白い泡に包まれたモリアオガエルのメガネケース誕生。/かえるモノ語りー自然と文化をつなぐカエル73「ほっと・ねっと」2023年1月
<白い泡に包まれたモリアオガエルのメガネケース誕生。>
高山ビッキ(100年カエル館)
産卵期になると山間部の水辺の木の枝などに見られる、白い泡に包まれたモリアオガエルの卵。白い泡は大きいものでは30センチ近くあり、その中に産み付けられた黄色い卵粒は、オタマジャクシに孵ると、白い泡とともに水中に落ちていきます。
幼生(オタマジャクシ)から幼体になって陸に上がったモリアオガエルたちはしばらくして散り散りに山の中に入り、樹上生活をしているのか、私たちの生活圏で出合う機会はあまりないかもしれません。
でも、自然写真家のレンズに捉えられた物怖じしないでたたずむ愛らしい姿や、水族館で生態展示されているどっしりとした存在感とつぶらな瞳の個体は、とても人気があります。
知っているつもりの日本のカエルも、昨今の調査研究では新しい発見も多く、知れば知るほど興味が湧いてきます。
近年の日本にはウシガエルやアフリカツメガエルといった外来種も生息していますが、日本に長く棲んでいるニホンアマガエルやトノサマガエル、ツチガエルなどの在来種も遠い昔に大陸から日本にやって来たと考えられます。
一方で、日本で誕生して日本にしか生息していない種を固有種と呼びますが、モリアオガエルはその一種なのでしょう。さらにその分布を見ると、本州の特に東日本に多く、寒冷適応型のアオガエルと言えます。
ところで、モリアオガエルには斑紋のあるものとないものがいます。有班は西日本に、無班は東北や北陸に多いなかで、福島県では両方が生息していて、繁殖地が国の天然記念物に指定されている川内村平伏沼のモリアオガエルは有班型で、会津にいるのは無班型です。
2023年。100年カエル館は、今年の再開をめざして準備しています。その前に昨年末、ミュージアムグッズのメガネケースを発売しました。ケースの片面は会津にもいる無班型のモリアオガエル(同メガネケースは両A面でもう片面はベルツノガエルです)。
白いケースをモリアオガエルの卵を包む白い泡に見立て、メガネやアクセサリーなど扱いに気を遣う大切なモノの保管にご使用いただけます。
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<関連サイト>
「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com
「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u
カエル大学通信 www.mag2.com/m/0001378531.html
※ブログ「高山ビッキBlog」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/vikkiも配信中です。
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