土と木のカエルと土木の世界に生きたアマガエル/かえるモノ語り―自然と文化をつなぐカエル80「ほっと・ねっと」2023年8月
<土と木のカエルと土木の世界に生きたアマガエル>
高山ビッキ(100年カエル館)
人の手から産まれた土物のカエルと水田や湿地に生息するツチガエルは、「土」という言葉でつながります。そして、天然木の素材感を活かして作られたカエルの置物は、英名をTree Frogと表記する樹上生活をするカエルにつながり、アマガエル(Japanese Tree Frog)やアオガエル(Forest Green Tree Frog)にとって森林の樹上は大切な生息環境であることを感じさせます。
土と木。
現在、100年カエル館を営む私たちの実家は土木業を営んでいました。
同館はコロナ禍のあいだ休館していましたが、9月から月の前半の10日間ほどですが開館いたします。(詳しい日程は毎月の開館前にウエブサイトでお知らせいたしますのでご来館いただければうれしいです。)
8月は16日から19日の4日間プレオープンとして開館いたしました。再開にあたっては、本館の和室の展示室を「日本文化の源流とカエル」と、いささか大層なテーマで展示構成し、中央の展示台に柏(かしわ)や槐(えんじゅ)、欅(けやき)、一位(いちい)など、北海道から九州までの天然木で作られた、比較的大振りのカエルをご覧いただきました。
その多くが、両親が各地にドライブに出かけ購入してきたカエルです。写真は栃木県日光産のカエルです。
同展示室では、両親が集めた焼物のカエルも展示していて、土と木のカエルは私たちにとって、土木の世界に生きた父を今も身近に感じさせてくれます。
父は「土木」の仕事の世界が自然環境への理解なしには成り立たないことを、誰に言うこともなくつぶやくことがありました。天候の変化に人一倍神経を使い、大雨になれば現場に向かいました。
二ホンアマガエルは気圧の変化に敏感で雨が降りそうな空模様の時に鳴くことが多いことから、「雨蛙」と呼ばれています。
父の名前は連天(れんてん)といいます。生まれた時から天に連なっていた父は、土木の仕事のために気象の変化を常日頃から神妙に受け止めた、まさに「天蛙(あまがえる)」だったのかもしれません。お盆の季節にツリー・フロッグ、父が一生懸命集めた木のカエルを見てそんな思いに駆られました。
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<関連サイト>
「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com
「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u
カエル大学通信 www.mag2.com/m/0001378531.html
※ブログ「高山ビッキBlog」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/vikkiも配信中です。
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