大路・小路が歴史に連なる京都で出会う。/かえるモノ語りー自然と文化をつなぐカエル94
<大路・小路が歴史に連なる京都で出会う。>
100年カエル館
高山ビッキ
記録的な酷暑となった今年の9月。私たち100年カエル館は初旬の1週間ほどを京都に滞在しました。
京都には仕事で毎年訪れるのですが、そんなに長く連泊したのは初めてのこと。
昨今の観光客の増加で、ホテル料金は高騰しているので、どこに泊まるか悩むところでしたが、100年カエル館として開催するイベント「カエルアートマン×20展 京都編」の会場、松栄堂薫習館のある烏丸御池に歩いて通えるところに最適なホテルを見つけることができました。
平安の都から続く、京都の大路・小路を毎日暮らすように歩いていると、京都のすべての道は歴史につながっていると感じる瞬間がしばしばありました。それは教科書で学ぶ系統立った歴史ではなく、個人的な記憶の中に収められている印象深い歴史の断片に、いとも簡単につながってしまう感覚でした。
会津出身の私には、京都守護職の会津藩と幕末の京都が結びつき、降り立った駅に「壬生」の方向が示されていると、いるはずのない会津藩預かりの新撰組がまだそこに駐屯している錯覚を覚えます。
毎朝、会場まで堀川通りを歩き二条城を目の前に右折するのですが、直進すれば幕末の重要な一幕に遭遇できる胸騒ぎがしました。
「錦小路」の表示を目にすると、江戸中期にあったはずの絵師伊藤若冲の実家の青物問屋を覗きに行きたくなり、耳を澄ませば、絵巻「鳥獣戯画」に描かれたカエルのようにビンザサラを鳴らして平安時代の大道芸人たちもやって来る気配がして……。
展示イベントには、カエルアートマンの生みの親、故柴田まさる氏夫人の和子さんも息子さんと一緒に愛知県から来て下さいました。夫人は、カエルアートマンに亡き柴田さんの存在が蘇るようで、何ごとか語り掛けられていました。
写真は柴田さんの手に成る、コミック調のカエルが描かれた小石アート。
京都という、さまざまな時空が交差する場所に届けられた石のカエルは、家族とやって来た柴田さん自身であることを、柴田さんのメッセージのように受け止めました。
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