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2022年12月25日 (日)

来年は卯年、ウサギとカエルはこれまでも、いつまでも仲良し。/かえるモノ語り―自然と文化をつなぐカエル72「ほっと・ねっと」2022年12月

<来年は卯年、ウサギとカエルはこれまでも、いつまでも仲良し。>

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高山ビッキ(100年カエル館) 

 寅年の令和4年がまもなく終わり、来年は卯年、ウサギ年です。ウサギとカエルは洋の東西を問わずなぜか関わりが深いようです。

 自然界では基本的に草食のウサギと、意外にも肉食のカエルは、天敵の関係でもなければ、エサを奪い合う関係でもありません。

 では、どんな関係なのでしょうか。

 日本でよく知られた「兎と蛙」といえば、両者が相撲を取っている場面でもおなじみの絵巻『鳥獣戯画』。そのシーンは古く中国に伝わっている「月にはヒキガエルとウサギがいる」という考え方が反映されているとの見方もあり、東アジア圏でウサギとカエルの結びつきは昔から深かったと考えられます。

 一方、ヨーロッパでは、イギリスに今年出版120周年記念で注目されたウサギ、ピーターラビットのシリーズにはカエルのジェレミー・フィッシャーがいます。

 そしてオランダには、絵本作家ディック・ブルーナ(1927-2017)が生んだウサギのミッフィーがいて、日本でも人気があります。そのミッフィーのなかまには「つるんつるんあたまのかえるさん」として描かれたカエルがいます。

 西洋のカエルといえばグリム童話の「カエルの王様」が象徴的ですが、ブルーナは絵本『まほうつかいミッフィー』で、ミッフィーの魔法の杖でかえるさんの頭に王冠を載せてあげます。すると最初しょんぼりしていたかえるさんはうれしくてにっこりします。

 ところで、「鳥獣戯画」のウサギとカエルは「肥痩線(ひそうせん)」と呼ばれる、細くなったり太くなったりする墨絵の線で描かれていますが、ブルーナはミッフィーもかえるさんも微妙にふるえるような線で動物たちの感情を表現しています。

 かえるさんの色は作家独自の「ブルーナグリーン」。ブルーナは自然を表現するときに使うこの色で、見る人がゆったりのんびりすることを願っていました。

 古今東西、描き手の繊細な線で情感豊かに表現されてきたウサギとカエル。これからも共にピョンピョンと、ずっと仲良しでいたいと思っていることでしょう。

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<関連サイト>

「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u

カエル大学通信 www.mag2.com/m/0001378531.html

※ブログ「高山ビッキBlog」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/vikkiも配信中です。

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