今も昔も空を見上げればカエルが降ってくる!?/かえるモノ語り-自然と文化をつなぐカエル62 「ほっと・ねっと」2022年2月号
<今も昔も空を見上げればカエルが降ってくる⁈>
高山ビッキ(100年カエル館)
冬に空から降ってくるものといえば、雪。しんしんと降る様子は神秘的で美しくもありますが、降り積れば雪かきが大変です。
友人の真理さんから「でも最近の会津の雪は吹雪くように降るよね」と言われ、一月に喜多方に雪かきに戻ると、確かに子どもの頃の降り方とは大分ちがっているような気がしました。
ただ世界各地で異常気象の報告があるなか、雪に混じってカエルが降ってくるわけではなく……?
私は目撃したことはないのですが、2009年前後に日本国内数か所でカエルが空から降って来る事例が報告されました。
実際に降っている状態を見たという報告よりは、水辺が近くにあるわけでもないのに、家の前にまだ生きている魚やオタマジャクシ、カエルを何匹も発見したというケースが多く、悪戯の可能性は充分考えられました。
ただ、そうした現象は、自然科学の研究者の間では、飛んでいる鳥が捕食して呑み込んだオタマジャクシやカエルを何かの拍子に吐き出した可能性、そして、竜巻が起こったときに巻き上げられたオタマジャクシやカエルが降って来る可能性も否定できないようでした。
その竜巻説。文献等によるとヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアなど世界各地、古くは2世紀頃から20世紀までの記録がありました。
そして21世紀の日本でも話題になったわけですが、いまだに決定的な科学的根拠が示されず、不思議な現象と受け止められるのは、旧約聖書の「出エジプト記」でナイル川にカエルが溢れた現象が記載されているように、「カエルが天から降って来る」現象は、竜巻が理由かどうかは別にして、創世記神話につながりやすいからかもしれません。
写真はバリのウッドカービングのカエル。本当はありえない翼の生えたカエルの姿は、バリのシンボルである霊鳥ガルーダと、農耕の神ヴィシヌ神の使いのようなカエルが合体したイメージでしょうか。
それは旧約聖書以来伝えられた大天使、その名も「ミカエル」の姿も思い起こさせ、カエルが空から落ちて来る現象に、つい超自然的なものを感じたくなります。
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<関連サイト>
「100年カエル館」 http://kaeru-kan.com
「カエ~ル大学」http://kaeru-kan.com/kayale-u
カエル大学通信 www.mag2.com/m/0001378531.html
※ブログ「高山ビッキBlog」http://kaeru-kan.cocolog-nifty.com/vikkiも配信中です。
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