カエルアートマンに変身することもある日本のカエルたち/かえるモノ語りー自然と文化をつなぐカエル85「ほっと・ねっと」2024年1月
かえるモノ語りー自然と文化をつなぐカエル85
<カエルアートマンに変身することもある日本のカエルたち>
100年カエル館
高山ビッキ
カエルアートマンは4年前にデビューする予定でした。
100年カエル館が所蔵する故柴田まさる氏のスケッチ画を紹介する「カエルアートマン展」を東京・新宿の京王プラザホテルで開催する予定だったのですが、折しも発生した新型コロナウィルスの感染拡大で中止になりました。
この4年間を振り返れば、世の中が停滞したように感じる時期もあり、一方でかつてないような現象も起こり、歴史の大きな転換期に遭遇した思いでした。
昨年再開した本館は、今年、4月から11月までの月の前半の10日間ほどを開館いたします。そして、4月と5月には、4年前に中止となったその「カエルアートマン展」を同館内で開催します。
本展の見どころは、私たちがアートマンと名付けた柴田さんのスケッチ画20点のカエルたちですが、キャラクター性を強調して描かれた1点1点に作者は何のカエルを基に描いたか、種名を手書きで付していました。
トノサマガエル、ニホンアマガエル、アズマヒキガエルなど、一般によく知られていて福島県にも生息しているカエルもいますが、アイフィンガーガエルやハロウエルアマガエルといった、外国の研究者の名前などが付けられ日本のカエルとは思えない種名で、沖縄県や南西諸島に分布しているカエルもいます。
身近な生きものとはいえ、名前と顔が合致しない可能性もあると思い、ここでもう一つの見どころとなりますが、カエルの写真家として広く知られ、日本のカエル全種を生息地に赴いて撮影されている前田憲男氏にご協力いただき、一体一体のカエルアートマンに同種のカエルの写真を併置させて展示いたします。
自然の中で生活しているカエルをどんなふうに捉えてキャラクター化し、アート作品にしたのか、イメージを膨らませてご覧いただける展示になればと思っています。
そして日本列島は、各地に時にカエルアートマンに変身するかもしれない(?!)、楽しいカエルたちが生息する生物多様性の土地であることをお伝えしたい。
多くのカエルが繁殖シーズンを迎える頃。カエルの魅力を引き出す企画展を目指しています。
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