カエルも思っているだろうか、いつも五月だったらいいのに。/かえるモノ語りー自然と文化をつなぐカエル77「ほっと・ねっと」2023年5月
<カエルも思っているだろうか、いつも5月だったらいいのに。>
高山ビッキ(100年カエル館)
「いつも5月だったらいいのに」。100年カエル館に、そう訳せるタイトルの付いたアメリカ人画家の絵があります。
春夏秋冬の気候変化の激しい土地では、国が異なっても新緑の季節の5月は、格別な喜びに満ちているのでしょう。
会津のこの時期の美しさも比類ないものがあります。この原稿を書いている5月5日は子どもの日。子どもの頃もこの季節の光を見て、この光の中で遊んでいたことを思うと、心の遠くの方でも煌めくものがありました。
庭のアマガエルの初鳴きも聴こえ、水辺では産卵も見られるでしょう。私自身は、子どもの頃、野外でカエルと戯れることはなく、祖父が蒐集している木や石などのカエルを見て育ち、やがて自分でもカエルグッズを集めるようになり、人と蛙の関係から生まれる文化に興味をもつようになりました。
そして、100年カエル館創設以来、カエルについて執筆することも増え、山と溪谷社から2012年に“カエル文化”について111本のコラムを書いた本『かえるる』を出版。その翌年には、キュートなカエルの撮影で知られる写真家、松橋利光さんによる、世界のカエルと日本のカエルの写真、そして私が文章を担当した図鑑『ときめくカエル図鑑』を上梓しました。
生物学の研究者ではないので勇気のいる仕事だったのですが、地球上に生息するカエルたちが私たちに伝えたいことがあるとしたらそれは何なのか、生物学的なファクトを踏まえた上で表現しました。カエルはちょっと苦手という方にも楽しく読んでもらえるよう、カエルの生き方や魅力を可能な限りアピールしました。
この図鑑は一昨年に文庫化されたのですが、このたび重版が決まり、間もなく新版が発売されます。喜多方では宮脇書店さんがコーナーを設置して販売して下さっています。
文庫初版1刷と基本的に内容は変わらないのですが、昨年、今まで東日本集団のツチガエル(三浦郁夫氏調査)とされていた種が、ムカシツチガエルとして新種記載されたことなど更新しています。カエルの研究の世界も日進月歩の進化が見られます。
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<関連サイト>
「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com
「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u
カエル大学通信 www.mag2.com/m/0001378531.html
※ブログ「高山ビッキBlog」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/vikkiも配信中です。
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