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2022年8月

2022年8月28日 (日)

昨今注目される昆虫食とカエルの食生活。/かえるモノ語りー自然と文化をつなぐカエル68「ほっと・ねっと」2022年8月

<昨今注目される昆虫食とカエルの食生活。>

 高山ビッキ(100年カエル館)

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The Icky Sticky Frog Dawn Bentley/Salima Yoon

 今世紀に入り、環境問題解決のひとつの手段として注目されるようになった昆虫食。人類の食糧問題もそこまで来ているのかと驚き、でも、実際、食べられるかな、などと思ったけれど、コオロギラーメンもコオロギせんべいもその粉末を使うそうですが、まだ食べる機会がありません。

 また、昆虫食の話題になると、日本でも昔からイナゴを食べる地域があると言われ、100年カエル館のある会津もそのひとつに挙げられます。私も子どもの頃、食べたことがありました。

 そして、昆虫食と言えばカエルです。アマガエルやアオガエルなどは緑色の体色のせいか、草食と思われることもあるのですが、自分の口に入る大きさの昆虫などを食べる肉食動物です。しかも、目の前で動く生きものなら何にでも跳びついたり、粘着性のある舌を伸ばしたりして捕食します。

 そんなカエルの食いしん坊ぶりは、カエルグッズのデザインに活かされることがあり、実用品や置物のカエルに、意味ありげにハチやテントウムシやトンボなどの虫の絵柄や造形があしらわれていることがあります。不二家の「ペコちゃん」のように舌を出しているものもあり、カエルにとってそれらはおいしいものに違いありません。

 現在、アクアマリンいなわしろカワセミ水族館で開催中のカエル展でも、カエルが食べるときのからだの動きから発想したようなカエルグッズをいくつか紹介しています。

 この絵本(写真)も展示中ですが、目はプラスチック製で黒目の部分が動き、口から伸びている赤いゴム状の舌の先には「ハエ」がくっついています。「ネバネバガエル」とでも訳せそうなこの絵本のカエルは、ハエやカブトムシやバッタをそのネバッとした舌で次々と食べていきます。そして次にチョウチョウを狙ったところで、最後のページで「ガブリ」、大きな魚にひと飲みされたのはカエル自身でした。

 カエルは食物連鎖を示す生態系ピラミッドの中間に位置している生きもので、その大きな口に入るサイズの昆虫などはエサになり、自分より大きな生きものからは食べられる危険性があるのです。そんな自然界に見られる生きものの生存のしくみをイギリスの絵本らしくブラックユーモアを効かせて表現しています。

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<関連サイト>

「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u

カエル大学通信 www.mag2.com/m/0001378531.html

※ブログ「高山ビッキBlog」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/vikkiも配信中です。

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2022年8月 5日 (金)

アジサイの季節に"伊豆のカエル旅"に行ってきました。/かえるモノ語り-自然と文化をつなぐカエル67「ほっと・ねっと」2022年7月

<“伊豆のカエル旅”に行ってきました。>

高山ビッキ(100年カエル館)

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静岡県の河津(かわづ)町は、早咲きの桜「河津桜」で知られ、春には毎年各地から観光客が集まります。

そこに4年ほど前、日本最大の体感型カエル館、その名もKawaZoo(カワズ―)ができてからは、カエル好きの間では「カワズ―行った?」が挨拶代わりになりました。

にもかかわらず、なかなか足を運べないでいたのですが、この6月、ついに行って参りました。

沼津市に仕事で30年以上もお世話になったMさんご夫妻がお住まいで、今回、「カワズ―」と、沼津にある「あわしまマリンパーク」のカエル館めぐりをメインにした、伊豆のカエル旅へとご案内いただいたのでした。

三島駅で出迎えてくださったMさんのクルマで、伊豆といえば現在大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で注目の北条一族ゆかりの地を通り、一路カワズ―へ。

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ここカワズ―では常時120種の国内外のカエルを展示しています。昨年文庫になった拙著『ときめくカエル図鑑』に紹介したカエルたちと同種のカエルも多くいて、久しぶりに対面できました。

美しくもはかなげにカサッコソッと動くヤドクガエルたち。

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カエルは水槽の生態の中でも、葉っぱや枯れ枝、土の中に隠れたり、潜ったりしている場合があり、木の葉に間違えそうなコノハガエルとは目が合ったのですが、コケに似た姿のコケガエルにはこの日はお目にかかれませんでした。

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無人島にある水族館あわしまマリンパークには、対岸から約3分、船に乗って向かいます。

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大きな水槽の水の中にプカリプカリとビニールの玩具のように浮いているアフリカツメガエルは、生きているように見えず大丈夫かなと思うと、意表を突いたように動き出します。

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 人見知り(?)とも思えるカエルも多いなかで、つぶらな瞳でアイコンタクトをとってくれたのは宮古島などに棲むミヤコヒキガエル。

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こうして半日カエルたちとの時間を楽しんで、三島駅に戻る途中、Mさんに「こんなところもあるよ」と言われて立ち寄ったのが、三嶋大社の摂社、楊原神社(やなぎはらじんじゃ)。

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ここに「三島の七石」の一つとされる蛙石がありました(写真)。

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 まだ6月だというのに猛暑日だったこの日。雨乞いの祈りも込められていたかもしれないこの蛙石に、ハッピーフロッグ、今日はなんてラッキーなのだろうと思えた1日でした。

◎体感型カエル館KawaZoo 静岡県賀茂郡河津町梨本377-1 TEL.0558-36-3990

◎あわしまマリンパーク「カエル館」 静岡県沼津市内浦重寺186 TEL.055-941-3126

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<関連サイト>

「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u

カエル大学通信 www.mag2.com/m/0001378531.html

※ブログ「高山ビッキBlog」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/vikkiも配信中です。

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