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2024年4月

2024年4月25日 (木)

喜多方の桜の季節にカエルアートマンが発進しました。/かえるモノ語りー自然と文化をつなぐカエル88

 かえるモノ語りー自然と文化をつなぐカエル88

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「カエルアートマン×20」展(100年カエル館洋室展示室にて)

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喜多方の日中線しだれ桜並木と濁川河川公園の桜並木(2024年4月15日撮影)

〈喜多方の桜の季節にカエルアートマンが発進しました。〉

100年カエル館

高山ビッキ

 

 「喜多方さくらまつり」が幕を開けた日の前日、100年カエル館の企画展が始まりました。

 カエルグッズを展示するミュージアムの同館が館内で開催する初の美術展。企画から広報、そして展示作業を経て完成しました。

 メインの展示作品は、本連載でも時々紹介させていただいたカエル好きのアーティスト、故柴田まさるさんが描いたスケッチ画によるカエルアートマン20体。一体一体をカエルの写真家前田憲男さんが撮影したカエルたちと併置すると、合体したかのように命が吹き込まれ、野山や水辺に飛び出していくイメージが湧きました。

 展示スペースは、普段テレビアニメなどで親しまれてきたカエルのキャラクターや、欧米の名作童話から生まれたカエルグッズなど「ファンタジックなカエルの世界」を紹介している洋室展示室。その壁や展示棚を使用してどんなしつらえができるかに腐心しましたが、カエルアートマンたちはいとも自然にカエルの「なかま」ごとの棲み分けを見せてくれました。

「なかま」ごとのテーマは6つ。

 科目に分けられたカエルのグループの中で、世界的にも大集団を形成しているアカガエル科でさらに名前にアカガエルが付くカエルから生まれた「正統派カエルアートマン」。

 かつて自然史上因縁の分布域のせめぎ合いが会津で見られた2種の「伝統系カエルアートマン」、好き嫌いが大きく分かれるヒキガエル科の「個性派カエルアートマン」、福島県出身の動物学者田子勝彌博士の名前が付けられた日本固有種の「田子四兄弟」、地球上を移動して分布域を広げる「開拓的カエルアートマン」、そして誰もが思わず「かわいい!」と感じる「かわいい系カエルアートマン」に分類して展示しています。

 百年前、欧米で博物画や自然観察からカエルのジェレミー・フィッシャ―をはじめ愛らしいカエルのキャラクターが生まれたように、日本のカエルが変身して生まれたカエルアートマンたちが発進しました。

 引き続き5月は3日から12日まで「カエルアートマン×20 日本のカエルがHENSHIN」を開催しています。

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2024年4月 8日 (月)

今年は京の都にもカエルアートマンが翔んで上洛。/かえるモノ語りー自然と文化をつなぐカエル87「ほっと・ねっと」2024年3月

かえるモノ語りー自然と文化をつなぐカエル87

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<今年は京の都にもカエルアートマンが翔んで上洛。>

100年カエル館 

高山ビッキ

 

毎年弥生三月、京都で冬の空気感と春の光りを同時に感じる機会があります。

さらに今年は、100年カエル館では春に開催する「カエルアートマン展」を9月に京都でも開催することになり、その打ち合わせも兼ねて訪ねました。

思えば私たちの「カエル文化」をテーマにした展示イベントは、京都とのご縁で始まりました。

まだ100年カエル館を創設する前の2002年。当時、東京・赤坂アークヒルズにあった、京都市の観光物産のためのアンテナショップ「京都館」で「京都に・恋し(小石)・カエル」展と題した企画展を開催しました。

カエルの魅力をその頃考えられるだけ詰め込んだ企画でした。タイトルは学生時代を京都で過ごした父が晩年、蛙を詠んだ俳句に「恋し」と「小石」を掛詞にしていたことがヒントになりました。

京の都に上洛するカエルたちのイメージで、10人以上のアーティストによる「小石カエル」が疑似藻の上で楽しく遊んでいるようにエントランスに展示。京友禅作家に染めて頂いたタイトル・タペストリーを天上から吊り下げて(写真)。

また会場空間のポイントにはカエルの案内役として喜多方から銅製、陶製、木製などの大きめのカエルたちを送って展示しました。

併設で同時開催した「京都の美術史に登場したカエルたち」では、「鳥獣戯画のカエル」(平安・鎌倉)、「織田信長の三足の蛙の香炉」(安土桃山)、「伊藤若冲のカエルの絵」(江戸中期)についてパネルで紹介。そして京都・大山崎にあるアサヒグループ大山崎山荘美術館からお借りした、明治時代に日本で活躍して京都とも縁のある英国人陶芸家バーナード・リーチの「カエルの絵皿」は実物を展示。現代作家の日本画も展示しました。

さらに京都中を歩き回って陶器、縮緬、和紙、蒔絵など京都ならではの工芸のカエルグッズを集めて販売しました。

関連イベントとして、大ガマが登場する歌舞伎「児雷也」で知られる河竹黙阿弥のひ孫で演劇研究家の河竹登志夫さんに「伝統芸能とカエル」についてお話して頂いたのも懐かしい思い出。

かなりヤンチャな企画でしたが、今も「伝説のカエルイベント」と言っていただくことがあります。振り返るとその後100年カエル館で企画するイベントの基本にすべてトライしたような気がします。

2024年秋、カエルアートマンが喜多方から京都に翔びます。

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喜多方とオーストリア、2地点をつなぐ魅力とカエル。/かえるモノ語りー自然と文化をつなぐカエル86「ほっと・ねっと」2024年2月

かえるモノ語りー自然と文化をつなぐカエル86

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<喜多方とオーストリア、2地点をつなぐ魅力とカエル。 >

100年カエル館 高山ビッキ

 

 今年1月、ある例会で喜多方の暮らしや観光などを座標軸にポジショニングして喜多方の魅力についてお話する機会を頂きました。

 私自身振り返れば、高校卒業後故郷喜多方を離れ、20年ほど前に100年カエル館を創設してからは、2地点居住の生活をするなかで、喜多方をいくらか外側から捉える視点をもつようになったのではないかと思いました。

 長く広告やPR誌等の制作に携り、首都圏を中心に各地を取材した経験に照らし合わせても、喜多方には他の地域にはない独特の魅力があると実感できたからです。

 そんな時、耳に飛び込んで来たのが「福島県郡山は東北のウィーン」。そう紹介するのはテレビ番組「ケンミンショ―(「秘密のケンミンSHOW極」)でした。郡山は08年に「音楽都市」を宣言し、若い世代を中心に合唱や管弦楽の活動をしている人が多く、ウィーンのような「楽都(がくと)」をめざしているようです。

 私は喜多方も、あえて言えばウィーンを含むオーストリアに似た魅力をもっているのではないかと考えていたところでした。

 今世紀の初めですが、オーストリア政府観光局の記者研修旅行に招待されて、首都ウィーン、音楽祭で知られるザルツブルク、山間にある温泉地のバート・ガスタインを訪ねました。

 その時感じたオーストリアの魅力と、今は旅するように暮らしている喜多方そして会津の魅力の共通点とは……。

 オーストリアワインと会津の銘酒、ウィーンのコーヒー文化と喜多方の蔵カフェ、アルプス山脈と会津の山々で楽しめる山歩きやウインタースポーツ、市民活動としての音楽や美術も盛んで、「塩の砦(とりで)」を意味するザルツブルグと塩川町は「塩」の歴史で繋がっているかのよう。

 ウィーンと同じく会津若松や喜多方も盆地の中に発展した街で、ウィーンにはミュージカルでも人気のエリザベート皇妃が住んだシェーンブルグ宮殿がありますが、会津若松には鶴ヶ城があり、幕末には武家の女性たちがまさに身を挺して守った歴史があります。

 そんな共通要素の重ね合わせが「まちづくり」に役立つこともあれば、グローバル都市としてさらなる魅力の発信につながることもあるのではないか、と。

 オーストリアでは陶磁器や銀器など工芸品ブランドのカエルと出合うことも多く、いくつか連れて帰りました。

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