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2022年4月

2022年4月29日 (金)

100年カエル館に新しい?!ガマ仙人が現れた。/かえるモノ語り-自然と文化をつなぐカエル64 「ほっと・ねっと」2022年4月号

<100年カエル館に新しい⁈ガマ仙人が現れた。>

高山ビッキ(100年カエル館)

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来訪神のように現れたガマ仙人。

その正体は、人形作家、林垣内瑞枝(はやしがいとみずえ)さんからの寄贈作品の「GAMA仙人」。2匹の「ガマ」それぞれが子育てをしているのか、「それはそれはしい幼子」を連れていました

 そのキュートな二人が、作家が生み出したガマ仙人というからびっくり。

 そういえば、仏教では紀元前にインドのルンビニで生まれたお釈迦様、ゴータマ・シッダールタの誕生日4月8日は、今でも花祭りとして祝われ、キリスト教では、その誕生が西暦紀元とされるイエス・キリストは、今では日本でもその降誕祭のクリスマスが年末に欠かせない行事になっています。

 そして我らがガマ仙人(蝦蟇仙人)は、お釈迦様やイエス様のように歴史に記録された人物ではないのですが、中国の道教にかかわる仙人とも伝えられ、そのルーツは5世紀頃に遡ることができます。

 日本でも特に江戸期に美術や工芸品のモチーフになり、今も寺社建築、祭りの山車、絵画、根付などに見ることができます。「カエル文化」的にとても重要な存在なのです。

 林垣内さんは、100年カエル館に展示されている骨董などの蝦蟇仙人を見て、「ガマ仙人はなぜガマ仙人になったんだろう」と考えたそうです。その結果生まれたのが、ガマに育てられた、この高貴な自然児とも言える、ガマ少年たち(写真)。

 その、アーティストならではの、まっすぐに真実を貫くような発想と表現に目が覚めるような思いがしました。二人のガマ少年を、その昔、ガマ仙人と呼ばれた人の一人、劉海蟾(りゅうかいせん)に因んで名づければ、リュウとカイでしょうか。

 初めて動物の人形を制作したという林垣内さんは、二人を育てたガマの造形を、ひとつは野外に生息するヒキガエルのように、もうひとつは、江戸の絵師が描いた「蝦蟇図」のように表現しています。

 100年カエル館は、現在、この「GAMA仙人」たちとコロナ収束後の再開の準備を進めています。

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<関連サイト>

「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u

カエル大学通信 www.mag2.com/m/0001378531.html

※ブログ「高山ビッキBlog」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/vikkiも配信中です。

 

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2022年4月10日 (日)

土製の鉢の中に見つけた春と縄文のカエルの物語。/かえるモノ語り-自然と文化をつなぐカエル63 「ほっと・ねっと」2022年3月号

<土製の鉢の中に見つけた春と縄文のカエルの物語。>

 高山ビッキ(100年カエル館)

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 今年の冬は全国的に例年以上に寒い日が多かったせいか、3月になり啓蟄からお彼岸に向かって少しずつ温かくなっていくことがひときわうれしく感じられました。今頃近くの田んぼや池では、この土製の鉢の中(写真)のように、卵から孵った(かえった)オタマジャクシたちが泳いでいるかもしれません。

 そんな冬から春への季節の巡りは、縄文時代の人々も繰り返し感じていたことでしょう。近年、縄文文化に関する発掘調査やその研究報告、出版、博物館のイベントが増えています。新聞等メディアの報道でもさまざまな見解を読むことがありますが、文字で書き記されたもののない時代だけに、想像がかき立てられます。

 縄文時代に対するこれまでの一般的なイメージとして、稲作が始まる弥生時代の前の、狩猟採取を中心とした時代。文化度が低く原始的な暮らしをしていたという認識があったとしたら、再考すべきことが多いのではないかという見解が主流にあるようです。

 また、縄文文化といえば、日本の国土内だけで培われたイメージも少なからずあると思いますが、土器や石製の装飾品などの遺物の解釈などにより、大陸の諸文化との交流がまったくないとは考えにくいとも言われています。

 たとえばこの、カエルの造形とオタマジャクシの絵の装飾が内側に施された土製の鉢は、私の父が中国で購入してきたもので特に古いものではありません。でも、中国で日本の縄文時代のはじまりと同じ頃に起こった仰韶(ぎょうしょう)文化には、やはり、器の内側に蛙が描かれた彩陶(さいとう)器があると知って、この鉢に古くから伝えられた文化の一端を感じました。

 そして、以前、この連載でもカエルが描出された縄文土器、長野県曽利遺跡出土の通称「曽利の蛙」(蛙文・みづち文大深鉢)について書いたことがあります。まるでその装飾として浮彫されたカエルは現代のマグカップのカエルのデザインにも通じるキャラクター性がありました。

 文字のない時代、土器に施された装飾は物語の表現である可能性もあると言われます。今後の縄文文化の研究の進展によって、大陸の文化と共通性があったかもしれない縄文土器、そこに記された「カエルの物語」が読み解かれる日を楽しみにしています。

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<関連サイト>

「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com

「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u

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