体作品など、その創作世界をまるごと楽しめる展覧会です。

『がまくん かろくん』の原画は展示されていませんが、松岡享子作・馬場のぼる絵による「かえる」ならではのことばあそび絵本『かえるがみえる』(1975年 こぐま社)の色校用リトグラフが4点展示されています。

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まるごと馬場のぼる展 描いた つくった 楽しんだニャゴ!

会場:山形美術館

会期:4月11日(金)~5月25日(日)月曜休館

www.yamagata-art-museum.or.jp

 

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2025年6月8日松本かえるまつりで、100年カエル館は「カエルかわいいアンケートまつり」を開催します。

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100年カエル館BOOK(非売品)

今年2025年の松本かえるまつりは6月8日(日)に開催されます。100年カエル館は会場近くにある中町・蔵シック館にて「カエルかわいいアンケートまつり」を実施いたします。300名様まで。

日時:2025年6月8日(日) 10:00~15:00

場所:中町・蔵シック館(〒390⁻0811 長野県松本市中央2⁻9⁻15)

◎ご回答の方に100年カエル館miniBOOK(B6版・16Pカラー)を差し上げます。同BOOKは、100年カエル館の活動を通してカエル好き100年の歩みを一冊にまとめました。

ご参加をお待ちいたしております。

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100年カエル館は5月は9日(金)10日(土)11日(日)に開館いたします。

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ようやく春らしくなり、100年カエル館の本年2025年のスケジュールも少しずつ見えて参りました。現在、100年カエル館のHPはリニューアルに向けて作業に入っております。開館スケジュールも2024年のものになっておりますので、今年のスケジュールはこのブログでご確認いただけますでしょうか。

本年は5月から11月まで、各月3日間ほどの開館とさせていただきます。5月は9日(金)10日(土)11日(日)の3日間開館いたします。6月からは今年の特別企画を考えておりますが、日程は決まりしだいお知らせいたします。

何卒よろしくお願いいたします。

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第26回両生類自然史フォーラムは埼玉県東松山市で5月17日(土)と18日(日)に開催。

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第26回両生類自然史フォーラムが2025年5月17日(土)と18日(日)に埼玉県東松山市で開催されます。

1日目(5月17日)は、東松山市立桜山小学校音楽室で日本両生類研究会会員による一般講演、施設見学として桜山小学校トウキョウサンショウウオ飼育施設と飼育個体の見学、2日目(5月18日)は、公開シンポジウム「埼玉県でカエル・サンショウウオを考えてみよう」が東松山市民文化センター 大会議室で行われます。

参加申し込み等詳しくは日本両生類研究会HP https://nbs1998.jpをご覧ください。

第26回両生類自然史フォーラム

■一般講演と施設見学

日時:5月17日(土)開場 12:30 開演 13:00 

◎一般講演 13:10~15:15(休憩・時間調整5分を含む)15:15~15:30(記念撮影・休憩)

会場:東松山市立桜山小学校 音楽室/埼玉県東松山市桜山台5番地(学校内敷地駐車可)

◎施設見学 15:30~16:00

会場:桜山小学校トウキョウサンショウウオ飼育施設

※大会参加費:2000円(研究会会員限定ですが、当日入会して参加することも可能です。)

公開シンポジウム「埼玉県でカエル・サンショウウオを考えてみよう」

日時:5月18日(日)開場 9:00 開演 9:30

◎主催者挨拶 藤田宏之(埼玉県立川の博物館)

◎基調講演 安野翔氏(埼玉県環境科学国際センター)

「水田生態系における生物多様性:田植え時期とカエルの関係」9:40~10:20

◎事例発表

・岡島孝徳氏(東松山市立桜山小学校) 長島拓志(埼玉県こども動物自然公園)

「埼玉県こども動物自然公園と連携した桜山小のトウキョウサンショウウオ保全プロジェクト」 10:25~10:45

・渡邉英之氏(埼玉西部アライグマ対策協議会)

「両生類の生息を脅かすアライグマの対策事例」 10:45~11:05

・石黒直哉氏(城西大学理学部教授)

「環境DNAとは何か?サンショウウオ生息域推定への活用」 11:05~11:25

◎パネルディスカッション

「厳しい環境下に置かれたカエル・サンショウウオをどう保全するか?」 11:30~11:55(質疑応答含む)

コーディネーター 藤田宏之

パネリスト 安野翔・岡島孝徳・渡邉英之・石黒直哉(敬称略)

※参加費 無料

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カエルも飛びだす「不思議の国のアリス」のしかけ絵本

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絵本とグッズをあわせて楽しめるようなしかけ絵本。100年カエル館にも「名作童話のカエルたち」の展示ケースの中に、「たのしい川べ」(ケネス・グレアム作)、「おやゆび姫」(アンデルセン童話)、そして「不思議の国のアリス」(ルイス・キャロル)などのしかけ絵本をその中に登場するカエルたちのグッズとともに紹介しています。

最近、日本経済新聞土曜版に差し挟まれる「NIKKEIプラス1」(2025年3月22日発行)の「何でもランキング」で絵本に詳しい専門家による「大人もときめくしかけ絵本」のランキングが発表されていましたが、その第1位がこの写真にもある「不思議の国のアリス」のしかけ絵本。これは「紙の魔術師」と呼ばれる米国の絵本作家、ロバート・サブダさんの手による100種類以上のパーツを組み合わせて作られたPOP-UP(飛び出す絵本)(ロバート・サブダ作、ルイス・キャロル原作、わくはじめ訳、大日本絵画発行)です。

このしかけ絵本の場合、紙を使った細工の精巧さもさることながら「不思議の国のアリス」の物語全体が丁寧に織り込まれていることも魅力です。最後のページに生きものの姿になったカエルが飛び出してくるのもカエル好きにとってはうれしい仕掛け。20年ぐらい前に池袋パルコの書店で購入したのですが、記事では「ポップアップ絵本の歴史を変えた」と評されていたことに100年カエル館のカエルグッズたちも喜んでいるように感じました。

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カエルもあくびをしたくなったら春

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今年は、虫たちが這い出す啓蟄(今年は3月5日)を過ぎてもなかなか暖かくならず、カエルたちもいつ冬眠から覚めていいかわからなかったかもしれません。昨年生まれて冬眠を初めて経験したカエルが(こんなふうにあくびをして?!)目覚めることができたら春。動物学者のコンラッド・ローレンツが提唱した「ベビーシェマ(ベビースキーマ)」では、幼児図式を示す7つの条件を挙げています。こんな姿は人間にもカエルグッズにも通じるまさに幼児図式、ベビーシェマでしょうか。7つの条件のひとつに人間の赤ちゃんの場合「顔の中央より下に位置する大きな眼」があります。カエルの幼体も赤ちゃんのようなカエルグッズも眼は顔の上の方にあるので人間の幼児図式は当てはまらないのが特徴です。他の人のあくびにつられてあくびをしたことはありませんか。みんながあくびをしたくなるほど暖かくなったらほんとに春。

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木地玩具のカエルとカエルの子育て

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日本の木地玩具のカエル。羽織っているのは蓑(みの)でしょうか、民話の「うばっ皮」を思い起こさせます。カエルがヘビから救ってくれた家の娘に恩返しとして、遠出の安全を守るために着ると老婆に見える「うばっ皮」を与えます。赤い布は魔除けの意味もあるのでしょう。そしてお腹の中には子ガエルがいます。安産のお守りでもありそうです。基本的には子育てはしないと考えられるカエル類ですが、オーストラリアにはイブクロコモリガエルという名前の子育てをするカエルがいましたが、1983年に絶滅したと考えられています。

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メキシコのカエルのいる丘の焼物のカエル

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TBS『世界遺産』(2月16日放送)では、メキシコの古都市「グアナフアト」が紹介されていました。グアナフアトとは先住民タラスコ族の言葉で「カエルのいる山がちな場所」という意味をもっているそうです。16世紀にスペインの植民地になってからは銀山の富で美しいバロック建築の都市が築かれましたが、当時、街中にもカエルが生息していたようです。今は建物が鮮やかな色で塗られたカラフルな街として人気があり観光客で賑わっています。

100年カエル館で展示しているメキシコ産のカエルグッズにもカラフルな装飾があります。メキシコ先住民の陶芸技術がイタリアやスペインでつくられていたマジョリカ焼の影響を受けて産み出されたタラベラ焼と考えられます。

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昭和100年を考えるツチガエル

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カエルの置物の代表格のひとつに信楽焼のカエルがあります。まさに置物の「ツチガエル」。この“考える”ポーズの信楽焼のカエルは高さが30㎝ほどあり、100年カエル館では和室に2点展示しています。1点は館長と母が京都で学生時代を過ごした父のために購入したもので、もう1点は演劇研究家の故河竹登志夫氏からご寄贈いただいたもの。父と河竹氏は同世代なので2点並べて展示していると“昭和のおとうさん”たちの会話が聞こえてくるようです。そういえば今年は「昭和100年」ですね。

ツチガエルの学名はGlandirana rugosaで、rugosaは英名のWrinkled Frogが示すように「しわくちゃの」という意味があります。Glandirana(グランディラーナ)はツチガエルかと思いきや、「土」はground。glandは「分泌物」で、独特の臭いのある分泌物を放つカエルということなのでしょう。

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アメリカンコミックに登場しそうなヒキガエル

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アメリカ人アーティスト、ジョン・ラヤ(John Raya)氏のブランド“Beasties of the Kingdom”(小動物の王国)のヒキガエル。ラヤ氏は子どもの頃からコミックや彫刻に興味をもち、たくさんのコミック本の中で育ち描写することで造形に必要な生きものの体のしくみをつかみ取っていきました。やがてユニバーサルスタジオでの仕事を経てディズニーランドではアートディレクターとして活躍。自らのブランドでは愛らしい動物たちを創作し世界中に広めるようになります。その中には写真のようなヒキガエルもいます。モデルになっているカエルは、アメリカに分布しているヒキガエル、アメリカミドリヒキガエルやコロラドリバーヒキガエルなどでしょうか。

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