とんでもなく暑い8月、久しぶりにかえるくんに会いました。/かえるモノ語り―自然と文化をつなぐカエル81「ほっと・ねっと」2023年9月
かえるモノ語り~自然と文化をつなぐカエル81
<とんでもなく暑い8月、久しぶりにかえるくんに会いました。>
高山ビッキ(100年カエル館)
オランダのかえるくんにばったり、喜多方で出会ったような気持ちになりました。
毎年夏に開催されている、「喜多方発21世紀シアター」。今年のプログラムの中にオランダ生まれの「かえるくん」がいたのでした。残念ながら観に行けなかったのですが、それはオランダの絵本作家、マックス・ベルジュイスの作品をもとにした人形劇でした。
「かえるくん」といえば、アメリカの絵本作家、アーノルド・ローベルの『がまくんとかえるくん』のかえるくんの方が先に生まれ、日本でもよく知られているかもしれません。ローベルは1933年生まれで、その〝ふたり〟の仲良しのカエルたちの物語シリーズが出版されたのは70年代。
一方、ベルジュイスは1923年生まれですが、彼の「かえるくん」シリーズが始まったのは80年代の終わりでした。
ベルジュイスの「かえるくん」は、運河でのウォータースポーツが盛んなオランダのカエルらしく、いつも赤いボーダー柄の水泳パンツを履いています。
緑色と茶色の抑えた色調で描かれたローベルの絵本と違い、ベルジュイスの絵本は色彩豊か。「がまくんとかえるくん」でふたりの関係以外は外の世界の生きものとして描かれるのに対して、ベルジュイスの「かえるくん」の仲間たちは、あひるさん、こぶたさん、ねずみくん、のうさぎくんたちです。かえるくんは他の生きものたちと暮らす中で、なぜ自分はトリのように飛べないのかと考えたり、旅人のような存在のねずみくんに自分も旅に連れて行ってもらうがすぐに帰りたがったり……。かわいい姿形の動物たちでしか伝えられない方法で、私たち誰もが日頃漠然と抱いている「自由って何?」「自分って何?」といった疑問にさりげなく答えてくれます。
2005年に他界したマックス・ベルジュイス。その2年前にオランダの評伝作家ヨーケ・リンデルスさんの執筆で彼の評伝『かえるでよかった』が出版されています。07年にその日本語訳が出版され講演のために来日されたヨーケさんに、100年カエル館は当時発行していた「カエルタイムズ」で取材させていただきました。
写真の「かえるくん」人形はそのときヨーケさんからいただいたもので、本館「名作童話に登場するカエル」として展示しています。
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<関連サイト>
「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com
「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u
カエル大学通信 www.mag2.com/m/0001378531.html
※ブログ「高山ビッキBlog」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/vikkiも配信中です。
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