2001年 グッドナイト・ムーン(映画に住みたい)
「グッナイト・ムーン」
実母の伝統と継母の先端、子どもが求めたふたつの愛
高山ビッキ・文
“離婚先進国”ともいえるアメリカの人々と家族の話をすると、とてもさりげなくステップファザーやステップマザー(継父や継母)の事が出てくる。
日本もあとを追っている傾向はあるので、その家族関係の話題に戸惑いつつも、新しい家族のあり方として定着している様子に希望が感じられる。
この映画は、その原題が『STEP MON』。ジュリア・ロバーツ演じる継母とスーザン・サランドン演じる実母が子どもをめぐって葛藤を繰り返した果てに、広い意味で“ひとつの家族”になる話だ。年齢も趣味もちがう2人の女性の住まい方のちがいも興味深い。
ファッション・フォトグラファーでもある継母が子どもたちの父親と暮らす家は、NYのど真ん中にある石造りの高級マンション。パイプの階段が上下階をつなぐ機能的で開放的なメゾネットタイプで、リビングスペースには重厚感のある家具を置き落ち着きを演出している。
一方NY郊外の自然に囲まれた実母の家は、ドアや円柱の白と下見板のグレーの組み合わせの外観に気品と伝統を感じさせる大きな家。子どもたちとの思い出もキルトに綴ったり、知的なアメリカ女性の暮らし方はさまざまな面で参考になる。
■「グッドナイト・ムーン」(日本公開1999年) 監督:クリス・コロンバス 脚本:ジジ・レヴァンジー 出演:ジュリア・ロバーツ スーザン・サランドン エド・ハリス 製作国:アメリカ
(2001年4月住宅メーカーPR誌掲載)
※この文章は高山ビッキが2001年に企業のPR誌に執筆したものをほぼそのまま掲載しております。無断転載を固く禁じいたします。 ※本サイトへのお問い合わせはケーアンドケーまで03(3981)6985
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